異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

40話 スカル Ⅱ

ライアンに連れてかれライアンの家で話すことになった三人。

 「自己紹介とかしてもらってもえーかのう?」

 「あ、これは、すいませんでした。」

最初に始めたのは鈴華だった。
まるで高貴な女性な感じで始める。

 「私の名前は鈴華と言います。運命のアルカナカード所持者です。」

ライアンの目付きが変わる。

 「苗字は何て言うんじゃ?」

 「苗字ですか…。苗字は…。」

嫌がる鈴華を見て海斗が割り込んでくる。

 「俺の名前は海斗って言います。付和 海斗です。塔のアルカナ所持者です。」

 「俺は俊哉です。先ほども言いましたが、愚者のアルカナ所持者です。」

海斗と俊哉に一礼をし話を戻すライアン。

 「それで、鈴華とやらお前の苗字はなんじゃ。」

 「苗字は…。」

 「当ててやろうか。」

ニヤリと楽しそうに笑うライアン。

 「嬢ちゃんの苗字はズバリ、大武じゃろ!」

どうしてわかったの!と今にも言いたそうな顔で驚く鈴華。

 「これも因果じゃろうか。よかろう。鈴華ちゃんよ、少し占ってはもらえんかのう?」

そういうと、ライアンは紙とペンを出し何かを書き始めた。

 「鈴華ちゃんよ、この順番で一度も能力を解かずに占ってほしい。」

ライアンは何個か単語が書かれた紙を鈴華に渡す。

 「無理です。能力を解いて調べるならまだしも、能力を解かずにとなると…。」

 「何を言っとるんじゃ!」

ライアンが鈴華の肩を叩きながら話す。

 「それだと、ただの占いの能力と同じじゃろう。何のためのアルカナじゃ?占いのように断片的にでもなく、未来を見る能力のように一部だけではないようにするために有るのが運命のアルカナじゃよ。」

その話を聞き俊哉がボソッと声を出す。

 「未来は変えるもの。」

 「その通りじゃ。たかが占いがアルカナの能力の理由は未来を確実に変えるため。」

あまりよくわかっていない鈴華。

 「まぁ、よい。いいからそいつを能力を解かずに調べんかい。それが終わった時全てがわかるぞ。鈴華ちゃんたちがどうしてワシと会ったのか。そして運命のアルカナの能力の本当の使い方をのお。」

 「さて、鈴華ちゃんが頑張っとる間海斗、お主も修行をつけてやる。ついでじゃ。」

そういい海斗と俊哉を連れ外に出る。

 「まぁ、あれじゃ。海斗よ、とにかく一度ワシに今のお主の塔の能力を見せてみい。行くぞー!」

突然ライアンの周りの石や砂、岩などが一つに塊大きな岩となった。

 「これを防いでみい!」

ライアンは半径二メートルはあるんじゃないかというくらいの大きな岩を海斗に向かい投げた。
急いで塔の能力を使って防ぐ海斗。
海斗の目の前に大きな透明な壁のような物ができる。

 「これは余裕か。なら、これはどうじゃ。」

ライアン周りの無数の石が回転しながら全方向から海斗を襲う。

 「これも防ぐか。なら、これならどうじゃ。」

ライアンが何もない所から何かを具現化させる。。

 「アルカナ同士の衝突は所持者のステータスによって勝負がつく。老いぼれに負けるなよ!」

具現化させたのはなんと死神のアルカナだった。
海斗の作った壁がすんなりと破壊される。大きな岩を防いだ壁がまるで豆腐のようにもろく見えた。

 「体力作りか。」

鈴華に渡したようにライアンは紙に何かを書き海斗に渡した。

 「海斗、お主はこのメニューをこなせ。一日やるだけでも変わる。さて、次は俊哉じゃな。」

そういい俊哉を連れまた少し歩かされた所へと向かった。

 「悪いがお主の能力をどうこうできるほどの知識はワシにはない。かといって、愚者のアルカナカードは能力の強化というものはない。そうじゃなー。」

なぜか申し訳なくなってくる俊哉。

 「そうじゃ、お主アルカナは何個使えるのじゃ?」

 「何個と言いますと?僕は愚者のアルカナカードしか使えませんが。」

なぜか呆れた顔をされた俊哉。

 「お主そんな事も知らんのか。いいか、アルカナカードとはそもそもある者の旅を書いたものだ。運命、塔、死神。これらは一つの旅の執着地点じゃよ。じゃが、愚者はまだ、始まったばかり。」

 「と、言いますと?」

理解できず首をかしげる俊哉。

 「よいか。愚者は物語じゃ。そしてスタート地点。これが示す答えは一つ。何にでもなれるってことじゃよ。執着地点は自分で決めよ。」

 いっている意味が分からなかったが、とにかく納得するしか選択肢はなかった。


 「リーゴ!」

何だかんだで仲の良かった優花がリーゴに別れを告げる。

 「あんた、これからどうするのよ?」

 「師匠の、ライアンさんの墓にでも行くよ。願いが叶えれないことを報告しないとね。」

 「そっか。またどこかで会えるといいね。」

 「そうだな。無茶はするなよ。俊哉の事、ばれたら確実にお前にも何かされるからな。」

 「わかってる。へまなんてしないから。」

そういい、二人は別れを告げた。

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