邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百八十二話 過ぎし日の月

8章 復活儀式


神を復活させる。
そう言い放ったシグレは、机の上のカルナマゴスの誓約を手に取り、安楽椅子の塵を魔法で払い除け、過去に永遠の命を得るために邪神を呼び起こそうとした者達のようにそこに座って手に持つ魔導書カルナマゴスの誓約を読み始めた。

きぃきぃという安楽椅子の軋む音とページをめくる乾いた音が静寂に支配される空間に響き、それは数十分ほど続いた。

その間にもシグレの外見に変化はなく、万物の時を回帰させるという本に宿る神の呪いの一切を無効化していることは傍から見ても明らかだった。

「なんという……」

アルカードの口から無意識に感嘆の声が漏れる。

「あれくらいの事はやってくれないと器の意味が無い。やつは____

クァチル・ウタウスが何事かを呟こうとした直後、シグレを中心として轟音と閃光が拡散し、数秒の間____アルカード達にとっては数分にも思えた____に広間を埋めつくした。

全てが収まったあとには、床には精緻な文様が所狭しと描かれた魔法陣、いや、魔術陣が大量に展開されており、その中心には、クァチル・ウタウスがいた。

「久しいな。肉体というものを得ていたのは、数兆年、あるいはもっと前だったか、なんにせよ。私は完全に解放された」

「それじゃあ、行きましょうか」

早速とばかりにシグレがゲイ・ボルグと化した阿修羅骨刀アスラノシントウを構え、それをアルカードに投擲した。

当然アルカードが避けることはなく、緋色の槍は電光を用意に超越した速度でアルカードの胸を貫いた。

瞬間、理を壊す二つの力が神の呪いを蝕み、一瞬だけ、ほんの一瞬だけその効果を失わせた。

「よくやった」

集中により加速されたかのようにゆったりと流れる時間を知覚するシグレにその声が届くと同時に、アルカードの胸にクァチル・ウタウスの萎びた両手が差し込まれた。

『協力しよう』
『うん』

邪神三柱による時の逆行によりアルカードの水晶の体はみるみるうちに人間の肉体へと変化し、そして、その身に宿る・・・・・・神の呪いを・・・・・消し去った・・・・・

同時に、アルカードの傍らの水晶の柩も砕け散り____

数分後、目を開けたアルカードが見たのは、あの日の夜空と、月のように静かで、美しい笑みをうかべる灰色の姫だった。


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