イセカマジックストーリー《異世界×オカマ×魔法》

毛玉毛糸

15本性

(おい、ジオ。どうなってるの?)

(一部始終は見ていたよ。正直僕も焦った。君、何かを召喚するようなアニメ、マンガ見てたでしょ?)

(うん、見てた。)

前世ではドラゴンや悪魔や勇者が召喚されるアニメを見ていた。今のサラという名前もこのアニメのヒロインからとったものだ。

(いや、だからってそれすらも一度見た認定だなんて…。ジオ、お前転生させる才能ないんじゃない?)

(し、失礼な!誰にだってミスはあるだろ?)

(私の記憶が正しければ、この前は『またやっちゃった』って言ってたぞ。)

(うぅ…。返す言葉もないよ…。)

珍しく元気がないみたいだ。少し責めすぎただろうか?フォローしておくか。

(悪かったよ。言い過ぎた。)

(ありがとう。許してくれて。)

慣れないな、このテンションのジオは。早くいつも通りになってくれるといいのだが。

ジオを心配する半面、ジオを責めて罪悪感から逃れようと考える自分がいた。嫌なことから逃げてしまう性格は変わらないようだ。少し自分が嫌になった。

「ネロ、今日はどこに宿泊するの?もう暗くなるんじゃない?」

こうなったのは自分のせいなのだが、この地球のことはあまり知らないので仕方がない。

「まだ別の街には着かないわ。今日は多分野宿になるわね。」

その言葉に真っ先に反応したのはウィルだった。

「え!野宿!やだよ!虫とかいそうだし!」

ウィルでもこんな子供っぽいところあるのか。まあ、まだ12歳だしね。

「ごめんね、ウィル。私のせいで。」

「いや、サラが黒属性魔法を発動させたのは事実かもしれないけど、それを強要したのは姉ちゃんだから。」

ネロが頬を膨らませた。

「わ、悪かったわね。でも研究の事になると止まらなくなっちゃうんだもん。」

「それ、直しなよ姉ちゃん。」

「むぅ…。」

初めて会ったときのような顔をしている。可愛いな。

「ネロって他にはどんな研究してるの?」

「え?あぁ、新しい魔法を作る研究をしてたわ。今は詠唱をせずに戦闘魔法を発動させる研究をしてる。」

戦闘魔法とは属性魔法のことだ。戦闘で使うために開発された魔法らしい。

「へえ。研究が好きなのね。」

「まあね。使命みたいなものだから。」

使命?そんな大きなものを背負って…。

「姉ちゃん。今向かってる街ってロームより大きいの?」

ロームとはさっきまでいた街の名前らしい。妙にローマっぽい。

「うん。ロームより何倍も大きいわ。王都だから宮殿もあるみたい。カロッスム4個分もあるらしいわよ。」

カロッスム?なんだ?その妙にコロッセオっぽいものは。

「何?その東京ドームみたいな単位。」

ウィルが不思議そうな顔をしている。

「カロッスムはサラがドラゴンを召喚した闘技場だよ。それより、東京ドームって何?」

そうか、やはりあれはコロッセオだったか。それに、東京ドームってあんまり有名じゃないのか。そもそもこの地球にはあるのだろうか?

「ううん。こっちの話。」

とりあえず流しておくのが無難だろう。

その時はネロが私を凝視しているのに、全く気付かなかった。

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