異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

60話 全面戦争の始まり

晋次と啓吾の予想していなかった登場により状況は一転した。
ろくに戦えないリオンと暴走した俊哉
                       vs
手負いのモノケロスとノア
という、ノアの有利だった戦況が真逆と変わる。
暴走した俊哉を戻すと、啓吾が真っ先に動いた。
ニコラスとの戦い同様に両手から小さな玉を作るとその玉に息を吹き掛け飛ばした。
ユラユラとノアに近づくその玉にノアが能力で透明なバリアーを張った。
ノアの余裕そうな顔から啓吾の攻撃は確実に防ぐ自信があるのだろう。
そこから推測するにノアの張ったバリアーは能力を遮断する物だと晋次は推測した。

 「そのような攻撃では私には届きませんよ?
二人で来たのですから、後ろの貴方も何かしてきたらどうですか?」

ノアの挑発を笑って返す晋次と啓吾に不思議がるノア。
俊哉の心配そうな顔を見て晋次が面白がる。

 「俺は動かなくていいの。啓吾ひとりで十分だよ。」

そんな中、小さな玉はゆっくりとノアに近づいていく。
ノアの張ったバリアーに当たろうとしたその時、晋次から合図か出た。
合図と同時に俊哉が愚者のアルカナを使う。
ノアの張ったバリアーが消えると、ノアの目の前に浮いている玉が膨張していき大きな大爆発を起こした。

その状況に口が閉まらない俊哉に啓吾がVサインを送る。

 「タイミングバッチリ!さすが俊哉。
友情コンボだな!」

ついていけない俊哉が質問をする。

 「待って、どう言うこと?今なにが起きたのか全くわからないんだけど!
つか、何で爆発したんだよ!
あの玉って能力だろ?愚者のアルカナは能力を消すんだぜ?」

質問ばかりする俊哉を黙らせ説明を始める啓吾。

 「うるせぇ!そんなに喋るな。どれから答えたらいいかわからなくなる。
何で爆発したのかだっけ?
俺の能力は爆発物を作るもの。
それは、どんな爆発物でも構わない。
そして、爆発する条件は俺の手から離れた状態で形を変形する事。
消滅という形が有る。という所から形が無いに変わったことで爆発が起きた。」

晋次が会話に参加する。

 「俊哉の愚者のアルカナの能力と啓吾の能力は相性がいいってことだね。」

そんな話をしていると、爆発により起きた砂煙から、全身に火傷を負ったノアが姿を表した。

 「何してくれとんだ!雑魚どもが!
もういい。容赦しねえ、叩きのめしてやる!」

口調が代わり明らかに切れているノアが片手を天に伸ばすとノアを中心に雲が渦を巻き始める。
突然の強風に戸惑う四人。
強風と共に地面にヒビが入る。

ノアが何かを仕掛けようとしたその時、啓吾が突然現れた空間に吸い寄せられた。
それと同時にノアの後ろに大勢の者が姿を表した。

 「ノア様、それはさすがにやり過ぎ。ここでそれを使うのはまずいでしょ。」

 「こら、プッピス!
何回も言わせないで。
ノア様にそのような口の聞き方はどうなの?」

 「ごめん、コルンバ。」

その光景をただただ睨むことしかできないリオン。
少し頭を整理したあと状況を説明し出すリオン。

 「俊哉君、今目の前にいる奴ら全員が黒魔術師団の幹部だよ。
これをこの人数で相手するとなると、さすがに俺も相討ち覚悟で挑まないと行けなくなるね。」

リオンに言われ現状のヤバさを確認した俊哉。
急ぎ愚者のアルカナを使い啓吾を助けるとすぐに現状の把握と整理を始めた。
面子をよく見るとそこには優花がいた。
いや、性格には青髪の優花ではなく、現実世界であった優花だった。

「あの優花って子やっぱり敵だったか。」

晋次のボソッっと言った言葉に俊哉が反応する。

 「敵だったかってなんだよ!
お前ら知ってたのかよ?」

 「いや、危ない雰囲気は出てるって現実世界で話したでしょ?
もしかしたらって疑っていただけだよ。まさか本当に敵だとは思わなかったけどね。」

それを聞き確認するように俊哉は大声で優花に問い詰めた。

 「優花、どうして黒魔術師団なんかにいるんだよ?
なんかの間違いだよな?
無理やり入れさせられたのか?
だったら任せろ!今から助けてやる。」

俊哉のその言葉にヴェラが反応する。

 「優花ってお前だよな?ピクシス。
お前あいつの知り合いなのか?
てめぇも裏切るようなら…。
わかってるよな?」

 「バカ言わないでヴェラ。
向こうが勝手に私の知り合いだと勘違いしているだけ。
少し利用したら調子に乗っちゃって。
ウザいんだけど?」

 「言うなーピクシス。」
高笑いをするヴェラ。

 「ならあのうるせぇ奴殺せるよな?」

ヴェラの圧に答えるかのように、能力を使う優花。
俊哉を中心とし、リオン、啓吾、晋次が能力の範囲に入るよう空間を広げ半円を絶対零度で凍らせた。

徐々に凍る俊哉の周り。
絶えず説得をしていた俊哉も敵意を持っていると理解しアルカナを使い対応した。

 「アルカナを使ったってことは、やりあう気があるってことですよね?俊哉さん。
全面戦争でいいんですよね?」

 「どうして!
戦わなくてもいいって選択肢は!」

 「ないですよそんなの。
私たちのボスに喧嘩を売ったんですよ?
戦う選択し以外があると思いますか?」

どこか辛そうな顔をする優花だったが今の俊哉では何を言っても響かないというこは誰が見ても明らかだった。
再び優花が俊哉の周りを絶対零度でこうされようとしたその時だった。

 「はい、優花!
抵抗せずに後ろに引きな。」

その言葉に従うように攻撃のモーションをやめ後ろへと下がっていく優花。

「あなたが俊哉の敵となるなら私は貴方とは共にいるつもりはない。
私は私の目的のために俊哉君の側につく!」

優花の動きを止めたのはなんと、あきだった。

 「久しぶり、でもないかな?
俊哉、リオンさん。」

徐々に人数を増していく俊哉の仲間たちわ邪魔に思いノアが再び片手を天に伸ばす。
プッピスがヤバイ、ヤバイと叫び始めた。

 「ヤバイって、天変地異を起こす能力は。
巻き添え食らいたくないから自分の世界入ります。」

プッピスが作ったゲームの世界に閉じ籠るのと同時にノアは俊哉たちに向け特大の隕石を落下させた。
それを戦争布告とし、黒魔術師団は姿を消した。

 「俊哉君。死なないでねこんな所で」

優花はポソリと言い残した。

俊哉がアルカナで隕石を消そうとしたが消すことはできなかった。
ノアの能力は天変地異を呼び寄せるだけ隕石は自然がもたらすノアの能力とは関係のないものだったため愚者のアルカナでは対応できなかった。

絶体絶命な状況。

 「あきさん、あなたの武器で」

 「あんなデカいのは無理!」

 「なら、啓吾お前の…。」

 「デカ爆弾作ってる間に隕石の距離が近づいて大規模な爆風の巻き添えになる。」

 「なら、リオンさんの。」

 「あんなのをどうにかできるだけのブラックホールは作れないよ。
アルカナを使っても守れるか…。」

そんな話をしている間にも隕石は徐々に距離を近づける。
打って無し。

そんなときだった。

 「本当バカよね。
何を考えて置いていったのかはわからないけど結局私たちの力が必要になるんだから。
置いていくんじゃないわよ。
海斗、あれどうにかできない?」

 「任せて。」 

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