邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 丗

SS一章 『妹達の二人旅』


「総攻撃を仕掛けられています!」

突然広場にやってきてそう言った少女に対し、鉱山警備の者達は疑念を抱いていた。

まあいきなり走ってきてそんな事言われても信じられないのが世の常人の常だが、今回のみは事情が違った。

倒れ伏した少女にポーションを飲ませながらリーダーの男は思考する。

(にわかには信じれることでは無い…が、この少女の必死さ、未だ終わらぬ掃討から考えると、あながち嘘ということも…)

ポーションを飲ませた少女をベンチに寝かしつつそう考えて全員に警備強化の号令を出そうと立ちあがったリーダー達に、突如として轟音とともに大きな揺れが起きた。

「全員落下物に気をつけろ!」

リーダーは咄嗟に少女を庇い四つん這いになる。
周りの男達もそれに倣って四つん這いになり頭を守っている。

度重なる戦闘や爆破により倒壊寸前になっていた建造物群が一斉に崩壊し、鉱山都市の街並みは一瞬にして平坦なものになった。

いまや起伏のあるものと言えば高くそびえる鉱山しかなく、それ以外は瓦礫となって崩れ去っている。

そして揺れが収まると、ある一方の方向から戦闘音らしき爆音が聞こえてくる。
それは、掃討部隊の向かった方向であった。

「あの人たちが戦ってる…私も…行かなきゃ!」
「待て!犬死にしたいのか!」

いつの間にか起きていた少女が爆音の方向に向かって走り出そうとするがリーダーは慌ててそれを引き止める。

「でも!あの人たちは!」
「自分の役割を考えろ」

自分を囮にしてまで私を逃がしてくれた。
というつもりだったのだろう。
しかし、リーダーの一言によりそこから先の言葉が紡がれることは無かった。

「お前の役割はなんだ?大して強くもないのに救援に行って犬死にすることか?違うだろう。いま、ここで出来ることをやるんだ」

「はい…」

足でまといだと、はっきりと言われた少女は落胆したが、自分を逃がしてくれた彼らのためにと奮起し、自らの役割のために後方へと下がって行った。

走行している間に戦闘音は収まり、黒衣の集団が鉱山に迫っていた。

「よしお前ら!迎え撃つぞ!ぜったいにここを通すな!」

「オオオオォオォォオ!」

「全軍突撃」
「「「「「「了解」」」」」」

決戦の火蓋が、切って落とされた。


はい、もうちょいで皐月達は出ます

祝200話!皆様いつもありがとうございます!
大変お恥ずかしいのですがリアルで号泣しました。
これからも面白いと思っていただけるよう頑張りますのでどうか見てくださいお願いしますなんでもしますから(なんでもするとは言ってない)

誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです

いいね、フォローもお願いします

Twitterのフォローもお願いします
(IDはあらすじにあります)

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品