邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百七十八話 廻る運命の車輪

8章 復活儀式


「貴方には、私を殺していただきます」

夜もふけた頃。
全てを話し終えたアルカードは、動揺もなく、恐れもなく、ただ、道端の石ころを蹴飛ばすようにそう言い放った。

「……やはり、そうなりますよね」
「ええ、誠に遺憾ですがね。この呪いをとこうと奔走してきましたが、結果は見ての通り、全敗です」

アルカードは静寂の中でゆっくりとテラスへと歩みだし、無窮の星々が瞬く宙に手を伸ばした。

しかし、その手はむなしくも空を掴むばかりである。
残酷に、冷徹に、淡々と廻り続ける運命の大車輪が止まることは無い。
無論、その車輪から伸びる首輪をつけられたアルカードも止まることは無い。

「そう、血に塗れたこの手には、ただのひとつも掴めない。もう、何も残っていない」

「だから______」

「……これ以上、生きている必要も無い、と」
「まあ、そんなところです」

軽々と、まるでなんでもないようにそう言い放ったアルカードにどこか憐れむような目を向けつつ、シグレは腰に帯びた白き刀、阿修羅骨刀アスラノシントウを抜く。

そして、どこかから色褪せて鈍色になっており、壊れたかのように一点を指し示し続ける方位磁針コンパスを取り出した後、シグレはアルカードの心臓、その中心にに刀を突き刺した。
普通の吸血鬼ならば真祖であっても心臓を____しかも神器で____貫かれてしまえば終わりである。
自慢の再生能力も再生仕切る前に死んでしまう。
しかし____

「何を……やっているのですか、それでは私は殺せませんよ?」

そんなものでは、憎き神の呪いは打破できない。
絶望と諦めに満ちた表情でそうのたまうアルカードに、シグレは手を差し伸べた。

「ええ、そうでしょうね。ところで、悪足掻きはお好きですか?」

いきなりのシグレの質問にあっけに取られた顔をしたアルカードは、たっぷり二秒ほど硬直した後に、その紅玉のような瞳と均整のとれた美しい顔を曲げ、喜悦の笑みを形作りながら、心底楽しそうな声でシグレに変わるはずのない運命を変えることとなる返答を告げた。

「…………ええ、大好きですよ。悪足掻き。というか、それを復讐に数億年を捧げたものわたしに言いますか」
「というわけで、最後にちょっとだけ足掻いてみましょう」

シグレは指でコンパスの示す先を指し示し、そして、二人の体を白銀の極光が覆った。


こめんとへんしんこーなー

「これ殺せたら他の奴らなんか「不死身なんであった?」って感じで終わりそう(笑)」

せやな。でも、シグレさんですし。
むしろこの後もっとやばくなるので。
序の口ですよ序の口。

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コメント

  • エンシェント・パラライト

    Twitter今更フォローしましたww
    これからも頑張ってください!

    2
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