氷炎騎士の騎校生活(スクールライフ)

真木 輝

放課後活動④

「えっ?最上先輩、今なんて?」

秋風はかなり驚いているようだ

「俺は『塵人(ごみ)』だ、魔力は少しもない」

なっ、序列1位が塵人⁈

「なら、あの強さはいったい」

「あれは、この魔法具のおかげだよ」

最上は金色の脚鎧を取り出した

「黄金の鎧の一部ですか?」

「正解だ、アリスくん」

「俺は、魔力がなかった、だから誰よりも努力したよ」

「その努力の賜物がこの肉体さ」

確かに最上先輩の身体には、無駄な筋肉がなく

必要な筋肉がガッチリついている

「この筋肉に増して、『黄金の脚鎧』であの、馬鹿げた威力を出しているのか」

「さすが2人とも飲み込みが早いね」

「さぁ、話を本題に戻そう」 

「君たちは、6月に行われる、”騎士王戦  校内予選”を知ってるかい?」

「はい、全国の国立騎士校の頂点を決める、試合の予選ですよね」

「うん、実はその試合には、個人戦と団体戦があってね
   団体戦に参加するには、3人部員がいないと出れないんだ」

「だから、私たちってわけですか」

「そうゆうことだね」

けど、引っかかる事がある

「なんで、俺たちなんですか?」

「うん、だってさ・・・」

「うちのアカデミーの上位8位は全員、それぞれの部活動を持ってるからね、君たちしかいなかったんだよ」

笑いながら、とんでもない事を言っている

「けど、もちろんテッペンとるつもりだから」

さっき笑っていた顔とは違い、真剣な顔つきで人差し指を天井に向ける

「・・・・」

その威圧におされたのか、秋風とアリスは黙ったままだ

「あなたが本気で言っていることはわかりました」

「みんなで、1位取りに行きましょう」

「本当かい ︎  ありがとう」

「断られたらどうしようかと思ったよ」

最上はかなりホッとしたようだ

「じゃあ、早速明日から活動を始めよう」

「仕事は権限を使って、手配しておくよ」

「「はいっ」」

大きな声で返事をしたあと、俺たちは今日は帰ることにした

その後はいつもと変わらない放課後だったのだが

いつもと違ったのは、夜、食事も風呂も済ませた後だ

コンコン、扉がノックされた

「秋風、入ってもいい?」

「いいよ」

ガチャ、アリスが入ってきた

「どうした?」

アリスはモジモジしている

「あ、あのね、実は・・・」

「その、ルール決めたじゃない、この前」

「うん」

「で、そのルールなんだけど」

「私たち付き合ってるじゃない、だからその・・・」

「ルールを破棄してもいい?」

えっ ︎

アリスから破棄してくるとは思わなかった

けど、破棄するってことは・・・

「同棲するみたいなもんだよ」

アリスの顔が赤くなる

アリスはコクリと頷いた

アリスと接する時間が増えるのはこちらとしても嬉しい

「いいよ、別に」

アリスが満面の笑みを浮かべる

「じゃあ、明日から私が料理つくるわね!」

お嬢様に料理できるのか?

とは、口に出さないでおいた

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