氷炎騎士の騎校生活(スクールライフ)

真木 輝

海合宿⑦

「魔人が襲ってきたわ!」

女子生徒の叫び声の直後、混乱によって落ちつきが無くなる

「どけよ」

「お前こそどけよ」

みんな一刻も早く逃げたいのか、道を取り合っている

まずいぞ、このままじゃ

「みんな、落ちついて」

秋風が叫ぶも、誰も聞かない

だが、その時

バリンッ

ガラスを突き破って、魔人がホテル内に入ってきた

「きゃー」

さらに混乱が広がる

「おい、落ちつけって」

仁がそう叫ぶも落ちつかない

「うるせぇーぞ、こいつがどうなってもいいのか?」

しまった

気を取られている間に、女子生徒を人質に取られてしまった

女子生徒は震えて、声も出ていない

まずい、奴は容赦なくあの子を殺す

俺の氷と炎じゃ間に合わない

秋風がそう考えている時、真っ先に動いたのはアリスだ

「やっ」

光速で相手との間合いを詰めて、剣を使って気絶させる

さすがだ、今回はかなりアリスに助けられた

「ありがとう、アリス、助かった」

「当然のことよ、それより早くビーチに」

「ああ」

秋風とアリスたちはビーチへ向かった



「水谷先生」

秋風たちがビーチに着いた時

水谷先生と魔人の女が向かい合って立っていた

「おう、お前らか、よくきてくれたな」

水谷先生は魔人の女から目を離さず言う

「あらあら、わざわざターゲットが来てくれるなんて、
お姉さん嬉しいわ、東山秋風くんとアリス・イルバーナさん」

「やはり、狙いはこいつらか」

「ええ、この子たちは将来危険だもの」

「だが、こいつらに手は出させん、俺がお前の相手をしてやる」

「あらあら、『水の魔王』 と勝負できるなんて、光栄だわ」

「よく言うぜ、『水の女帝』さん」

『水の女帝』? 聞いたことがあるぞ

「お前、A級犯罪者のやつか?」

秋風が一歩前に出て言う

「あらあら、こんなイケメン坊やに知ってもらえてるなんて、嬉しいわ」

「この後、朝まで一緒にすごさない?」

「秋風は渡さないわ、絶対」

アリスが一歩前に出て秋風の横につく

「あらあら、メス豚がなんの用かしら?」

「うるさいわね、ババァ、少し黙りなさい」

プチンと女の頭の糸が切れた音がした気がした

「ババァ、ババァですてぇ?」

「許さないわ、許さない、アリス・イルバーナ殺すわ」

「お前の相手は俺だ」

「そうね、じゃあ、ザン、東山秋風たちを頼むわ」

「おいおい、やっと俺の出番かよ」

影から、人間の男が現れた

「おい、もしかしてこいつらか? 餓鬼じゃねぇーか」

「なめてたら死ぬわよ、あのボスが目をつけてるんだから」

「へいへーい、わかったよ」

「んじゃ、影転移魔法 『影の足跡』」

秋風とアリスの足元に黒い魔法陣が現れた




「ん?どこだここ」

秋風とアリスが目を開けた時、そこは森だった

「近くの森だ、まぁ俺は1度踏んだ影ならどこでも移動できる」

なんて能力だ、影を操れるなんて

「さぁ、早く始めようぜ」

ザンが魔力を高める

なんだよ、この魔力量は!

威圧だけで負けそうだ

けど、ここで引くわけにはいかない

「ええ、受けて立つわ、その勝負」

アリスはやる気まんまんだ

「さぁ、やろうか」

秋風とアリスは飛び出した

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