イセカマジックストーリー《異世界×オカマ×魔法》

毛玉毛糸

9挑発

ウィルが勢いよく奥の部屋のドアを開ける。

「姉ちゃーん!ちょっと見せたいものがあるんだけど!」

「どーしたのー?ウィルくーん。お姉ちゃんに何を見せたいのー?」

ドアの影に隠れていて私だったが、顔を出してネロを見た。私に気付いたネロは顔を赤くして俯いた。

「い、いるならいるって言ってくださいよ…。」

「ご、ごめんなさい。悪気はなかったんです。」

「姉ちゃん、昨日僕を襲ったときの声、サラに聞こえてたから隠しても意味ないよ。」

ネロはさらに顔を赤くする。

「ぬ、盗み聞きなんて!ず、ズルいです…。」

「あ、あれは仕方なかったんです!」

「って、話がそれちゃった。違うんだよ姉ちゃん!サラったらすごいんだ!アクア・アローを一回目で、しかも詠唱無しで発動させたんだ!」

「え、詠唱無し…?そ、そんなの出来るわけないでしょ。詠唱によって魔法次元に接続するのよ?その過程無しで、属性魔法なんてまず使えないわ!」

さすがに信じてもらえないかぁ。

「いや、だからそれを見てほしいんだってば!」

「ええ、良いわよ。出来るものならやってみなさい。」

そうして3人は家の外へ出た。



「さあ、見せてみてよ。」

白い目でネロが言った。

「じ、じゃあ。」

さっきのようにやってみる。

キィイィイィン!

ジュバッ!

「……。」

「んね!サラすごいだろ?」

ウィルは自慢気に言った。

「う、嘘よ。さすがに嘘よ。一年研究したのよ?一年で何もわからなかったことを昨日魔法始めた人ができるわけ…。」

「け、研究?」

「姉ちゃんは詠唱しなくても魔法が使えるの方法を研究してたんだ。僕は最初から無理って言ってたんだけど、それでも姉ちゃんは諦めなかったんだよ。」

17歳ってそんなに立派なのか!私とは比べ物にならない。

「……せて。」

「…え?」

「あ、貴女の身体、研究させて!」

「ええ!か、解剖とかするんですか!?お断りします!」

さすがに異世界生活二日目でそんな痛いの嫌だよ!

「そ、そんなことしないわよ!私はマッドサイエンティストじゃないわ!少し魔力構成を見るだけ!」

「ま、魔力構成…?」

「教科書に載ってたでしょ?さては昨日全然読んでないわね?」

「え、えと…。半分くらいは…。」

「魔力構成っていうのは、魔力の基本要素の割合。割合は人それぞれで、それによって魔法の得意不得意が決まるの。そんなことも知らないのによく魔法が使えたわね。」

「す、すみません。」

「とりあえず、1週間はじっくり研究させてもらうわ。」

私の研究対象生活が始まった。

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