邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百五話 眠る魔女

6章 玩具は盤上で踊る


「ただいまぁ〜」

空間の揺らぎから現れたのは、ひとりの少女だった。

眠そうに目をこすりながら現れタソの少女は、パジャマに似た動きやすそうな服を着崩し、ズボンの裾をひきずっている。
髪の毛はボサボサではないが寝癖で盛大にはね、片手に抱くクマのぬいぐるみにほとんど頭を埋めている、しかも
足は裸足である。
もともと少女自体が美少女なのも相まってとても残念な感じになってしまっていた。

「ああ、お疲れ様じゃ」

「じゃあ私寝るねぇ?」

挨拶だけすると少女は床に倒れこむ、そこにはいつの間にか質素な敷布団があった。

「なんですかこれは…」

困惑した表情で尋ねるシグレに対し、セフィロもまた困惑というよりかはどこか諦めたような顔で言葉を返す。

「わしと同レベルの魔法の天才であり、 魔道具収集家であり、魔法研究者オタクで___」

セフィロは一度そこで言葉を切り、すやすやと眠る少女に対し苦笑いをした後に続きを語る。

「__ひきこもりのわしの友人、アリス・ラースじゃ」

言い終えたセフィロは今もアリスの眠る敷布団を見やる。

「しかし、また腕を上げたのう。アイテムボックスの無詠唱に加えて適切な位置に複数の対象を出現させるその精度、驚嘆の一言じゃな」

「まあこれだけ優秀なのになぜそれを使わずにこんなところで引きこもりに近い生活をしているのか知りたいところだが、まずはこやつをベッドに運ぼう。ついてこい」

  物体の座標情報を書き換えることで何かのエネルギーで推進力を発生させて飛ばすよりも効率的な方法かつ寝ている人アリスを起こさないように工夫された魔法を見て驚きつつもシグレは師の後に続く。
先の見えない廊下の壁は黒く、窓はない、あかりは所々にある蝋燭のような魔道具のみで、明るいというよりかは薄暗いと表現したほうが適切なくらいには暗い通路を延々と歩いていく、

(あなたから学ぶことはまだまだあるんですよ。自分が下だなど自分を卑下しないでください。師匠)

そんなことを考えながら歩いていると、一つの扉が現れ、自動的に開く。

「うわっ…」

「まあ、これみたらそうなるじゃろうな…」

その先にあったのは天蓋付きの豪奢な寝台ベッドだった。
しかし、美しく彩られた寝台以外のいたるところに本や魔導書、魔道具や調合キットなどが散乱し、床が見えなくなっており、ダメ人間の部屋の様相を示していた。

扉というよりかは窓に近い高さにあるそこからセフィロは空中に浮かび、敷布団から天蓋付きのベットへとアリスを移動させ、部屋から出て行こうとするセフィロにシグレは声をかける。

「ここの掃除やっていっていいですか?」

「あ、ああ…かまわんぞ。それではわしは先に行く」

ちなみにシグレは潔癖ではない、が、やはりここまで散らかっているのをみると我慢はできなかった。
基本的に現実リアルでのシグレの家は皐月とシグレが分担して掃除を行なっているのだが、なんせ古い木造家屋だし無駄に広いし、割と散らかっている遊理の部屋の掃除もしているためシグレの掃除スキルは割と高いのである。

「さて、始めましょうか」


(´-ω-`)))コックリコックリ

はい、パジャマを着た幼女が寝ています。どうしますか?

座標情報を変えるとは、「〇〇は机の上にある」というのを「〇〇は机の下にある」と書き換える感じです。(今の例だと机の下に向かって移動する)

すいません投稿日時を間違えてしまいました!m(。>__<。)m

あと、死神の称号効果を追加しました。

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