ディス=パータ
第1話 まだ見ぬモノ
「もうすぐで衛星光学兵器の中枢センターだ」
無抵抗の非戦闘員を傭兵たちは無慈悲に射殺しながら傭兵達は施設を駆け巡る。
「ここが作戦概要にあったコントロールモジュールだ。今からこれを引き抜いてコード解体プログラムの埋め込みを開始する、お前たちは通路を警戒しろ」
職員の様子がおかしい。彼らは武装をしていないどころか警備兵らしき人影も見当たらない。
すると1人の断末魔が通路から聞こえてきた。
「何事だ?!」
「応答しろ。セクターB」
出入り口を警戒していたセクターBから応答がない。
「くそっ、各隊通路を警戒しろ!!」
すると通路から1人の人影が現れた。
「おい…なんだアイツは…」
暗闇の中から現れたそれは。
重装甲と漆黒のローブを体に纏っていた。
そして緋色に輝くフェイスアーマーの瞳は人の命を容易く刈り取るかのようにに見つめてきた。
その手には実用性を感じさせない巨大な鎌を持っていた。その得体の知れない漆黒の人影に傭兵はただ撃つことしか考えられなかった。
「各個射撃開始!!大釜を持った黒のローブを羽織っている奴を狙え!!」
射撃した弾は彼を貫くことはなかった。
傭兵達が撃ち尽くした次の瞬間。
漆黒のローブを纏ったそいつは傭兵達に装甲に包まれた手をかざすと。
一瞬にして傭兵達の上半身が爆発したかのように消えていった。
「なんだよお前は!こんなはずじゃなかった……」
―――――――――――――――――――――
世界は争いの絶えない日常で混沌としていた。
つかの間の平和は訪れず、世界のどこかで常に戦いが起きていた。
外を見れば大破した機械軍の無人兵器が散在しているし、死体も見かけるがそこまで頻繁に見かけることはない。
というのもここら一体は今となっては戦争地域ではなく、数ヶ月前の戦争跡地だ。死体処理や大破した機械軍の兵器の清掃もだいたい終わっているはずだが、自分の目からはまだまだ時間がかかるだろうに思えた。
今乗っている砲塔列車は元々軍事利用の為に使われる予定だったがこの地域での戦闘が予想以上に早く終戦した為に1度も実戦に使われることなくこうして民間の輸送手段となっている。
ふと砲塔列車の車内からは興味深い会話が聞こえてきた。
「ふぅ〜こりゃすげぇ有様だわぁ」
「ここまでアステロ軍は攻め込んできていたのか、南部戦前で聞いてた話とはまるで違うな」
「住居区もかなり被害を受けたようだ。復旧にはしばらく時間がかかるだろうな」
「聞いた話では住民の何人かが拐われたと聞いたが、ほんとうだろうか」
「うそだろ?今更とっ捕まえて何しようって気だ?」
「民間人を拐ったところでなにかメリットがあるとは思えないな、人質にするにしても共和国には通用しないことはもう分かりきってるはずだしな。人質に目もくれるほど余裕が無い、共和国の頭の中は戦争のことでいっぱいだ」
(ほう…機械軍が人拐い…か。)
今までそんな話は聞いたこともなかった。
今更人体の解析でもしようとしてるのか?そんなはずがない。なぜなら機械軍は元々共和国のプロトコルサーバーを管理していたからだ。
人体の弱点や有効な毒ガスなどを今更調べる必要がないのだ。さらには捕虜にするなどありえなくもない話だが、機械軍がそんな事をするとは考えにくい。
では…何のために…??……
しばらくすると共和国第7都市中央ステーションに到着した。砲塔列車の荷物保管室から私の荷物を受け取ると、事前の打ち合わせにあった作戦会議センターに向かった。
