氷炎騎士の騎校生活(スクールライフ)

真木 輝

騎士王戦 予選 個人の部 ⑧

秋風と最上の死闘は1時間30分以上続いた

会場は破壊され、どんな高位魔法士でも直すことはできないだろう

最終的に、勝ったのは最上だが、最上も血だらけで、    凍傷、火傷もひどい

明らかに学生の戦闘の域を超えている

だが、その長く、半端じゃない戦いをたたえるものは、会場には残っていない・・・


「試合は?試合はどうなったの?」

アリスは運営本部に行き、試合の結果を聞いている

「ほとんど互角でしたが、最後に最上さんが勝ちました」

「東山さんは、医務室で治療中です」

アリスはそのことを聞くと、すぐに医務室へ走り出そうとする

だが、優樹菜が服の襟を掴んでそれを引き止める

「アリスっちは、自分の試合があるでしょ」

「そんなことより、秋風が心配よ」

「秋風が、どっちを望むかをよく考えなさい」

アリスはそこで立ち止まった

秋風がどっちを望むか?

そうね、焦って忘れていたわ

「ありがとう、優樹菜」

そう言って、アリスは会場に向かっていった

「本当に世話がかかるんだから・・・」

優樹菜と仁も会場へ向かった

会場の大破のため、会場はアリーナBに移った

「さぁ、試合がまもなく始まります」

「その前にみなさんにお知らせがあります」

「まず、先ほどの試合の結果は、最上選手の勝利で終わりました」

ウォーーーーーーー

会場が盛り上がる

それもそのはず、あんな激闘なかなかお目にかかれないし

レベル的にはプロリーグレベルだ

「もう1つは、東山選手の負傷が激しく、三位決定戦を行うことができません」

会場が静まり返る

「おいおい、まじかよ、楽しみだったのに」

「つまんねぇー」

ブーイングが代わりに巻き起こる

「さ、さぁ、試合も始まりますので、お静かに」

もうすでに、アリスと血原の入場は完了していた

「次こそ勝ちます」

「ええ、次も勝つわ」

「そ、それでは、両者位置についてください」

アリスと血原が位置につく

「それでは、バトルスタート」

合図の瞬間、血原が血の膜をフィールドに張りめぐらす

そして、また両者とも一歩も動かない、展開でスタートした

5分間その状態が続いたが、その時血原が動き出した

血の膜をどんどん狭くしていってるのだ

「そうくると思ったわ」

アリスはどうやら予想していたらしい

「『ホーリー  アームズ』」

光の鎧を纏う

そして、血の膜に向かって突っ込んだ

「『デュランダル』」

デュランダルを顕現させ、光を纏わせる

「はぁっ」

血原に斬りかかった

だが、血原もしっかり対応してくる

「『ブラッディ・ソード』」

血の剣を作り出した

そこから激しい剣の打ち合いが始まる

だが、やはり押しているのはアリスだ

血原は一旦バックステップで後退する

そして

「『ブラッディ・ニードル』」

血でできた細い針をアリスに向けて放つ

それに対してアリスは

「はぁっ」

『デュランダル』に魔力を注ぎ込み

それを一振りで消しとばした

そして

「『シルバ・ウルフ』」

アリスは銃剣を取り出し

魔力を込め、銃弾を血原に放つ

「『ブラッディ・ウォール』」

血原はそれを血の壁で防ぐ

「甘い、もらった」

アリスは視界が遮られた血原を狙い剣を振る

だが、そこに血原の姿はなかった

かわりにあったのは、血の爆弾だ

バンッ

爆発し、アリスが全身に血を浴びる

さすがにこんな大量の血を、光の鎧で防ぐことはできない

「終わりよ」

血原がアリスの動きを止める

「どうかしらね」

アリスはまだ何か策があるようだ

「『シルバ・ウルフ』」

そう、アリスは銃剣を魔力を込めて空に投げていたのだ

魔力弾が血原を襲う

「くっ」

血原もこれを避けられない

魔力弾が血原の背中に直撃する

血原もかなりの重傷だ

しかも、血をかなり多く体外へ出しているため

血が足りていない

「まだよ、せめてあなたを先にたおす・・・」

「一緒に寝んねしましょ」

血原がアリスの血を操り、アリスを気絶させる

そして、その直後、血原も倒れた

「しょ、勝者  血原」

会場中が盛り上がる


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