邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百十二話 ヒロイック・ワン

8章 復活儀式


黒白の波動が弾けて消え、ジークフリートも墜落する____

もはやかの英雄に残された力などない。
ただ、死にながら生き続け、現世の地獄の中でその不毛にして不幸な臨まぬ二度目の生の終わりを待つのみの木偶人形。
不幸にも邪なる神に自らの死を冒涜され、生ける屍、穢れた英雄としての縛られた身体でさえも理不尽な神の裁きを超克したその肉体は、代償として最早ヒトとしての原型をとどめてすらいない。
邪龍の呪いに蝕まれ、生前にも様々な呪いや疵を受けてきたジークフリートの体と精神は、もはや常人であれば見るだけでも発狂してしまうであろうほどに歪に変容し、ねじ曲がり、人間のものでは無くなっていた。
今はもはや消耗し切った影響で龍の力も上手く扱えず、変貌した肉体を動かすのにも非常にエネルギーを消費する。
そんな肉体を酷使に酷使し通し、魔力と気力で強引に動かしているのだ、そんなものが長く続くはずもない、今は光に包まれているが、それももう少しすれば消え、その まま死に絶えるだろう。
文字通りに風前の灯火となった己の命を存在ごと燃やし、ジークフリートは突進する。

シグレが健闘をたたえるように油断なき眼差しでその命の灯火を燃やしきろうと突撃するジークフリートを見つめる。
「限界を超えて、よくぞ」
クトゥルフは普段とはうってかわって神としての威厳をのぞかせながら神の裁きを打ち破った英雄にんげんを讃える。
「素晴らしい……!これが人間の底力か……!」
ヨグ=ソトースはどこか嬉しそうに英雄ジークフリートを讃える。

悪魔が、邪神が、地母神が、この戦いを見ていたあらゆるもの達が英雄の一撃を、ジークフリートとと言う英雄の全てヒロイック・ワンを手放しに讃えていた。

突き進んでいた光の矢はやがて光を曇らせてゆき、段々とその速度を鈍らせてゆく。















そして、加速した・・・・





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