邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第三百二十二話 黒い手紙
8章 復活儀式
シグレは普段、キャラクターに元々存在するインベントリを使用せず、使用者の魔力の多寡によって容量や品質保持の機能が向上する時空魔法の一種、アイテムボックスを使用している。
シグレ程のプレイヤーならインベントリに存在する時間経過での品質劣化など膨大な魔力でカバーし、アイテムボックス内における時間の停止を実現させることが出来る。
そして、MPが無限となった今、シグレのアイテムボックスは容量無制限、内蔵物重量無制限、品質完全保持、盗難完全無効、ソート、瞬間的な取り出しなど、様々な機能を備えていた。
そんなわけで、アイテムボックスが元々備え付けられた機能よりも遥かに便利な代物であるため、シグレは全てのアイテムをアイテムボックスに入れて管理していたのだが……
何故かステータス画面に表示されるインベントリの項目に新規アイテム入手のマークがついていたのである。
何かと思って久方ぶりにインベントリを覗いたところ、最下層にあるひとつのアイテムが入っていたのである。
黒い手紙 ☆X
それだけしか書かれていない簡素な黒い手紙。
状況的にウボ=サスラからのものであろうが、少し不安になってしまうものである。
「クトゥルフで手紙とか本って言ったら……っていうのありますよね?」
『だいたい発狂エンドで終わるよね。邪神知ってる』
『そもそも邪神や異形の者共の記録を見て精神的に脆弱な人間が耐えきれるはずがないのだがな……』
『ダゴンの住んでる軟泥の島に人間が打ち上げられた時はもう凄かったよ。おろおろと混乱しながら真夏の直射日光を浴びるのも構わず島を歩き続けるんだもの。それに、石版を見つけた時の顔と言ったらもう……』
「そのあと陸に戻ってレポート書いてたら窓にダゴンさんの手が現れるまでがワンセットでしょうね」
『ああ、手が!手が!』
『やめろ、今はとにかくウボ=サスラからの手紙を確認すべきだ。幸いにして、何かしらの悪意ある効果はかかっていないようだぞ』
「流石は魔術の神ヨグ=ソトース様。ありがとうございます」
『最近ヨグ影薄いから……脱却しようとしてるんだね』
『うるさい。早く読むんだ』
そんな雑談をしつつ、シグレは実体化した黒い手紙の封を切った。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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そんなわけで、アイテムボックスが元々備え付けられた機能よりも遥かに便利な代物であるため、シグレは全てのアイテムをアイテムボックスに入れて管理していたのだが……
何故かステータス画面に表示されるインベントリの項目に新規アイテム入手のマークがついていたのである。
何かと思って久方ぶりにインベントリを覗いたところ、最下層にあるひとつのアイテムが入っていたのである。
黒い手紙 ☆X
それだけしか書かれていない簡素な黒い手紙。
状況的にウボ=サスラからのものであろうが、少し不安になってしまうものである。
「クトゥルフで手紙とか本って言ったら……っていうのありますよね?」
『だいたい発狂エンドで終わるよね。邪神知ってる』
『そもそも邪神や異形の者共の記録を見て精神的に脆弱な人間が耐えきれるはずがないのだがな……』
『ダゴンの住んでる軟泥の島に人間が打ち上げられた時はもう凄かったよ。おろおろと混乱しながら真夏の直射日光を浴びるのも構わず島を歩き続けるんだもの。それに、石版を見つけた時の顔と言ったらもう……』
「そのあと陸に戻ってレポート書いてたら窓にダゴンさんの手が現れるまでがワンセットでしょうね」
『ああ、手が!手が!』
『やめろ、今はとにかくウボ=サスラからの手紙を確認すべきだ。幸いにして、何かしらの悪意ある効果はかかっていないようだぞ』
「流石は魔術の神ヨグ=ソトース様。ありがとうございます」
『最近ヨグ影薄いから……脱却しようとしてるんだね』
『うるさい。早く読むんだ』
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ノベルバユーザー252184
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