邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百四十五話 出荷

8章 復活儀式


そう、それこそがかの邪神、ニャルラトホテプである。
この世界において、ニャルラトホテプはラヴクラフトに命じて書かせた物語に基づき存在している。
そしてその本質とは、ありとあらゆる姿に変質する無貌の邪神。
その力を持ってすれば、この世界の神々の物語を書き換え、その根幹に存在する神性すらも歪曲させ、捻じ曲げることすら容易いだろう。
そして、あの邪神ならば、人間を、いや、この世界を貶めるためならばあらゆることをやってのけるだろう。

『まあ、確定とも言えないけど……』
『だが、ここまで本当に偶然が重なっただけとはとても言えんな』
『確定とは言えないが、そうである確率は非常に高いだろうな』

一通りの説明を終えたシグレは、言い聞かせるように精霊狼王にそういった。

「……いや、それ思いっきり面倒ごとじゃねぇか!?」
「まあ、そうとも言いますね」
「そうとしかいわねぇよ!?」
「というわけで避難して欲しいんですが…」
「おい待てこの無責任野郎!こっちの目を見てから言いやがれ!おい!待てちょっと!この拘束を解け!ちゃんと説明しろぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「つまるところ、とりあえず人質を取られて動けなくなったりするのを防ぐためにもここで後顧の憂いを断つためにここに来たんですよ」
『必要に迫られたら案外さらっと殺してしまいそうな気はするがな』
『わかる。やるときはやるの完成系だよ』
「えぇ……言い方酷くないですかみなさん。見捨てたりはしませんよ…………多分」
「その多分がすごく不安!!」
『はいっ一名様絶対安全圏にご案内でーす!』
「ちょっ……まてっぇぇぇぇぇ!?」
『慈悲などなかった』
『どんどんしまっちゃおうね〜〜?』
『それはまた違うものだろうに……』
「まあ、危害を加えられたりはしないので、安心してください」
『罰に迷惑をかけてるわけでもないしむしろ守ってる。問題ないな!』
『いや、普通にあるだろうに……』
『出荷よー!』

精霊狼王から目を背け、苦笑いをしながらそういったシグレにツッコミを入れようとした精霊狼王はそのまま拘束され、集落全てを覆うほどの巨大な次元の穴へと落ちていった。

「あ、カレーは後でそちら側に送りますので、どうぞお楽しみください」
「そういうことじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!」

落下特有の浮遊感の中で、見下ろしてくる邪神に向けて精一杯の恨み言を吐きながら、精霊狼王は落下していった。


クロシヲ迷走中……

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