ステーションの外に出ると街並みが見えた。高層の建物が立ち並び、その風景はまるで戦争なんて今の1度もなかったかのような平穏があった。その光景は美しくいつまでも見ていたいと思わせる程であった。
この都市部だけでも人口は恐らく13億人はいるだろうか、このステーション自体が高層の位置にある為下の街を一望することができた。見るとこ全てに人が居てとても賑やかだ、見てきた光景とは裏腹に人の温もりを感じる事ができた。
作戦会議センターに到着すると、入口付近に同じ生業らしき人集りができていたので近づいて様子をみることにした。すると1人の装甲服を着込んだ兵士らしき人物に声をかけられた。
「あなたは今回開かれる会議に出席される方ですか?失礼ですが所属組織コードと作戦コードを提示してください」
「あぁ…分かった」
そうすると作戦用に事前に支給された端末から作戦コードを提出した。
「傭兵業だが所属組織がなくて作戦コードしかもってないが大丈夫か?」
「はい、分かりました。作戦コードの認証が完了しましたのでこのまま会議室に向かってください」
「分かったありがとう、あぁーそれとあの人集りはなんだぁ?どうやら揉めているようだが」
「私にも分かりかねますが、恐らく事前通知なく作戦に参加しようとした傭兵だと思われます。見る限りですと作戦コードが発行されなかった人達のようですが…」
(ほう、今時そんな連中もいるのか…)
そうして彼らを押し退けながら会議室に向かって建物に入っていった。
会議室は広々としていた。特に座席の指定もなさそうなのでそこら辺の席にとりあえず座る事にした。(しかし思ったよりもステーションから距離があってけっこう疲れたな。徒歩で来るような距離ではなかったか…)
しばらくして人がかなり集まってきたところで、ようやく会議を始まりそうな雰囲気になった。
以前の打ち合わせはあったが、作戦概要は機密維持の為にその場では話されなかった。その為作戦内容は初めて聞くことになる。そして少女のような風貌をした女性が演説台に立った。
「おぉ…」
作戦概要を聞きに来ていた傭兵たちが声を上げた。その美しい白髪の髪を靡かせ、まるで絵画のようであった。少女のように幼い顔立ちは、見ることすら罪悪感を覚えるようであった。そして彼女は作戦概要について話し始めた。
「えーでは、初めまして。私は101大隊所属レイシア・アルネート少佐である。まずはこの作戦に有志で参加してくれた諸君等に感謝する。本作戦は生存確率が10.3%の危険な任務であるのは事前に承知の通りだ。当然この作戦が成功すれば諸君等には余生を遊んで暮らせる以上の報酬が約束されている。だが、作戦を離脱するならば今の内だ。作戦概要聞いたものは如何なる理由があっても離脱する事は許されない。もちろんこの作戦を持ち掛けたのは諸君等の実績を認めたからだ。だが、離脱したいものがいれば今のうちだ」
彼女がそういうと周りがざわめいた。
(見た目に反してぶっそうな事を言う子だな…)
しかし、部屋のだれもが去ることはなかった。当然といえば当然だ。彼らはこれでも傭兵のプロフェッショナルだ。生半可な気持ちで参加はしていないだろう。
そして彼女はまた見渡すと話を再開した。
「では話を続行する。まず本作戦名は……」
そうして彼女は作戦の全容を話した。
作戦名は。
「衛星光学兵器撃墜作戦」
衛星光学兵器撃墜作戦。
それは、所属不明の敵地攻撃能力があると思われる衛星光学兵器と思わしき物に乗り込み施設を無力化するという内容であった。何故かはわからないが、所属不明の施設に対して共和国軍が関与する事をあまりしたくないようだ。組織絡みのいざこざでもあるのだろうか?
