邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百四十九話 破壊:Destruction

7章 あゝ神よ


飛び去るシグレ達になど目もくれず、クリードは雄叫びを上げながらそこにあった社を何度も何度も踏みつけ、噛み砕き、水のブレスを放って社が存在した痕跡すら消滅させんとばかりに攻撃を放ち続ける。

既に周囲のクレーターは転移してきた時に見たような小型の物よりもさらに大きく、横幅1km、深さに至っては踏みつけが繰り返されたために2km近くなっている。
しかし、その底では土が蠢き、だんだんと地面が修復されていく。
しかし、地面が再生する傍からクリードが足で大地を踏み砕き、もはや衝撃波となった咆哮が木々を無造作に薙ぎ倒す。
クレーターにはブレスによって放たれた水が残留し、水底が見えないほど巨大で深い湖を作り出していた。

「あんだけ大規模な破壊行動が今まで見つからなかった理由があれだな。この森は自動で修復される。もしかしたら転移してすぐのとこにあったクレーターのとこにもここと同じように社があったかもしれねぇぜ」
「なんにしてもクリードやコインヘンが巡回してる理由がわかりましたね」
「そうだな、だが肝心の城の場所がまだわからねぇ。どうしたもんか……」
「このまま鳥として移動する訳にも行きませんからねぇ……今は大丈夫ですが強敵と戦うことを考えるとMPは温存しておきたいですし」
「あぁ、おろしてくれ」
「了解です」

シグレは着陸のために近くにあった広場に向かって滑空し、衝突の直前で滑空の勢いを殺して着地した。
周囲の草が風圧で軽く揺れ、ガサガサと音がたつ。

大地を踏み砕く爆音がなおも二人の耳朶を打つが既にクリードからは1km近く離れたため発見される心配はない。

シグレはクーフーリンが自身の背から降りたことを確認すると体を人へと戻していく。
翼は白い手に変じ、黒い羽毛は残さずなくなり、最後には人間の姿に戻った。

「あ、鼓膜回復させときましょうか」

見れば二人の両耳からは血液が流れ、内部の鼓膜はグズグズに粉砕されている。

「ん?それなんですか?」

唐突にシグレがクーフーリンの肩を指さす。
そこには、人の爪ほどの大きさの牙か、爪のようなものが刺さっていた。

「欠片じゃねぇのか?これも治療頼む」

再生の魔法によりそれを治療したシグレはクーフーリンとの念話を切り、そして唐突に刀を構えた。


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