邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第五十六話 生きる理由

4章 つかの間の平穏


フェンリル様は一息置いてまた話し始めました。

「そうして私は各地を周り、目に入るもの全てを壊し続けていた。
霊峰の管理権や神格やこの場所など、今私が持っているものなどはほとんどこの時に殺した神やら魔物やらのものだね。都合良く神殺しをしたことで神討の魔狼フェンリルやら破壊の杖ヴァナルガンドなんかが開放されたからそれらを使って虐殺を続けていたんだ。
その力を使って私を絶望させた神々ヤツらも殺しに行ったがテュールや大神どもトールとオーディンには逃げられてしまったね。
いつだったかロキクズが顔を見に来たなんて戯言を言ってきたから全力で殺しに行ったりしたね。あの時の顔は傑作だったよ。
ロキあのクズを追い返した後私は呪われた。どこかから見ていたんだろう。もう死のうかと思ったよ。
だが、私は身ごもった。
なぜ今身ごもったのか、元々単為生殖ができたのかどうかは知らないが、私はあの子を妊娠し、近場だったここで体を休め、あの子を産んだ。私が呪っているのは私を苦しめた世界でありそして私を救わなかったものだけだ。生まれてきた子に罪はない。
私の我儘で罪のない子の命をなくして欲しくはないからね。
そして、私は初めて心の底から憎くないと、愛しいと思える存在を得た。
そうして大事なものを得ると、これまでの行いが急に馬鹿らしくなってきてね。
そうやってこの子を子育てしていくうちに狼が集まってきてこの集落が出来たのさ。だからこの子には感謝しているよ。こんなクソみたいな呪いを受けても生きようと思わせてくれるから、この子は私に生きる理由をくれたんだ。」

つまり要約すると

・元の神話と大筋は同じ

・違うのはグレイプニルの戒めを解いた時期と、拘束していた時の神達の対応。

・現在フェンリル様に関わった神で生きているのは主神オーディン戦神トール裏切りの軍神テュール狡知神ロキの4柱

・気合でグレイプニルを壊して脱出したら暴れ回っていた

・神に復讐したことで色々解放

・ロキを撃退してたら呪われた

・妊娠したことで生きる理由を見つけ、自分を見つめ直した

・破壊をやめ、今とほとんど同じ状態に

語り終わったフェンリル様は、普段と同じ優しい笑顔でこちらを見てきました。


過去終了です

神話解釈に独自のものがありますのでご注意を

誤字脱字等ございましたらコメントしていただければ幸いです

いいね、フォローもお願いします

コメント

  • レイ・ブラドル・ドラニス

    誤字報告
    拘束していた時の神たちの対応

    1
コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品