邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百二十四話 高次元への道

8章 復活儀式


神とは、ただ、高次の次元に行くためのステップに過ぎないのだよ。

神の力を持って自身の存在を証明し、絶えず襲いくる次元の断層に対抗する。
その力を得るための第一歩。

無論、それを三次元世界こちらがわの神達は知らない。知る由もない。

だが、本能として刻まれているのだ。
強さへの渇望が。
そうデザインされたのだから。
あの全知全能の魔王アザトースに。

君たちが魔物と呼ぶものは、無意識のうちに神の座へと至らんとする生物の成長を促すためのリソースであるが、彼らもまた、本能にしたがって神を目指すものであり、その場合のリソースはその他の生物である。

つまり、この世界は全能にして最悪の魔王アザトースが作りたもうた全生物強制参加のバトルロイヤルなのだ。

何故私がそのような話をするのか、それを説明しよう。

我々は、元々は多次元世界の存在なのだ。

かの世界において、私は遍く全てを産み落とし、育て、そして殺すだけのシステムであった。

生命の輪廻。
私は、それだった。
人の形をとってはいたが、無感情に、無感動に、ただ、目の前の魂を器へと注ぎ込み、死した器から魂を抽出するだけの存在。
それが私、今ではウボ=サスラと呼ばれるものの姿だった。

他の神もそれぞれに権能を持ち、今のように異形にして醜悪な姿ではなく、全員が多次元世界においては人の形をしていたのだ。

しかし、ある日いきなりこの姿となり、アザトースの作りだした三次元世界に放り出されてしまった。
当然のごとく戻ることは出来ず、我々は大宇宙にひっそりと隠れ住むこととなった。

なぜクトゥルフ神話の神々われわれは三次元世界に貶められているのか。

それは、巧妙にして大胆なニャルラトホテプの策略にほかならない。

多次元世界において、奴は元々異形の姿であった。
行いも悪を是とするものであり、常にアザトースへの反逆の機会を探っていたのだ。

そして、満を持して奴は、一人の人間を使い、我々を貶めたのだ。

その名は、 Howard Phillips Lovecraftハワード・フィリップス・ラヴクラフト

大宇宙を語る怪奇小説作家にして、三次元世界における我々の姿を「クトゥルフ神話」として描写し、固定・・した者だ。



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