邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百六話 カレーもどきとドジっ娘

7章 あゝ神よ


もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ____

「ハッ!?私は何を……ッ!」
「もふもふに……呑まれた…」

今現在、夜である。
ちなみに彼女らとシグレが遭遇したのは太陽が未だ中天にある時、つまりは真昼であった。
つまりはそういうことだもふもふに埋もれたのだ

「ああ、起きましたか戻ってこれましたか。いま配膳しますので少し待っていてください」

狼の群れから抜け出した二人にシグレが料理を皿によそりながら声をかける。

ー料理がレベルアップしましたー

「えっ、あっ、ありがとうございます!ご飯まで貰えるなんて!」
「ありがたい……」

ヘッドバンキングのようにブンブンと頭を下げるフェリアとゆっくりと一礼するネムの対比が可笑しくてシグレの口元に笑みが浮かぶ。

「あっ、ちょっと笑わないでくださいよお兄さん!」

ちなみに埋もれる前にシグレが自分の性別を訂正したため呼び方は「お兄さん」になっている。

シグレは家族では無い人間から兄と呼ばれるのは遊理で慣れているので問題は無いのだが、初対面のシグレを兄妹の様な呼び方で呼ぶとは、なかなか豪胆である。

「「いただきます」」

シグレは皿に盛ったカレーもどきを二人が食べ始めるのを見届けると涎を垂らして待っていた狼にカレーもどきを配る作業へと移った。

「いやあありがとな!こんな美味いもん食わせてくれて!」
「いえいえ、これくらいでいいのなら何時でも呼んでください」

作業を終えたいつぞやの精霊狼エレメントウルフと談笑しながらカレーもどきを食べていると、空の器を持った二人がシグレの所にやってくる。

「おかわりでしたら自由にあそこの鍋から取っていいで

「よし行ってくる!」

シグレが言い終わる前にフェリアが鍋に向かって走り出した。

そして鍋まで5m程になったところで石に躓き、器を盛大に割りながら倒れ込んだ。
幸いにしてここは傷害禁止エリアであるためダメージはないが、カレーの器が粉々になっている。

「しっかり……ドジっ娘アピール…隙がない…」
「違うよ〜ネムぅ~……あ!お兄さんすいません!食器を割っちゃって!」

「構いませんよ、直ぐに作れますし、ほら」

そう言いながらシグレは地中の金属を抽出し精錬、整形をして先程割れた皿と寸分違わぬ皿を作り出して見せた。

「え!?」
「……無詠唱、さすが」

新しいお皿で無事ふたりはカレーもどきを心行くまで食べられましたとさ。


皐月様がお怒りじゃ!

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