深山家の兄弟。~なんで4人もいるんだ!?~

片桐 ソラ

一人っ子の俺に弟達ができた!?

「ごめん春也、俺、再婚するわ。」

突然父さんから言われたその言葉。

「…はあ!?」

土曜の朝から何なんだよ。

俺の父親は少し抜けているとこがある。

…少しじゃねえな。

「突然どうしたんだよ。」

「や、それがな、俺の秘書がこないだ変わったじゃん?新しい秘書を見た瞬間、ビビって来たんだ。それですぐにプロポーズしたんだ。」

そう言ってニコッと笑う父さん。

…忘れていた。父さんは、大手企業の社長さんだ。

父さんの抜けてるとこが遺伝したのかもしれない。どうしよう。

「や、父さんの秘書が変わったなんて知らないし。てか、一目惚れかよ。」

「ああ。…それで、再婚するのを許してくれないか?」

「…それはもう、決定事項なのか?」

父さんは、申し訳なさそうな顔をしながら言った。

「……ああ。ただ、春也が嫌だって言ったら、止めることもできる。」

母さんが死んでから、父さんは母さんが生きてた頃より、笑顔が目にわかるほど少なくなった。

……そんな申し訳なさそうな顔をされたら、許すしかないだろ。

「…はあ、しょうがないなぁ。いいよ、別に。」

そう言うと、父さんはとても嬉しそうな顔をして、

「…春也、ありがとな!愛してるぜ!」

と、言って、自分の部屋まで行った。

ピンポーン

宅急便か?

「はぁーい。」

そう言いながらドアを開けると…

「こんにちは!えと、龍生さんの息子さんの春也君かな?」

と、美人が出てきた。

いや、訂正する。美人と小中高ぐらいのガキ達4人もいた。

「え?あ、はい、こんにちは。龍生の息子ですけど…。」

誰だ?こんな知り合い、いたか…?

「あの、龍生さんいますか?」

「あ、えと、今父さんは自分の部屋にいます。」

「龍生さん呼んでもらっても‥?」

「あ、はい。ところで貴方は‥?」

名前を聞くと、今名乗っていないことに気がついたように名乗ってくれた。

「は!すみません、忘れてました。今日から再婚する江橋真由美と言います!あ、深山真由美ですね!」

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