邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百九十三話 あるところに

9章 Grim happy end


そんなわけで、王女様は守られて守られて15歳まで成長したのさ。
王女様はそりゃあもう美しく育って、まさに絶世の美女と言われていたそうだよ。
戦闘能力も一級品で、若くして賢者と比肩するほどの魔法の実力を持っていたそうだよ。
まあ、彼女のそばには何時も精霊達がついており、富を呼ぶケット・シーや大精霊たるジンまでいたんだ。魔法が得意にならないわけがない。
その分、賊が襲いに来ることも何回かあったそうだよ。
まあ、その精霊目当てで来たやつは精霊達が追い返してたからなにかされるということは無かったらしいけど。
そんなわけで王女様は順風満帆、人生を謳歌していたんだ。
でも、それも長くは続かなかった。
15歳の誕生日。
その日は、王国の建国記念日でもあった。
大々的に祝宴が挙げられ、もちろん王女様もそのパーティーに参加したのさ。

そして、お察しの通り、そこで事件は起きた。

事件を起こしたのは、遠方の国からやってきた商人だった。
そいつは、城下町で一通りの成功を収めると特別に建国記念祭のパーティーに招かれ、そこで王女様にコネを作ろうと思って近づいた。
商人は一人でワイングラスを傾けていた王女様に近づくと、「お近づきの印です」と言って、水晶・・で出来た透き通るようなティアラを王女様に捧げたのさ。

勿論、この商人が王女様のことを知っていてやった事ではないよ。
全ては偶然に起きたことだったんだ。

悲劇は起きてしまった。
王や家臣達は、王女様が運命に怯えることを恐れてあの日賢者が示した滅びの運命を教えていなかった。
だから、触れてしまった。
ティアラを受け取るために机に置いたワイングラスの中の葡萄酒ワインが揺れる。
床が割れる音がする。
そこから、植物の荆が生えてきていたんだ。
たったひとつじゃあない。
何千、何万といった量の荆と蔦が、覆っていたんだ。

発生した荆に絡め取られて、或いは、植物の発生によって脆くなった地面に呑み込まれて、王女以外のあらゆる人間は死に絶えた。

そして、王女様は精霊の加護により、荆の中で永き眠りに着いたのでした。

これがこの国と向こうの国に伝わる御伽噺。

さて、なんでこんな話をしたかって?
まあまあ、もう少し待ってくれよ。
ここからが本番なのさ。


Fictionalizer作家紹介

作品名:転生貴族の異世界生活(変更の可能性あり)

ある日突然意識を失った高校3年生の泉涼太は、気付いたら病院でも家でもなく真っ白な空間にいた。そこで「自分は神様だ」という少年に出会い、「もし2度目の人生があるならどんな世界がいい?」と聞かれ、ラノベ好きの涼太は思い切って「魔法がある世界がいい。」と言った。すると自称神様が「OK、じゃ、頑張ってね!」といい、その瞬間目の前の景色が変わり、前には見知らぬ天井があった...。

というわけで異世界転生物!皆様一度読んでみてはいかがでしょうか?

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