邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百三十七話 グロッキーもとい瀕死

7章 あゝ神よ


黒渦の前に一日ぶりくらいに戻ってきたシグレは、渦の前で倒れ伏しながらも結界は維持しているクーフーリンを発見し一瞬硬直した後、活動を再開した。

クー・フーリン

状態:魔力欠乏 瀕死

「グロッキーかと思ったら瀕死だった」
『あちゃー……無くなった魔力を体力で代用してたとこで結界が破られて襲われたって感じかな。MPポーションは固形液体含めて全部なくなってるし』
「連絡していただければよかったのに……」
『ヒント:リアル休息』
「あっ……」
『仕方ないね!そう、全ては致し方ないことなんだ!』
「この状況での鑑定は致し方ないものなのです」
『状態しか覗いてないのでプライバシー問題は無いね!』
「誰に対して言ってるんですかねぇ……」
そんな謎コントを繰り広げるクトゥルフとシグレに声が掛かる。

『いや……まず助けろよ……』

「『あっ……』」

そのとき、表示されていた鑑定結果の「瀕死」の部分が、音もなく「死亡」へと変化した。

『クーフーリンが死んだ!』

辛そうに倒れていたクーフーリンの顔が、いつになく悲しく見えた。と後に従魔たちは語った。

閑話休題この人でなし!

「________ってことがありまして……」

時は進んで数時間後。
夜の森の真っ只中で野営をしながら今日の報告もとい雑談の時間である。

ちなみにクーフーリンはまた焼き魚を食べていた。今度は鮭もどきを焼いたりしたようである。

「俺一回死んだのか?そんなくだらないことで?」

「ええ」

「命って軽いんだなぁ……いや、分かってたが」

どこか遠いところを見る目でクーフーリンが鮭もどきの刺身を頬張る。

「ちなみに結界自体は生きてましたし、黒獣も出てきてませんでしたよ」

「んな事聞いてねぇよ!いくら蘇生魔法使えるっつったって『コントやってたら死んだ』とか言われて納得できるかぁ!?」

この様子もコントのようである。

「いいじゃないですか。蘇生できたし、何より魔力上限上がったでしょう?」

そう、シグレが魔力欠乏状態のクーフーリンにMPを譲渡したところ、何故か魔力上限、ゲーム風に言うなら最大MP量が上昇したのである。

「それはそうだが……おれは一応誇り高きケルトの戦士だ。あまりみっともない死に方はしたくねぇ」

「ああ、そうでしたね。……ところで、気づいてます?」

シグレの発言で一気に空気が変化する。

「気づいてないとでも?」

「いえ、全く」

「そうかよ。さて、前哨戦だ。招かれざる客とのな」


???:ランサーが死んだ!
クロシヲ:この人でなし!

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