邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百二十八話 材料

6章 玩具は盤上で踊る


「こっちです」

冒険者の地図を持ちながら先行するシグレの声が白い廊下に響く。

先ほどの天網恢々は攻撃魔法ではないし、魔法隠蔽もかけておいたため警備のための結界には探知されなかったようである。

そんなこんなで歩いていくうちにシグレの傷も再生し、一行は移動速度をさらにあげて進んでいく。

時折現れる白衣をまとった研究員を一撃で気絶させ、白い廊下を進んでいく。

「狭くなってきたな。油断しないで行こう」

隊長らしき人間がそう言っていつでも剣を抜けるように構えた。
それに見習って他の男たちも剣を今すぐにでも抜ける状態で剣を持つ。

「着いた…」

「ここが…」

かろうじて声を出せたのは2人、あえて出さなかったのが2人、残りの男たちは白い空間にそびえ立つ大門を前にして唖然とし、今までの警戒態勢を一時解いてしまった。

目の前にあるのは白と黒で彩られた大きな門。
高さは100mほど、横は約40mほどだろうか。
閉ざされた門には精緻な装飾が施され、これが一つの芸術品のような美しさを持っていた。

あるところには人間に救いの手を差し伸べる天使が、またその対称となる位置には同じく人に手を差し伸べて堕落させる悪魔が描かれている。

まるで一種の宗教画のような門には、ある特徴があった。

その門に使われている全てのものは、生物である。

所々に頭蓋骨が装飾として使用され、人間の装飾かと思われたそれには実際の人間が埋め込まれている。

追い立てられるイノシシ、首を切られる人、血を流しながら暴れまわる狼。

「……」

無言でシグレが門に近づき、鑑定する。

嘆きの獄門 耐久:538094795

生物が埋め込まれた門。
その恨みや嘆きなどの負の感情をエネルギーとして吸収し、回復する。

呪怨再生

シグレはそれだけ見るとおもむろに「転移門解放ゲートオープン」と呟く。

周りのものが「お、おい!」と声をかけるが全く意にも介さず解放した転移門へと消えていく。

「やぁやぁ、よk

シグレが転移してきたことを知った道化の言葉が始まるゼロコンマ数秒前、シグレは地面を蹴り砕き加速する。

そして、ロキの言葉が終わらぬうちに全ての生命を滅する一太刀が放たれる。

「『壱ノ型 !瞬雷!』」

道化の周囲の黒い壁が崩れ落ちていく中、シグレは阿修羅骨刀を切っ先を道化のいた場所へと向けて、殺意のこもった声で叫ぶ。

「貴様をッ…殺す!」


はい、シグレさんバーサーク
次回からガチ戦闘かな?

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コメント

  • ドラキー

    誤字報告
    男の体調✕
    男の隊長○

    1
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