死刑

西田夏樹

4章 AI

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男は画面を眺めていた。如何にも目に悪そうなブルーライトが男の顔を照らす。見ているのは“whisper”。
100字以内で自らの“囁き”をネット上に投稿できる、この国でもかなり有名なSNSだ。
男が見ているのはある一人のユーザーの囁き。
ユーザー名は“小池”。IDは#cheesecakeだ。



ただ、その囁きはかなり過激なものだった。

「救急車が道を通る。そんな中を自分勝手に通り過ぎてゆく車。白い車が放つ悲痛なサイレンが耳に入らないのか。何故お前らの方が健常に生きている。代わりに死んでしまえ。」
「飲食店で大声で話すな馬鹿。マナーを弁えろ。この国から消え失せろ。」
「ルールが守れない奴らが蔓延る世界なんて滅びればいいのに。」



「よし。やるか。」
男は呟いた。




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「お前が操動か。」
「ああ。」
「本名じゃないな。そのような名字の者はこの国に存在しない。」
「・・・それで、何の用だ。」
「無視か。」
男は不満げな顔をする。
「・・・まあいい。それで、お前が“AIの先端科学者”というのは間違いないんだな?」
「ああ。当然だ。」
世間的に“操動”と名乗る男は、少し自慢げに答えた。
「よし、なら頼みがある。」

ここは、AI産業トップを誇る企業。
男はその研究室を訪れていた。

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