邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
後日談 懺悔する人形
サバイバル終了から約二週間後のお話です
今回はわりと鬱展開らしいのでダメな人はブラウザバックしてどうぞ
 
豪雨が歩く彼の体を濡らす。
「……」
その歩く姿に言葉はなく、ただ俯いてのろのろと目的地へ向かっていた。
彼は今一度考える。
「どうしてこうなってしまったのだろう」と
「どうしたらこうならなかったのだろう」と
「なんで、どうして僕は必要とされなかったのだろう」と
そして、彼は答えとともに目的地に着く
どうしてこうなってしまったのだろう?
僕が諦めたからだ。
どうすればこうならなかったのだろう?
過去は変えられない、その幻想に意味は無い。
どうして必要とされなかったのだろう?
僕が、求めなかったから。
人としての生活を
普通に生きていけたであろう現実を
得られたであろう幸福を
差し伸べられた救いの手を
その全てを、払ってしまったから
そうして考えつつ彼は雨で暗くなった杉林を間違えることなく草花を踏み分け木々を避けてある場所へと歩いていく。
現実から逃げ、人から逃げ、責任から逃げ、挙句自分自身から逃げ続けた哀れとも思えない愚か者
(それが僕だ)
それでも、そんな彼でも、一度だけ、希望を見た。
誰かに必要とされて、たしかに自分は生きていると実感できている。そんな希望を。
だが、その希望すらも虚妄にすぎなかった。
ひとりの少女によってそれはたやすく引き裂かれ、泡沫の夢のように心の底に消えて行った。
だが、彼はそれでいいと言った。
そうして崩れ去った希望にすら、彼は何も抱かなかったのだから。
今回のことも、これまでのことも、全ては自分の作り出した幻想だ。自らの虚妄と願望によって作り出されたまやかしの世界だ。
ならば、自分がAMOに戻る理由も、そして現実世界で生きている理由もない。
幽鬼のように歩みを進める彼は、ある大樹の根元にたどり着く。
そこは、彼が人形になった場所。
そして、彼が人形のままこの世を去るための場所
数十年前から残っている大樹の根元部分を黒く染める血痕を見ながら彼は思う。
これは、己の罪の証明だ。
この罪が消えることはない。                                   
「これで…終わり…お父さん…お母さん…」
この言葉すら、人形は自分が言ったとは思えなかった。
これは、贖罪だ。
父と母の死を前にして動けなかった自分への。
それと同時に、処刑でもある。
全てを諦めた自分への処刑
これも人から見れば「逃げている」だけなのだろうがそんなことはどうでもいい。
彼の体に包丁が刺さる
包丁が体を貫き、その臓腑を深々と抉る。血が流れだし、体が冷たくなっていく。朦朧とする意識の中で、彼は、生涯で初めて自分で言葉を喋った。
「ありがとう。お母さん、お父さん
ありがとう。死神さん」
自分を殺した死神へと礼を言いながら、最後に人に戻る事ができた彼は喜びとともに眠りにつく。
彼の両親の血は、彼の鮮血によって消えてなくなる。
事切れた彼が見つかるのは約2カ月後のことだった。
両親と共に眠る彼の顔は、とても美しかったという。
はい、これが鬱展開なのかなぁと疑問を持つクロシヲです
彼の両親は数十年前、彼が約5歳の時に死亡しています。
理由としては通り魔による殺人なのですが子供を大樹の虚(洞穴的なあれ)に隠し、入り口を自分の体で隠すことで子供を守りました。
その時に恐怖で動けずに両親が殺される様を見た彼は精神的に異常をきたし、誰かに依存するようになります。
次第に依存した人間の命令で行動する人形になっていきました。
まぁ粗が目立ちますが
人形のストーリーとしてはこんな感じです。
誤字脱字等ございましたらコメントしていただければ幸いです
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今回はわりと鬱展開らしいのでダメな人はブラウザバックしてどうぞ
 
豪雨が歩く彼の体を濡らす。
「……」
その歩く姿に言葉はなく、ただ俯いてのろのろと目的地へ向かっていた。
彼は今一度考える。
「どうしてこうなってしまったのだろう」と
「どうしたらこうならなかったのだろう」と
「なんで、どうして僕は必要とされなかったのだろう」と
そして、彼は答えとともに目的地に着く
どうしてこうなってしまったのだろう?
僕が諦めたからだ。
どうすればこうならなかったのだろう?
過去は変えられない、その幻想に意味は無い。
どうして必要とされなかったのだろう?
僕が、求めなかったから。
人としての生活を
普通に生きていけたであろう現実を
得られたであろう幸福を
差し伸べられた救いの手を
その全てを、払ってしまったから
そうして考えつつ彼は雨で暗くなった杉林を間違えることなく草花を踏み分け木々を避けてある場所へと歩いていく。
現実から逃げ、人から逃げ、責任から逃げ、挙句自分自身から逃げ続けた哀れとも思えない愚か者
(それが僕だ)
それでも、そんな彼でも、一度だけ、希望を見た。
誰かに必要とされて、たしかに自分は生きていると実感できている。そんな希望を。
だが、その希望すらも虚妄にすぎなかった。
ひとりの少女によってそれはたやすく引き裂かれ、泡沫の夢のように心の底に消えて行った。
だが、彼はそれでいいと言った。
そうして崩れ去った希望にすら、彼は何も抱かなかったのだから。
今回のことも、これまでのことも、全ては自分の作り出した幻想だ。自らの虚妄と願望によって作り出されたまやかしの世界だ。
ならば、自分がAMOに戻る理由も、そして現実世界で生きている理由もない。
幽鬼のように歩みを進める彼は、ある大樹の根元にたどり着く。
そこは、彼が人形になった場所。
そして、彼が人形のままこの世を去るための場所
数十年前から残っている大樹の根元部分を黒く染める血痕を見ながら彼は思う。
これは、己の罪の証明だ。
この罪が消えることはない。                                   
「これで…終わり…お父さん…お母さん…」
この言葉すら、人形は自分が言ったとは思えなかった。
これは、贖罪だ。
父と母の死を前にして動けなかった自分への。
それと同時に、処刑でもある。
全てを諦めた自分への処刑
これも人から見れば「逃げている」だけなのだろうがそんなことはどうでもいい。
彼の体に包丁が刺さる
包丁が体を貫き、その臓腑を深々と抉る。血が流れだし、体が冷たくなっていく。朦朧とする意識の中で、彼は、生涯で初めて自分で言葉を喋った。
「ありがとう。お母さん、お父さん
ありがとう。死神さん」
自分を殺した死神へと礼を言いながら、最後に人に戻る事ができた彼は喜びとともに眠りにつく。
彼の両親の血は、彼の鮮血によって消えてなくなる。
事切れた彼が見つかるのは約2カ月後のことだった。
両親と共に眠る彼の顔は、とても美しかったという。
はい、これが鬱展開なのかなぁと疑問を持つクロシヲです
彼の両親は数十年前、彼が約5歳の時に死亡しています。
理由としては通り魔による殺人なのですが子供を大樹の虚(洞穴的なあれ)に隠し、入り口を自分の体で隠すことで子供を守りました。
その時に恐怖で動けずに両親が殺される様を見た彼は精神的に異常をきたし、誰かに依存するようになります。
次第に依存した人間の命令で行動する人形になっていきました。
まぁ粗が目立ちますが
人形のストーリーとしてはこんな感じです。
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