高一の俺に同い年の娘ができました。
一話 プロローグ
突然だが、皆さんはタイムスリップというのは信じているだろうか?
タイムスリップとは、SF文学などに登場する過去や未来を行ったり来たりするやつで「タイムトラベル」や、「タイムリープ」なんて呼ばれたりもするらしい。
まぁ、俺が言いたいのは要するに、某青い耳なし猫型ロボットが持っている、机の引き出しにあるシークレットな道具の機械を実際に信じるか、ということだ。
ちなみに俺は信じている。
夢のある機械だし、何より魔法の類でなく科学の力だ。今はないが、俺が死ぬまで位には開発されてほしいものだ。
ちなみにアインシュタインの相対性理論なんかにタイムトラベルを可能にするのは光の速さが云々などといっているが、そんな難しいこと俺にはわからん。
まぁ要するに、俺はタイムマシンを信じてる!
ドラ〇もんが開発されることを信じている!
もう夜も眠れないほどに!というわけだ。
それで困ったら、魔法の言葉を言うんだ、
「助けてド~ラ~え~〇~ん」
と泣きつきながら、ジャイアンに殴られたことを言うんだ。
そして、貸してもらった秘密な道具を使い、異世界転生されたチートな主人公も真っ青になるレベルで好き放題できる未来を信じている!切実に望んでいる!!
そして最後に調子に乗って暴走したのを尻拭いしてもらうまでがワンセットだ。
まぁ、チート云々はおいといて本当にあの道具を使ってみたいものである。
・・・・・・なに、俺みたいな一市民が道具を独り占めできるとでも思うな?
そんな夢のないことを言っちゃいかん。そもそもそれだったら...
「おーい、話がずれてる。ずれてるよ~」
俺にそんなこと言うんだったら、のび太君も...
「おーい。聞いてるー?」
のび太君も俺と同じ、
「おーい、無視すんなっ!」
「うおっ、あぶねっ!」
そういって近くにあった段ボールから本を一冊取り出し、俺の顔めがけてプロ野球選手顔負けの豪快なフォームで全力投球してきた。
思いっきり投げられたそれはたまたま開けていた窓の外にすごい勢いで飛んで行った。
あぁ、あの本買ったばっかでまっだ読んでないのに・・・・・・
本はそのまま近くの川に落ちていった。近くって言っても50メートル以上あるぞ。どんだけ飛ばすんだよ・・・・・・
「いきなりなにすんだよ!危ないだろうが!」
「ずっと話しかけてんのに無視するからじゃん」
そう言って俺と同い年くらいの少女はツーンとした態度でそっぽを向いたまま答えてくる。怒ってんのか?
「だからって本を投げるなよ。あれまだ読んでないんだぞ」
「うっ、それはごめんなさい。っでもあれは、話を聞かないパっ、お父さんが悪いんだからね!」
「だからお父さんいうな!俺はお前の親か!?」
「親だよ。だってお父さんはお父さんだし、普通はそう呼ぶものじゃない?くそジジイって呼ばれるのとどっちがいい?」
そう言ってくる少女は、俺と似つかわないかわいいときれいが半分半分といった顔立ちで、どう見ても俺と同じ十五、六くらいにしか見えない。
どこの世界に自分と同年代の子どもを持つ親がいるってんだ。
というか、その二つの比較はせこいだろ、
「確かにくそジジイは嫌だが、俺はお前を産ませた記憶はないし、そもそも俺はどうて、ゴホッゴホッ。そういうことをした経験もない」
「ええ~、でも私がいるってことは、お父さんが頑張った証拠じゃん」
やれやれといったように彼女は言う。
何言っているんだこの子は。
「なんだそのハチャメチャな証拠は。そして女の子が男の前で簡単にそんなことを言わない」
全く、こんなかわいい子が簡単にそんなことを言っちゃいかんだろ、男はみんな獣なんだぞ。狭い密室で男女二人そんなことばっか言ってると襲われるぞ。
「ああ~もしかしてお父さん今エッチなこと考えてきた?だめだよ~?いくら美少女だからっていって、私あなたの娘なんだから!」
そう言ってわざとらしく胸を腕で隠すポーズをとり、背中を見せてくる。ポニーテールに縛った髪がわっさわっさと左右に揺れている。まるで犬の尻尾だ。
「考えてねえよ!ていうか娘じゃないだろ!」
「またまたそんなこと言って―。お父さんは頑固だなー。本当は娘の胸に飛びつきたいんでしょ。しょうがないなー、せっかく初めて会えたんだし娘が一肌脱いであげるよ。特別だからね。ほい、カモン!」
そう言って俺の話を一切聞かない彼女は両手を広げ、胸を突き出し露骨にアピールしてくる。むっ、けしからん。C・・・・・・いやDはあるな。結構でかい。
「年頃の娘に抱き着くなんてまたとないチャンスだよ!全国のお父さんたちの夢といっても過言でないんだよ!!ほらほら遠慮せずに」
「いやいや、確かにそうだけど。そもそも俺はおまえの父親じゃ・・・・・・」
「おりゃっ!」
「わぷっ!」
「まーだ言うか。ほれほれ」
そう言って俺は彼女の胸に抱きかかえられた。健全な男子諸君なら興奮しないわけない、まさに夢の状況だが、それだけに恐ろしい。この後何が待ってるんだ!?