「衛生軌道上の施設付近には未確認の部隊が確認されているため、激しい抵抗が予想される。それと施設内の人間に関しては作戦の成功確率を上げるために不安要素は排除する。接敵次第殺害せよ。ためらっている暇はない。わが国の命運がかかっているのだ」
彼女はそれを言うとすぐに退室した。
(ぶっそうだな、しかしあの衛生の危険性を考えれば致し方なしか)
約四時間後予定どうりに傭兵たちは装甲が搭載された民間用輸送船に搭乗していった。
そしてまもなく作戦が開始する。
あの衛生に悪魔がいるともしらずに。
          
無抵抗の非戦闘員を傭兵たちは無慈悲に射殺しながら傭兵達は施設を駆け巡る。
「ここが作戦概要にあったコントロールモジュールだ。今からこれを引き抜いてコード解体プログラムの埋め込みを開始する、お前たちは通路を警戒しろ」
職員の様子がおかしい。彼らは武装をしていないどころか警備兵らしき人影も見当たらない。
すると1人の断末魔が通路から聞こえてきた。
「何事だ?!」
「応答しろ。セクターB」
出入り口を警戒していたセクターBから応答がない。
「くそっ、各隊通路を警戒しろ!!」
すると通路から1人の人影が現れた。
「おい…なんだアイツは…」
暗闇の中から現れたそれは。
重装甲と漆黒のローブを体に纏っていた。
そして緋色に輝くフェイスアーマーの瞳は人の命を容易く刈り取るかのようにに見つめてきた。
その手には実用性を感じさせない巨大な鎌を持っていた。その得体の知れない漆黒の人影に傭兵はただ撃つことしか考えられなかった。
「各個射撃開始!!大釜を持った黒のローブを羽織っている奴を狙え!!」
射撃した弾は彼を貫くことはなかった。
傭兵達が撃ち尽くした次の瞬間。
漆黒のローブを纏ったそいつは傭兵達に装甲に包まれた手をかざすと。
一瞬にして傭兵達の上半身が爆発したかのように消えていった。
「なんだよお前は!こんなはずじゃなかった……」
―――――――――――――――――――――
世界は争いの絶えない日常で混沌としていた。
つかの間の平和は訪れず、世界のどこかで常に戦いが起きていた。
外を見れば大破した機械軍の無人兵器が散在しているし、死体も見かけるがそこまで頻繁に見かけることはない。
というのもここら一体は今となっては戦争地域ではなく、数ヶ月前の戦争跡地だ。死体処理や大破した機械軍の兵器の清掃もだいたい終わっているはずだが、自分の目からはまだまだ時間がかかるだろうに思えた。
今乗っている砲塔列車は元々軍事利用の為に使われる予定だったがこの地域での戦闘が予想以上に早く終戦した為に1度も実戦に使われることなくこうして民間の輸送手段となっている。
ふと砲塔列車の車内からは興味深い会話が聞こえてきた。
「ふぅ〜こりゃすげぇ有様だわぁ」
「ここまでアステロ軍は攻め込んできていたのか、南部戦前で聞いてた話とはまるで違うな」
「住居区もかなり被害を受けたようだ。復旧にはしばらく時間がかかるだろうな」
「聞いた話では住民の何人かが拐われたと聞いたが、ほんとうだろうか」
「うそだろ?今更とっ捕まえて何しようって気だ?」
「民間人を拐ったところでなにかメリットがあるとは思えないな、人質にするにしても共和国には通用しないことはもう分かりきってるはずだしな。人質に目もくれるほど余裕が無い、共和国の頭の中は戦争のことでいっぱいだ」
(ほう…機械軍が人拐い…か。)
今までそんな話は聞いたこともなかった。
今更人体の解析でもしようとしてるのか?そんなはずがない。なぜなら機械軍は元々共和国のプロトコルサーバーを管理していたからだ。
人体の弱点や有効な毒ガスなどを今更調べる必要がないのだ。さらには捕虜にするなどありえなくもない話だが、機械軍がそんな事をするとは考えにくい。
では…何のために…??……
しばらくすると共和国第7都市中央ステーションに到着した。砲塔列車の荷物保管室から私の荷物を受け取ると、事前の打ち合わせにあった作戦会議センターに向かった。
ステーションの外に出ると街並みが見えた。高層の建物が立ち並び、その風景はまるで戦争なんて今の1度もなかったかのような平穏があった。その光景は美しくいつまでも見ていたいと思わせる程であった。
