邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第四十三話 遭遇

3章 イベントとその先


クエストをクリアした三人は、精霊を解放しつつその場にへたりこんでいた。

幸いにも一部の精霊は戦闘中に遊理たちが解放していたようで、残っているのは百に満たない。

「やったぁぁぁぁぁ!!心器ktkr!」

「私もですね」

「とりあえず脱出しますよ」

「はーい」

「ひどいナァ、ボクはおいてけぼりかイ?」

そして大広間を出て外に行こうとしたまさにその時、誰もいないはずの真後ろから声が聞こえてくる。

その声はどこか要領を得ない不思議な声で、ボイスチェンジャーを使って荒くしたような女とも男とも、老人とも、幼い子供とも取れる声で話しかけてくる。

「全員逃げて!」

二人と解放された精霊たちは命令を聞き一目散に外に退避し、その数瞬あとには地面から謎の壁がせり上がり、道を塞いでしまった。
みれば壁一面が『ソレ』に覆われており、不気味な玉虫色の体色や複数の口と触手を持った生物がシグレの脱出を邪魔する。
そして、壁を覆う玉虫色のタールのようななにかから「テケリ・リ」、「テケリ・リ」と言う不気味な声が聞こえる。

鳴き声でガンガンMPが削られている。
周囲から伸ばされる眼球付きの触手を打ち払い、全くわからなかったことを疑問に思いつつ振り返る。
玉虫色のドームの中でそこだけが黒く、虚無に染まっている。
漆黒の体には触腕、鉤爪、手が自在に伸縮する無定形の肉の塊と咆哮する顔のない円錐形の頭部を持った冒涜的な生物らしき何かがシグレを見つめて笑っていた。

「なるほど、いままでの黒幕はあなたですね。『這いよる混沌』、いや、ニャルラトホテプ。その姿で人を誑かすのは難しかったのでは?」

こいつが黒幕ならワイズのあの奇妙な力も理解できる。

「ハッハッハッ、その通りだヨ、前回も今回もキミにボクの遊戯アソビを邪魔されちゃったからネ。
本気でやればどんな姿でもいいケドやっぱりバレると面倒だからネ、誑かすのは『ナイ神父』でやったんダ」

「方法なんかも全部あなたの入れ知恵でしょう?まったく趣味の悪い、それにショゴスまで呼んで何する気ですか?」

「その通リ、そうやって小さなキッカケでナニカのタメに狂って行く人を見るのがボクの楽しみなのニ、ソレを二度も邪魔してくれたお礼サ、ショゴスはただの足止めダヨ」

床まで侵食していたショゴスがシグレの足を飲み込んだことで動けなくなってしまった。

「さテ、そろそろ消えてくれるかイ?」

這いよる混沌ニャルラトホテプが触腕を私に向けて振り下ろしてくる。
まるでそこだけが世界から切り離されたかのように黒く、虚無の広がるその腕を、シグレは無言で見つめ続ける。
そして、当たる直前、目の前に黒い影が現れ、這いよる混沌ニャルラトホテプの攻撃を防いだ。

「すぐに逃げよ!」

黒い影の切羽詰まった声にシグレは即座に反応し、衝撃で吹き飛んだショゴスを無視しながら出口へと駆ける。
攻撃を受け止めるフェンリルの横で誰かが炎で攻撃している。

「ほら小僧さっさと行け!」
「ここは我々にまかせよ!」

そして、出口を塞いでいたショゴスは消え、シグレは脱出することが出来た。

ーイベント「狂神降臨」をクリアしましたー


ニャル様は化身を同時に何体も存在させられます。やばいね

狂神降臨はニャル様から逃げきれたらクリアです
ちなみに皐月たちは条件を満たしていなかったためイベント自体発生してません
ていうかこのイベントはほぼクリアできないよう設定されています(具体的に言えば神クラスが助けに来てくれなきゃ何やっても死ぬ)
このイベントは特殊なイベントで、失敗を前提に作られているので今回みたいにクリアしてしまうのはイレギュラーな自体なのです
ニャル様はやっぱりクズだった

誤字脱字等ございましたらコメントしていただければ幸いです

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