死んだら神になりました

叉龍

57-作為的

「こ、後衛が…なんなんだ…あれは…」

「団長!  1回体制を立て直すべきです!」

「うるさい!  奴だ!真ん中の小僧をやればこちらの勝ちだ!  全員奴をやれ!」

あの団長補佐てきなやつはかなり有能だな。
それに比べてあの団長は馬鹿だ。

「団長!  周りから狙われています!
先にほかを潰してから…」

「うるさいぞ!  貴様!  この私に意見するというのか!  この場でたたっ斬ってやるぞ!」

「団長!」

馬鹿なやつだな…それにしてもあの兵は有能だな。周りをよく見れていて冷静に戦況を読めている。味方に欲しいくらいだ。

「なあ、俺あんたみたいなやつうざくて嫌いだからどっかいってくれんか?  『衝撃インパクト』」

あの団長の乗っていたワイバーンごと吹っ飛んでいった。あの感じじゃあ生きてないな。

「なあ、あんた。俺の仲間にならないか?  気に入ったぞ」

俺はさっきの人を勧誘してみる。

「とても有難いが断らせてもらう。
祖国の行為が馬鹿な行為と言っても、やはり祖国を裏切るのはね。代わりと言ってはなんだが、この戦争が終わってから君のことを訪ねてもいいかい?」

「ああ。大歓迎さ。まあ、ここから逃げられたらの話だがな」

こっちも脅威はできるだけ排除しておきたい。

「じゃあまたいつか。『濃霧ミスト』総員撤退!  皇都で体制を立て直す!」

魔法で霧を発生させて目くらましをされた。霧の中にいくつかの魔力の塊を作って、さらにそれを動かしながら逃げていった。
かなり有能だな。ますます欲しくなった。
霧が晴れた頃にはもういなくなっていた。

『総員砦へ帰還せよ。繰り返す。総員砦へ帰還せよ』

一旦全軍を下げさせ、これからは諜報活動をしていく。


『第三部隊、帰還』

『第一部隊帰還』

『第二部隊はどうした?』

『第二部隊。蚯蚓ワームの大群による攻撃を受けている。奴ら街道に出てきやがった』

この北諸国内では魔物の出現があまり見られず、たまに出てくると言った程度。
しかも地面を固くならされている街道にワームが出てくることはまずありえない。
加えて大群だ。人為的なものとしか思えない。

『了解。直ちに向かう。被害は?』

『人的被害なし。現在空中にて待機中だが、あたり1面を埋め尽くす大軍で地上に降りられない。空中での移動もリスクが高い』

『できるだけ高度を取れ。大規模魔法攻撃を行う』

『了解』

現場に到達すると酷い有様だった。
大小さまざまなミミズがいた。想像以上にいた。地面を埋め尽くしていた。

『…全員高度をとったか…』

『全員完了だ』

業火インフェルノ

街道を埋め尽くしていたワームが燃えている。…なんかうまそうな匂いが…ワームってうまいのか?  いかんいかん。
インフェルノは対象を燃やし尽くす。灰も残さないように燃やし尽くす。この量の殲滅には丁度いい魔法だな。

『よし、終わった。第二部隊全員無事か?  砦に戻るぞ』

今回の戦い(虐殺?)の被害はゼロ。敵の装備品とかは全部ワームが処理してってくれたからよし、と。
今日が四日目。十日で終わらせるって言ったけどそんなにかかんないかー。
まあ、国一つ落とすのに十日で終わらせるのも異常だがな。


「さてまずは、おめでとう。諸君らの健闘に感謝する。おかげで損害ゼロ。第二部隊は少し体力と魔力を消耗してるかな?」

「いや、黒竜騎士団の団員にそんな軟な訓練を受けている者はいない。アーマーつけたら100kmくらい余裕で走破するぞ。もちろん不整地でな」

「…さすがだな。さて、これでしばらくの砦は無人状態。第五砦までの部隊が出払ってるって話だからそこまではいけると思うが、あれだけの技術がある国だ。何か罠がある。まずは魔力でヒト型を模った囮を第五砦まで進めようと思う。そうしたらおそらく敵が何かしらの動きを見せるだろう」

「そのあいだ我々はどうするんだ?」

「一度撤退かな?一度街に戻って後続と合流する。囮の第五砦到着まで1日くらいかかるから、それまでは待機。囮の1人と感覚共有をするから、囮の追跡をしたい人は言ってくれ。対応する囮と共有させる」

感覚共有は、視覚、聴覚、痛覚、嗅覚などを、元々は従魔と共有させて、飛行系の従魔なら、空からの偵察に使ったりする。

「本隊は夜間に出る。隠密行動を優先するために、小隊ごとの行動になる。戦車はこっちで運ぶから、5人小隊で行動してくれ」

「「「了解」」」

「ルートは各隊に任せて、それに合わせた迷彩を塗装してくれ。解散」

そういえば航空隊は先に返したけど整備は進んでるのかな?
後続部隊の戦況も聞いてないしな…

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