この都市部だけでも人口は恐らく13億人はいるだろうか、このステーション自体が高層の位置にある為下の街を一望することができた。見るとこ全てに人が居てとても賑やかだ、見てきた光景とは裏腹に人の温もりを感じる事ができた。
作戦会議センターに到着すると、入口付近に同じ生業らしき人集りができていたので近づいて様子をみることにした。すると1人の装甲服を着込んだ兵士らしき人物に声をかけられた。
「あなたは今回開かれる会議に出席される方ですか?失礼ですが所属組織コードと作戦コードを提示してください」
「あぁ…分かった」
そうすると作戦用に事前に支給された端末から作戦コードを提出した。
「傭兵業だが所属組織がなくて作戦コードしかもってないが大丈夫か?」
「はい、分かりました。作戦コードの認証が完了しましたのでこのまま会議室に向かってください」
「分かったありがとう、あぁーそれとあの人集りはなんだぁ?どうやら揉めているようだが」
「私にも分かりかねますが、恐らく事前通知なく作戦に参加しようとした傭兵だと思われます。見る限りですと作戦コードが発行されなかった人達のようですが…」
(ほう、今時そんな連中もいるのか…)
そうして彼らを押し退けながら会議室に向かって建物に入っていった。
会議室は広々としていた。特に座席の指定もなさそうなのでそこら辺の席にとりあえず座る事にした。(しかし思ったよりもステーションから距離があってけっこう疲れたな。徒歩で来るような距離ではなかったか…)
しばらくして人がかなり集まってきたところで、ようやく会議を始まりそうな雰囲気になった。
以前の打ち合わせはあったが、作戦概要は機密維持の為にその場では話されなかった。その為作戦内容は初めて聞くことになる。そして少女のような風貌をした女性が演説台に立った。
「おぉ…」
作戦概要を聞きに来ていた傭兵たちが声を上げた。その美しい白髪の髪を靡かせ、まるで絵画のようであった。少女のように幼い顔立ちは、見ることすら罪悪感を覚えるようであった。そして彼女は作戦概要について話し始めた。
「えーでは、初めまして。私は101大隊所属レイシア・アルネート少佐である。まずはこの作戦に有志で参加してくれた諸君等に感謝する。本作戦は生存確率が10.3%の危険な任務であるのは事前に承知の通りだ。当然この作戦が成功すれば諸君等には余生を遊んで暮らせる以上の報酬が約束されている。だが、作戦を離脱するならば今の内だ。作戦概要聞いたものは如何なる理由があっても離脱する事は許されない。もちろんこの作戦を持ち掛けたのは諸君等の実績を認めたからだ。だが、離脱したいものがいれば今のうちだ」
彼女がそういうと周りがざわめいた。
(見た目に反してぶっそうな事を言う子だな…)
しかし、部屋のだれもが去ることはなかった。当然といえば当然だ。彼らはこれでも傭兵のプロフェッショナルだ。生半可な気持ちで参加はしていないだろう。
そして彼女はまた見渡すと話を再開した。
「では話を続行する。まず本作戦名は……」
そうして彼女は作戦の全容を話した。
作戦名は。
「衛星光学兵器撃墜作戦」
衛星光学兵器撃墜作戦。
それは、所属不明の敵地攻撃能力があると思われる衛星光学兵器と思わしき物に乗り込み施設を無力化するという内容であった。何故かはわからないが、所属不明の施設に対して共和国軍が関与する事をあまりしたくないようだ。組織絡みのいざこざでもあるのだろうか?
「衛生軌道上の施設付近には未確認の部隊が確認されているため、激しい抵抗が予想される。それと施設内の人間に関しては作戦の成功確率を上げるために不安要素は排除する。接敵次第殺害せよ。ためらっている暇はない。わが国の命運がかかっているのだ」
彼女はそれを言うとすぐに退室した。
(ぶっそうだな、しかしあの衛生の危険性を考えれば致し方なしか)
約四時間後予定どうりに傭兵たちは装甲が搭載された民間用輸送船に搭乗していった。
そしてまもなく作戦が開始する。
あの衛生に悪魔がいるともしらずに。
          
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