イセカマジックストーリー《異世界×オカマ×魔法》

毛玉毛糸

13悲劇

目を瞑り、考える。

召喚と言えばドラゴンだろうか?うん、どうせできないんだ、大きく出ようじゃないか!ドラゴンとなると召喚陣は大きめになるよな?ネロは目の前に現れるって言ってたけど、空とかじゃないとそんな大きいの作れないよね?うん、空に現れるイメージにしよう。

大きく息を吸う。客席からは応援もブーイングも聞こえない。黒属性魔法の実験はかなり注目を集めているとネロが言っていた。それを考えれば当然のことだ。

召喚のイメージは完了した。周りからはなんの音も聞こえない。魔法陣が現れるときの独特な音が聞こえないのを考えると、やはり失敗したんだろう。少し安堵しながら目を開ける。

「あれ?こんなに暗かったっけ?」

そう言った途端、客席がざわつき始めた。観客は皆空を見上げている。どうしたのだろうか?つられて空を見てみる。

「あぁ、あああ…」

そこには大きな魔法陣、いや、あれが恐らく召喚陣なのだろう。闘技場より少し小さいくらいのものが浮いている。それが太陽の光を半分ほど遮っていた。

「ね、ネロ。あれ、私が発動したの?」

「え、ええ。貴女が目を瞑った後、あれが現れたわ。恐らく貴女の魔法ね。」

まじか…。召喚なんて見たことないぞ…。

だんだんと暗くなってくる。それは召喚陣からドラゴンが召喚された為だった。徐々に姿を現すドラゴン。
それを見て目が離せなくなる者、顔を俯けてしまう者。その場にいた誰もが驚きを隠せなかった。

そしてドラゴンの姿が完全に現れた。身体は10mはあるだろう。そしてそれと同じくらい尻尾も長い。広げた羽は全長とさほど変わらない。その存在感は圧倒的なものであった。

ギャオオオオ!

大きく口を開けて咆哮した。大きな牙が見える。恐ろしさが増す。恐怖のあまり誰も動くことができない。

「に、逃げろおおおおお!」

それはグレンの声だった。さすが軍に務めてるだけある。このような状況には慣れているのだろう。大きな声とは裏腹に、表情は冷静だった。

グレンの声を聞いた全ての人が一瞬正気に戻ったが、一気に全員が逃げた為すぐに混乱に戻ってしまった。

「…ら!サラ!」

っ!

ネロが呼んでいるのにようやく気付いた。恐怖と罪悪感で押し潰されそうになっていたからだ。

「わ、私のせいだ。私があんなイメージしなければ…。」

「違うわ!無理矢理やらせたのは私よ!貴女は何も悪くない!今は逃げるわよ!」

「う、うん…。」

その場はとりあえず逃げることになった。

どうしよう、どうやってあのドラゴンを…。

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