俺いま備わっているすべての理性を総動員で仕事をさせ、本能を抑えているうちに行動をやめさせようと、必死に訴えるが、そんな俺の言葉も彼女には届かず、
「えー、もっと抱きしめてって?もー、パ、お父さんたら甘えん坊なんだから~」
そんな的外れなこと言って俺を抱きしめるちからをさらに強くしてくる。
あっヤバイくらくらしてきた。
今まで彼女いない歴=年齢の俺には少々どころかベリーハードな状態になっている。俺の顔に当たっている豊かな二つのものと、首筋に当たる彼女の吐息が俺の理性をガンガンと削っていく。マジでやばい。
理性は何とか任務を遂行しているが、万が一のために俺は彼女に下半身が当たらないように腰を一歩下げて彼女の腕をたたくがそんなこと気にする様子もなくどんどんとかかる力が強くなっていく。
そしてわかっていたことだが、
(やだっ、この子人の話聞かない。)
全く、一体親は何を教育してきたんだ!これだから最近の若者は・・・・・・
俺も同年代のくせに自分のことを棚に上げて昨今の若者事情を考えていると、一つ重大なことに気が付いた。
息ができない!?
「ちょっ、ストップ!ストップ!死ぬ!」
男子の夢も不意打ちでやられたらこのざまだ。女子特有の甘いにおいも呼吸できなければ無意味である。
そんな妄想通り越して拷問になった
(ギブギブッ。もう無理・・・・・・でも女の子の胸で窒息死とかなかなか夢のある死に方だな。)
ふっと俺の意識が飛ぼうとした瞬間、やっと解放された。
俺が必死になってギブアップを伝えるとやっと伝わったようだ・・・・・・
「は~、堪能した!」
伝わっていなかったようだ・・・・・・おのれこのアマ。
ぜーはーぜーはー。
俺は荒い息を必死で沈めてようやくまともな質問をした。
「はぁー。それで、あなたはどちら様ですか?空き巣?それとも新手の詐欺ですか?あいにくここにはそこまでお金はありませんよ」
「いやだな~。そんなわけないじゃない。私そんなことする子に見える?」
ジー
「そんなに睨まないでよー。泥棒とかじゃないって」
「じゃあお前は一体何なんだ?勝手に人の家に侵入するとか犯罪だぞ、それ」
「勝手に侵入したっていうか、まぁそれは謝るけど、でも私そんな悪い子じゃないよ!これでも、しっかりママに教育された立派な淑女だからね」
彼女は胸を張って答えるが、
「淑女って言葉間違えて覚えてるぞ、それ」
なっ失礼な、などといってるが気にせず続ける。
「それで、ほんと何の用だ?」
俺はじっと彼女を見つめているとやがて堪忍したのか、彼女はふっと息をつき、まじめな雰囲気を作った後きらめく笑顔でこう言った。
「タイムスリップでやってきたあなたの未来の娘の神山 奏、15歳です。これからもよろしくね!おとーさん!」
えっ
今何て言った?未来から来た?
「はぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!????」
俺の絶叫が二人しかいない家に響く。
これが俺と娘の記念すべきファーストコンタクトだった。
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