邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百七十六話 黒は白と相対す

8章 復活儀式


「と、話をする前に、このままではあなたも私が信用出来ないでしょう。そこで、これをお渡ししたい」

そう言うとアルカードはタキシードの下に着ているこれまた純白のベストの胸ポケットからあるものを取り出した。
それは様々な色彩の水晶がくっつきあい、美しい色彩を描く群晶クラスターだった。

「これは私の半身、力の半分を制御するためのコアのようなものです。これを無くせば、私はすぐさま弱体化し、貴方の眷属たちであれば殺すことは容易になるでしょう」

そう言いながらアルカードはその群晶クラスターをシグレに差し出した。

そしてシグレも手を出し、それを受け取る。

「ッ!」
「ああ、私以外の者が触ると結晶化してしまうのですが、あなたはやはり大丈夫なようだ」

シグレは触れた瞬間群晶に侵食された指先を無言で治療し、己が権能で群晶の効果を無効化してアルカードを軽く睨む。

「おお、恐ろしい。睨まないでいただけると嬉しいのですが?」

「やっぱり食えない」
『あーやだやだ』

「心外ですねぇ。私は力の半分を操るコアまで渡したというのに」

アルカードの言っていることは事実である。
シグレの偽装を許さぬ神の瞳には、手のひら大のこの美しい群晶が間違いなく眼前にいる謎の男の力の元、コアであることが記されている。

鬼祖の魂晶 ☆X
吸血鬼祖アルカードの力の断片。
摂取により鬼祖への転生が可能。
界呪:水晶化

「なるほどあなたの覚悟は伝わりました。ところで、この界呪:水晶化とはなんですか?」

「それは、話を聞いていただければわかることです。さて、これで、私の話を聞く準備は出来ましたか?」

『変わらず?』
「ええ、これは正真正銘目の前の男、アルカードの力の源泉、コアです。やつもこれを安易に渡すほど馬鹿ではない。それでもそうしなければならないほどの火急の用件があるとしたら?
そうでなければ・・・・・・・いけない理由・・・・・・があるとしたら?
このコアが偽物である場合もあるにはありますが……どちらにせよ、話は聞くべきでしょう」
『了解だ』

シグレは水晶のカップを持ち上げ、中に注がれていた橙黄色の紅茶を飲んだ。

「さて、準備はいいですね?」
「それでは始めさせていただきましょう。私がこれからお話させていただきますのは、夢幻のように美しく儚い、そんな物語でございます。名前をつけるのでしたら、そうですね……」

そこまで言うとアルカードはふっと何かを慈しむように笑みを形作り、そして、静かで美しい声音でその名を告げた。

「水晶の姫……『灰水晶の姫クリステラ』、と、そう名づけることに致しましょう」


この時点で元ネタ分かる人は尊敬します。
本当に。
コメントで当ててみてください(露骨なコメ稼ぎ)

従魔スキル紹介
絶対結界
破壊不可の結界を展開。
単一効果ならば360度展開可能だが多機能だと出現位置は限定される

Fictionalizer作家紹介
第四回目は、初めてクロシヲよりあとに入った人。わりとクロシヲと趣味の合うゆうさんことマウスウォッシュさんの作品。

『苦役甦す莇』です。ドドン!!

カテゴリー......ファンタジー
見どころ......もともと異世界転移系コンテンツが嫌いだった作者が、色々あって異世界転移ファンタジーを書くことになりました。異世界系が嫌いな作者が書いてるので王道な展開は期待しないで下さい。
ただその代わり王道な異世界転移ファンタジーには無い作者オリジナルの展開と世界観がギュッと詰め込まれてます。王道な展開に飽きた人向けの異世界転移ファンタジーです!

とまあ、邪道も邪道、王道展開なんぞ知らんと言わんばかりの小説でございます。
皆さん是非一度読んでみてください

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