紅鯨

ノベルバユーザー162616

遠慮

手塚はドラティスの遠慮してるだろ女の子にという言葉が頭から離れなかった。マリに俺は遠慮している?そんな事はあるはずが無い。と自動販売機にもう一度お金を入れながら手塚は自分に問いかけていた。お茶を押す。
それを手に取り一気に半分まで飲みほすと喉の渇きやドラティスさんとの緊張感が和らいだ。あんまり気にしないでおこうと手塚は残りの半分のお茶を飲み干しボトルを捨てた。
ドラティスのその一言により手塚はお笑いの事より完全に無意識的にマリの事ばかり考えるようになっていた。
そんな、うわの空の状態の手塚をマリはあっくんどうしたのだろうと心配していた。もう夏は終わりを迎えていた。蝉が鳴いている声がもう路上でしなくなってきていた。だんだん暑さも和らいできた、もう数日で9月に入る。紅鯨はまだ本ネタさえ路上でウケたことが無かった。マリは焦っていたが、手塚は相変わらず、マリに遠慮をして漫才をしていた。そこは流石のマリも遠慮していると感じざるを得なかった。マリは手塚と話をしようと手塚をマリの自宅に呼んだ。テレビでは秋のグルメのニュースがやっていた。蝉はもう鳴いていない。

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