邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百七十五話 ブレッドレス・イン・フォレスト

9章 Grim happy end


そう、この森の植物、生物、つまるところ食べることが出来るあらゆる物体は汚染されているのである。
血怨水は森の半ばほどに存在し、内部と外部を隔てている。
内部にこの川以外に水を飲める場所はなく、動物が生きていくには水分が必要不可欠である。
故に、この川の水を飲むしかない。
飲んだ結果、狂気に侵され力を手にし、怪物たちとの闘争を続ける。
それによって流れた血液、つまるところ体液を植物が浴び、それらもまた怪物化し暴れ回る。
体液どころか触れるだけで感染するこの汚染である。
それから取れた肉など食べるどころか触れるだけでも多大な影響を及ぼすことだろう。
もちろんシグレであれば対応は容易であるが、それでも疲れるし、そもそも汚染された物体を自ら食べようとは思いたくもないししたくないのが人情である。
特に、森を抜ければちゃんとした食料がある街が見えている今の状況では。

「まあ、食料の確保は街についてからですね。あと、全魔法は上位スキルに変えて……と、とりあえずそろそろ変装しますか。ディスガイズ」

シグレがそう言うとシグレの肉体がスライムのように溶け落ち、人間の体を形取り、やがて凝固した。
作り出されたその人間の姿は先程までの超然とした姫の姿ではなく、綺麗な革鎧をまとい一般的な片手用直剣ブロードソードを携えた二十代前半ほどの優しそうな青年であった。

「よし、これで誰かに見られても大丈夫でしょうが、一応もう少し用心しておきましょう。カバート・アップ、インビジビリティ、サーチ・インフォビション、イレイス・トレース、サイレンス、オードルレス」

こうして、シグレは自らに隠密性強化、透明化、探知阻害、痕跡消去、無音化、無臭化の魔法を自らに施すと、された屍臭と血液の臭い漂う荊の森を抜け、通り抜けたあとにそれらを魔法でキレイさっぱり元通りに戻した。

こうして周到なまでに用意を終えたシグレは、森の出口に向かって再び進んで行った。


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