ナイモノネダリ

茶々抹子






あの後、親に許可を取るのも忘れて、すぐに出演了承の返事を送った。
しかし、この番組に求められているものは声を失った私自身の物事の考え方なのだろう。 

私が嫌がらせを受けている映像をお茶の間に流しても、ただ、可哀想だと、同情されるだけなのだろう。
つまり、私の物事の考え方を訴えれば良いのだ。

やるならば、盛大な物にしよう。
メディアに取り上げられれば、番組を見ていなかった人にも届くかも知れない。

彼女の元にも。





ー5月27日ー

人生ではじめてのテレビ出演が決まった。
日時は、6月13日に撮影する事になった。場所は、やっぱり学校を選んだ。しかも、体育館。

企画している内容は、
番組からのお願いという事にして、全校生徒を体育館に集めてもらう。
そして、そこで私は全校生徒の前で1枚の原稿用紙を広げて、担任の桜井が嫌がらせを見て見ぬ振りをしていた事、A子やクラスメイト1からの嫌がらせの事、それを受けていた私が思っていた事、全て話してやるつもりだ。

誰もが魅了される400字を詰めて。


ドキドキする。






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