青空の下で 第一話

桜木\u3000美利

はじまりの日

見上げると澄んだ青空が頭の上をどこまでも続いていた。さわやかで透きとおった空気が私を包む。大丈夫。心配はいらない。きっと私なら小さな頃憧れたあの先生みたいな保健の先生になれるはず。こうして、麻実は新しい保健の先生としての生活をスタートさせたのだった。

校長先生に紹介され、全校児童に挨拶する。6学年120人ほどの山の上の小さな学校に私は赴任してきた。洗いたての制服に見を包まれた子どもたちの、キラキラで期待と希望に満ちた目が私を見つめていた。子どもはとっても素直だ。大人の言うことをしっかり聞いて、大人の言うことは正しいと信じて、毎日大人の言いつけを守って生活する。大人のわがままの犠牲になるのはいつも子どもたちだ。大人のせいで傷つく子、大人のわがままで家族からの愛情に飢えている子… ひとりでも多くのそんな子どもたちを守ってあげたい。そんな気持ちで勉強して、ついに私は先生になった。
「海野麻実です。よろしくお願いします」
子どもたちから「よろしくお願い致します。」の言葉が返ってくる。これからどんな生活が始まるんだろう?新しい生活に胸が弾んだ。

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