邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百三十九話 困惑、当惑、恐怖
7章 あゝ神よ
「ᛁ、ᛁ、ᛁ、ᛁ……さすがに当たんねぇか」
クーフーリンは逃げ回る黒獣に対し氷の弾丸で応戦する。
着弾地点に氷柱が出現して黒獣の行動を阻害するがそれをものともせず黒獣は氷柱の林を縦横無尽に駆け巡る。
「じゃあ今度は違うやり方だ。ᛇ」
黒渦の周りが氷柱だらけになった辺りでクーフーリンは戦法を変えた。
地面からイチイを生やし、それを弓矢として構え、発射する。
馬鹿め、と黒獣は嘲笑うかのように矢を無視してクーフーリンにその死を翳す爪を振り下ろす。
いや、振り下ろそうとした。
男を、クーフーリンを殺さんと振り上げた自身の黒い前脚は既に存在しなかった。
いつ____!?
痛みはなかった。
音も、何かが見えることもなかった。
であれば、何故、自分の前脚は根元から吹き飛んでいる?
黒獣はその本質が影であるが故に血液はない。
とりあえず自信に傷を与えた謎の存在から離れるべく残った前脚と後脚を使って背後に後退する。
何本かの氷柱が激突するがそんなものは気にしていられない。
ただ、いまは逃げるしかないのだ。
黒獣は混乱する。
刺突への完全耐性を既に我々は保有しているはずだ。
なのに、何故目の前の男のチンケな弓矢を無効化出来ないのか。
当然のごとく黒獣は混乱し、当惑し、そして何より恐怖した。
傷を負わないということは、恐怖を知らないのと同義である。
生まれ落ちて初めて知った正体不明の感情に、その謎の感情を抱いてしまった自分が分からない。
氷柱の林からは脱出し、とりあえずは近くの木の虚に体を隠せた。
その刹那の思考が、クーフーリンから意識を逸らした一瞬が、黒獣の明暗をわけた。
「よお、逃げたと思ったらこんな所にいやがったか、手間をかけさせんなよ」
何故。何故お前がここにいる。
既に退避したはずなのに、何故、目の前に、射程距離にいる___!?
「じゃあな、犬っころ。痛みを知らない自分を恨め」
その言葉と同時に矢が放たれ、黒獣の頭蓋を貫き、黒獣は溶けるように消えた。
正直痛覚無い体とか欲しくないです。
同じく不老不死もいや。
不老で病気にかからないとかならまだいいけど
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「ᛁ、ᛁ、ᛁ、ᛁ……さすがに当たんねぇか」
クーフーリンは逃げ回る黒獣に対し氷の弾丸で応戦する。
着弾地点に氷柱が出現して黒獣の行動を阻害するがそれをものともせず黒獣は氷柱の林を縦横無尽に駆け巡る。
「じゃあ今度は違うやり方だ。ᛇ」
黒渦の周りが氷柱だらけになった辺りでクーフーリンは戦法を変えた。
地面からイチイを生やし、それを弓矢として構え、発射する。
馬鹿め、と黒獣は嘲笑うかのように矢を無視してクーフーリンにその死を翳す爪を振り下ろす。
いや、振り下ろそうとした。
男を、クーフーリンを殺さんと振り上げた自身の黒い前脚は既に存在しなかった。
いつ____!?
痛みはなかった。
音も、何かが見えることもなかった。
であれば、何故、自分の前脚は根元から吹き飛んでいる?
黒獣はその本質が影であるが故に血液はない。
とりあえず自信に傷を与えた謎の存在から離れるべく残った前脚と後脚を使って背後に後退する。
何本かの氷柱が激突するがそんなものは気にしていられない。
ただ、いまは逃げるしかないのだ。
黒獣は混乱する。
刺突への完全耐性を既に我々は保有しているはずだ。
なのに、何故目の前の男のチンケな弓矢を無効化出来ないのか。
当然のごとく黒獣は混乱し、当惑し、そして何より恐怖した。
傷を負わないということは、恐怖を知らないのと同義である。
生まれ落ちて初めて知った正体不明の感情に、その謎の感情を抱いてしまった自分が分からない。
氷柱の林からは脱出し、とりあえずは近くの木の虚に体を隠せた。
その刹那の思考が、クーフーリンから意識を逸らした一瞬が、黒獣の明暗をわけた。
「よお、逃げたと思ったらこんな所にいやがったか、手間をかけさせんなよ」
何故。何故お前がここにいる。
既に退避したはずなのに、何故、目の前に、射程距離にいる___!?
「じゃあな、犬っころ。痛みを知らない自分を恨め」
その言葉と同時に矢が放たれ、黒獣の頭蓋を貫き、黒獣は溶けるように消えた。
正直痛覚無い体とか欲しくないです。
同じく不老不死もいや。
不老で病気にかからないとかならまだいいけど
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