第三百九話 無慈悲

8章 復活儀式

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空中で倒れ込んだジークフリートはそのまま落下し、遥か下の地上に突撃した。

「えぇ……」

落下の衝撃により数mほどのクレーターが作られたのを見て、シグレは絶句する。

『体重普通に1t近くありそう』
『実際今は龍の力を身体に宿している状態だからな、人の身のままとはいえ、密度が増加したりするのかもしれん』

そんな話をしている間にもシグレはクレーターを中心に漂う砂煙の中にいるジークフリートに向けて油断なく追い打ちをかける。

クレーター全域を超高出力の電磁波が焼き、その中心、標的たるジークフリートは惑星の核たる星核金属コアメタルにより拘束されている。
どうにか地中からの攻撃が背中の弱点に命中することは避けているようだが、拘束された状態で、しかもそのような余裕のない状態で、空から降り注ぐ暴力的なまでの力の奔流を耐えられるだろうか？

『……ふざけるなよ。どこが同列だ』

答えは、否である。
上空から降り注ぐ無慈悲な鉄槌は、容赦なくジークフリートの体を打っていく。
少しづつジークフリートの体が地下へと沈んでいく。
自らの身体の触れている範囲の土を黄金に変換し、防御に使っているのである。

しかし、それでもシグレの投擲するナイフが、姿見えぬ蜥蜴が、防御の隙をついてジークフリートの体、その唯一の弱点を的確に貫いていく。

「四発目、五発目」

率直にいえばしっぽを巻いて逃げ出したいが、ジークフリートの両手両足を縛って離さない星核金属コアメタルの手錠や足枷がそれを拒んでいた。
ただでさえ圧倒的な耐久力と概念操作への耐性を誇る星核金属コアメタルはシグレの権能による性質固定により上位の次元へと昇華し、何者の干渉も受け付けない完璧なる金属パーフェクトメタルとなっていた。

「六発目」

投擲された白き神の刀が深々と突き刺さる。
もはやジークフリートの体は何故生きているのか不安なほどにボロボロになっていた。

『このままじゃジリ貧だ……！どうにかしなくては……』

そんな言葉を聞いたのか、シグレは無慈悲な追撃を開始する。

「堕天神の裁きフォールン・ジャッジメント」

天から轟雷が堕ちる。
黒白の波動を伴い、無慈悲な裁きは光の速さでジークフリートへと迫る。
ジークフリートは助かる術はないものかと思案する。

絶望は、眼前に迫っていた。

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あれ？主人公どっちだっけ？

Fictionalizer作家紹介

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