邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百三十七話 遺産復元

8章 復活儀式


シグレが最も大きな紙片を手に取り、その紙片の時間を巻き戻していく。

永き時により刻まれた汚れや染みが巻き戻しにより消滅し、そのまま何も起こらなかった。

数百年、数千年、巻き戻しても汚れの消失以外の変化は見られない。

「……どうやら、師匠の求める旧魔導文明の遺産ではないようですよ。この本は、最低でも数万年前に執筆された書物です」
「なんじゃと?それが確かならば、本当に旧魔導文明のものではないな、旧魔導文明は今から約1000年ほど前に現れ始めた文明じゃからの」
「そうですね。いま遡行年数50000年を経過しましたが、未だに変化は見られませんし」
「…… …しかし、それでは疑問が残る。魔道具マジックアイテム魔導具アーティファクトを開発したのは旧魔導文明の人間たちのはずじゃ。しかし、目の前に存在する書物は魔導具アーティファクトは最低でも作られてから最低でも数万年は経過しているという。いったいこれはどういうことじゃ?」
『となると、答えは一つだね』
「師匠、もう答えは出ているではありませんか」
「どういうことじゃ?」
「この書物の作られた時間には魔導具アーティファクトは存在しない。しかし、現実としてここには数万年、いや、数十万年前に作られた魔導具アーティファクトが存在する。そして、魔道具マジックアイテム魔導具アーティファクトは旧魔導文明以前から存在するあるもの・・・・をモデルとして作られた。つまりはそういうことです」

「なるほど……そういうことか…旧魔導文明以前に魔道具マジックアイテム魔導具アーティファクトは存在しない、しかし、現にここには数十万年前の書物であるにもかかわらず魔力を持った物品が存在する。我々はこれが計り知れない魔力を持つことから最高位の魔導具アーティファクトであると仮定して研究を進めてきたが……実際はもっと崇高にして高次元のもの、天上に御坐す神々がお造りになられた神器、その一つであったか……」
「そうですね。うん?」

そして、数十万年分ほど巻き戻した時に、変化が起こった。
散らばっていた紙片が寄り集まり、瞬く間に一冊の本が再構築されてゆく。
やがて修復が終わり、いくつもの紙片であったものは黒革で装丁された一冊の本がシグレの手の中に収まっていた。




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