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異世界召喚されたら学園通いながら冒険者稼業(仮)

佐藤美味

第6話 石の扱いに注意!?

 白銀亭の店主ことランス=シルバ、その妻フォン=シルバにタッカーから紹介された事を伝えると、急にランスの背筋が伸び、フォンは声が裏返っていた。まだ信用しきれてはいないがタッカーよりも年上であろう二人の変化をみていると、胡散臭いが案外大物と繋がりが持てたのかもしれないと感じさせられた。

 費用は一部屋一泊銀貨10枚で、朝食は別途料金で銅貨80枚だったのだが、まだこの世界の宿屋の相場が分からない事もあり、とりあえず7日分の宿泊費として銀貨70枚を支払って一部屋分を借りる事にした。
 当初、俺は佐倉さんと別室にしようと考えていたが、佐倉さん本人から「これから何が起こるか分からない状況でお金を浪費する事は避けなきゃいけない。」と言われ戸惑いもあったが、佐倉さんが顔を赤くし手を組み内股になってモジモジしていたので先程からのトイレが我慢の限界なのかもしれないとすぐに察し、異論を唱えることなく同室を決めたのだ。

 ランスに部屋を案内されている途中、他の男性宿泊客達が佐倉さんを見て鼻の下を伸ばしていたが、俺が同室に案内されているのを察すると「「釣り合ってねぇ~。」」と言葉にしていないのに表情から間違いなくそう思っているであろう男達の心の声が聞こえた。
 誰よりもわかってるよ、釣り合っていない事くらい。

「佐倉さん本当に良かった? 同じ部屋で‥。」

「しつこいのね、私が言い出した事よ。いいに決まってるでしょ。それとも空也君は私と同室になれない理由でもあるの?」

「さ、佐倉さんに問題なければ、俺から断る理由はないよ。」

 彼女がいるわけでも、女性恐怖症でもない俺は佐倉さんと同室になれない理由はないが、だからこそ健全な男女が同室になるという意味を考慮してしまう。

「それとずっと気になっていたんだけど、私の事はミコトって呼んで欲しいな。仕事の時の癖が抜けないのも分かるけど、これから何も分からない環境の中、二人で生活しなきゃいけないんだから、距離を置く様な呼び方は禁止!」

「‥‥わかったよ、都心さん。」

「”さん”はいらない。」

  口を尖らせて怒っている顔もかわいいな。

「ミコト‥。」
 
「宜しい!じゃあ私は先にお風呂に入るね。」

「ああ。」

  ドタバタと慌ただしくお風呂に向かうミコトを見送った後、一人外へ向かい人目のつかない場所を求め宿の裏側へまわった。そこは月明かりだけが周囲を照らしている静かな広場があった。そらへんに転がっている石を拾い野球のピッチャーの様なフォームで近くの木に思いっきり投げてみた。これは《身体能力向上》の程度を把握しなければ今後の方針が変わってくると考えていたからだ。結果は木に投げた石と同じ大きさの穴が開き、その後ろにあった離れた塀にもほぼ同じ大きさの穴が開いて、石は更にその奥の村の外にある草原へ消えてしまった。

「‥これってこの世界では普通なのかな‥‥。」

 情報が足りなさすぎる事と消えていった石の行方が気になりながらも、気配を消し何事もなかった様に宿の中に戻った。誰もあの石に当たらない事を祈りながら‥。
 部屋に戻るとミコトがお風呂から上がっており備え付けてあったバスローブに身を包んでベットに腰かけていた。

「お待たせ。」

「ありがとう、さっそくお風呂使わせてもらうね。」

ガチャ!

……

「あれ?そういう受け取り方?」

 一人赤面し、ベットで悶えているミコトがいる事はつゆ知らず。お風呂場に入った俺はお湯が出てくる事に感動していた。さすがにシャンプーやボディーソープ等はなかったが石鹸はある。シャワーや湯舟もあり、宿を借りた事が間違いではなかったと感じていた。
 存分に湯船に浸かり、お風呂場から出ると可愛く寝息をたてて猫のように丸まっているミコトの姿があった。風邪をひいてはいけないと毛布をかけ、ソファに横になり、これまでの人生で一番濃厚な一日に充実感を覚えながら眠りについた。




 今回とても悩んで書いていたのですが、悩みすぎて訳が分からなくなってしまい時間がかかりました。
 誤字脱字もあるかもしれませんがご勘弁を‥。

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