邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百五十一話 絶望:Despair
7章 あゝ神よ
クリードの出現に続き、クリードが現れたひときわ巨大な黒渦の周囲に展開されていた小型の黒渦__小型と言っても直径5m程なのだが__が脈動を始めた。
そして、そこから現れたソレは、既に折れた英雄の心を粉々に砕いた。
「お、おい、う、ウソ……だろ?嘘だと言ってくれ!」
もう既に心の折れた元英雄は無言でそこに立つシグレに祈るように、懇願するかのように声をかける。
「いいえ、あれは、現実です」
シグレが無表情のまま、しかし内面に底知れぬ怒りをたたえながら言葉を吐き出す。
二人の眼前には、悪夢があった。
ソレらがゆっくりと歩を進める度にぐちゃぐちゃと肉が混ざり、潰れ、血の流れる音やドス黒い膿が周囲に撒き散らされる。
顔はもはや原型などなく、あるものの眼球は焦点など定まらず常に動き続け、またあるものは皮膚が削げ、腐った肉が辛うじて顔の原型を残している。
服、もしくは鎧であったハズのものはボロボロに腐食し、溶け落ちた体と癒着している。
身体中にはぼこぼこと腫瘍が現れては弾けて黒い膿を撒き散らし、それに当たったモノが呻き声を上げている。
四肢は腐り落ち、あるいは肥大化し誰一人として原型など留めていない。
削れた。あるいは腐り落ちた身体からは臓器が垣間見え、そこには流れる血で紅く染まった蛆虫が湧いてでると同時に、身体中の穴という穴から腐臭とともに瘴気が溢れ出てくる。
ゆっくりと歩く、もしくは身体を蠢かせて進むそれらは一歩一歩歩く事に苦悶の声を上げ、ぼとぼとと自分の肉を落としていく。
そして、その後には龍種並の力を持った黒獣が雪崩のように現れる。
「うぷっ………………!」
常軌を逸した光景に吐き気を催しながらも英雄は悟ってしまった。
顔がなくとも理解出来る。その武器が、その体が、その気配があれは共に戦場を駆け抜けた仲間達であると無慈悲にも英雄に告げていた。
「い、いや、ゾンビだ!あいつらはゾンビに違いねぇ!なら治せるよな!な!?」
ゾンビ、あるいは蠢く死体だと普通の人間ならば思うだろう。
元英雄はそう思い、隣のシグレに助けを乞う。
「………………」
「治せるよな!治せると言ってくれ!」
無言のシグレに対し、英雄は懇願する。
「……無理です。あれは、生命探知に反応している。つまりあれは生きている。アンデッドじゃない。もっと別のなにかです」
その時、元英雄の何かが切れた。
はい、英雄のSAN値が0になりました。
思ったよりクー・フーリンの小物化が進行してます。
そりゃそうだよね。
咆哮ですらシグレが守ってくれなきゃ死んでたし、救うべき仲間ももういない。
主人公補正なんてないんだから心が折れるしかない。
物語のような展開は得てして現実では起こらないのです。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)
クリードの出現に続き、クリードが現れたひときわ巨大な黒渦の周囲に展開されていた小型の黒渦__小型と言っても直径5m程なのだが__が脈動を始めた。
そして、そこから現れたソレは、既に折れた英雄の心を粉々に砕いた。
「お、おい、う、ウソ……だろ?嘘だと言ってくれ!」
もう既に心の折れた元英雄は無言でそこに立つシグレに祈るように、懇願するかのように声をかける。
「いいえ、あれは、現実です」
シグレが無表情のまま、しかし内面に底知れぬ怒りをたたえながら言葉を吐き出す。
二人の眼前には、悪夢があった。
ソレらがゆっくりと歩を進める度にぐちゃぐちゃと肉が混ざり、潰れ、血の流れる音やドス黒い膿が周囲に撒き散らされる。
顔はもはや原型などなく、あるものの眼球は焦点など定まらず常に動き続け、またあるものは皮膚が削げ、腐った肉が辛うじて顔の原型を残している。
服、もしくは鎧であったハズのものはボロボロに腐食し、溶け落ちた体と癒着している。
身体中にはぼこぼこと腫瘍が現れては弾けて黒い膿を撒き散らし、それに当たったモノが呻き声を上げている。
四肢は腐り落ち、あるいは肥大化し誰一人として原型など留めていない。
削れた。あるいは腐り落ちた身体からは臓器が垣間見え、そこには流れる血で紅く染まった蛆虫が湧いてでると同時に、身体中の穴という穴から腐臭とともに瘴気が溢れ出てくる。
ゆっくりと歩く、もしくは身体を蠢かせて進むそれらは一歩一歩歩く事に苦悶の声を上げ、ぼとぼとと自分の肉を落としていく。
そして、その後には龍種並の力を持った黒獣が雪崩のように現れる。
「うぷっ………………!」
常軌を逸した光景に吐き気を催しながらも英雄は悟ってしまった。
顔がなくとも理解出来る。その武器が、その体が、その気配があれは共に戦場を駆け抜けた仲間達であると無慈悲にも英雄に告げていた。
「い、いや、ゾンビだ!あいつらはゾンビに違いねぇ!なら治せるよな!な!?」
ゾンビ、あるいは蠢く死体だと普通の人間ならば思うだろう。
元英雄はそう思い、隣のシグレに助けを乞う。
「………………」
「治せるよな!治せると言ってくれ!」
無言のシグレに対し、英雄は懇願する。
「……無理です。あれは、生命探知に反応している。つまりあれは生きている。アンデッドじゃない。もっと別のなにかです」
その時、元英雄の何かが切れた。
はい、英雄のSAN値が0になりました。
思ったよりクー・フーリンの小物化が進行してます。
そりゃそうだよね。
咆哮ですらシグレが守ってくれなきゃ死んでたし、救うべき仲間ももういない。
主人公補正なんてないんだから心が折れるしかない。
物語のような展開は得てして現実では起こらないのです。
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コメント
ノベルバユーザー272057
アイデアの判定に(シグレのせいで)自動成功