邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第三百六十三話 見届けよ。
9章 Grim happy end
「……焼き払いたいですねこれ…」
シグレは現在、森の広場から上空を俯瞰して眺めたところ、唯一人間の生活していそうな痕跡を発見した西側に向かって移動している。
この森はだいぶ面倒な植物ばかりのようで、蔦も荊も木も草までもが強靭な繊維を持っており、間を通るためにもいちいち魔法を使用して通らなければならなかった。
それでも木々の合間を縫い、魔法によって作り出した金属製の刃でまとわりつく蔦や荊を薙ぎ払いながら進んでいくと、眼前の空間が陽の光を奇妙に反射した。
まるで、そこに何か手のひら大のものが存在するかのように。
「ふむ、なんですかね?」
シグレがそこに手を差し伸べると、透明なヴェールが剥がれるようにして赤い封蝋で止められた手紙が虚空より出現し、シグレの手の中にスッポリと収まった。
そして、封蝋を剥がそうとしたのだが、どれだけ力を込めたり、魔法によって加熱しても、封蝋がはがれたり解けることはなかった。
「ん?なんですかねこれ。封蝋が剥がれませんし、破って取り出そうにも紙も破れないし燃えもしない。なるほど、今は見れないようですね。なら、他のことをしましょうか」
そう言ってシグレは再び街の方へと進んでいく。
「とりあえずは、一回は何もせずに傍観してみましょうか、何もしなかった場合にこれがどうなるのかがわかりませんし、奴も『何度でも繰り返して』と言っていましたし、多分解決できない場合は最初のスタート地点に時ごと戻されるのでしょう。今の状況なら、そんなことをするのも簡単でしょうしね」
そう言いながら周囲の蔦に肉厚の刃を持った金属製の鉈を振り下ろすと、鉈が弾き飛ばされる。
とっさに空中で回転していた鉈を掴み取るが、その隙をついて周囲に群生していた蔦や荊が一斉にシグレへと襲いかかってきた。
「っち……唯の蔦じゃなくてモンスターですか……火球」
シグレはすぐさま掴み取った鉈を空間魔法で異空間にしまい、そのまま火属性魔法を放った。
「植物なのに火に強いとかどんな進化を遂げてきたんですかこの植物は……」
放たれた火球が蔦に触れる直前、蔦から怪物の口のようなものが出現し、鋭利な牙を覗かせるその口から汚濁した液体を吐き出し、射出された炎の球を消化した。
ぐだぐだですいません……
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
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シグレは現在、森の広場から上空を俯瞰して眺めたところ、唯一人間の生活していそうな痕跡を発見した西側に向かって移動している。
この森はだいぶ面倒な植物ばかりのようで、蔦も荊も木も草までもが強靭な繊維を持っており、間を通るためにもいちいち魔法を使用して通らなければならなかった。
それでも木々の合間を縫い、魔法によって作り出した金属製の刃でまとわりつく蔦や荊を薙ぎ払いながら進んでいくと、眼前の空間が陽の光を奇妙に反射した。
まるで、そこに何か手のひら大のものが存在するかのように。
「ふむ、なんですかね?」
シグレがそこに手を差し伸べると、透明なヴェールが剥がれるようにして赤い封蝋で止められた手紙が虚空より出現し、シグレの手の中にスッポリと収まった。
そして、封蝋を剥がそうとしたのだが、どれだけ力を込めたり、魔法によって加熱しても、封蝋がはがれたり解けることはなかった。
「ん?なんですかねこれ。封蝋が剥がれませんし、破って取り出そうにも紙も破れないし燃えもしない。なるほど、今は見れないようですね。なら、他のことをしましょうか」
そう言ってシグレは再び街の方へと進んでいく。
「とりあえずは、一回は何もせずに傍観してみましょうか、何もしなかった場合にこれがどうなるのかがわかりませんし、奴も『何度でも繰り返して』と言っていましたし、多分解決できない場合は最初のスタート地点に時ごと戻されるのでしょう。今の状況なら、そんなことをするのも簡単でしょうしね」
そう言いながら周囲の蔦に肉厚の刃を持った金属製の鉈を振り下ろすと、鉈が弾き飛ばされる。
とっさに空中で回転していた鉈を掴み取るが、その隙をついて周囲に群生していた蔦や荊が一斉にシグレへと襲いかかってきた。
「っち……唯の蔦じゃなくてモンスターですか……火球」
シグレはすぐさま掴み取った鉈を空間魔法で異空間にしまい、そのまま火属性魔法を放った。
「植物なのに火に強いとかどんな進化を遂げてきたんですかこの植物は……」
放たれた火球が蔦に触れる直前、蔦から怪物の口のようなものが出現し、鋭利な牙を覗かせるその口から汚濁した液体を吐き出し、射出された炎の球を消化した。
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