異世界破壊のファートゥム
37話 愚者のアルカナカード
 「女帝のアルカナだと…。」
やけにオーバーな反応をする鈴華。
 「海斗今すぐに!」
 「ざんねーん。遅かったね。
ねえ、私の変わりにあの女懲らしめてよ。」
あきの言葉をちゃんと聞く奴隷のごとく海斗は鈴華を殴り始める。
 「なにしてんだよ!海斗。何で鈴華を殴るんだよ。」
 「それはね、私の女帝のアルカナの効果なの。」
 「効果ってなんだよ!」
 「対象の奴隷化。それが女帝の能力。俊哉はそこで大人しくみ、て、て、ね!」
海斗が鈴華を殴り続ける異様な光景をただただ見てるしかできない俊哉は、自分でも気づかないうちにアルカナに頼ろうとしていた。
 「発動しろ、発動しろ、発動しろよ」
必死に発動させようと集中する俊哉。
 鈴華の意識がだんだんと薄れていっているのが一目でわかる。
早くしないと、何で出てこない。そんな事を考えるたび、発動までの感覚が消えていく。
 「どうしたら…くそまた肝心な時に俺は。」
 「貴方はどうして力を欲するの?」
目の前の景色が変わる。地平線のさらに向こうどこまでも続く高原。
 「ここは…。」
 「ねえ、貴方はどうして力を欲するの?」
少女の声。
 「俺は…。」
言葉を発したその瞬間、辺りが火の海へと変わる。
 「あつ!いや、熱くない。なんだよこれ。」
混乱する俊哉。
 「力を持つということはそれだけの責任を負うということ。」
また少女の声が聞こえる。
 「何が言いたい。」
沈む。どこまでも。終わりがない。段々と暗くなっていく。
草原にいた俊哉はいつの間にか海に沈んでた。
 「貴方はそれが耐えられる?」
 「何が言いたい。」
落ちる。どこまでも。底が見えない。どこまでも続く空の景色。
どんなに時間がたっても底が見えない。それくらい高い所から落下している俊哉。
少女が何かを言う度に周りの景色が変わる。
 「貴方は愚者。おバカな愚か者。」
また景色が変わる。どんなに歩いても終わりのない樹海。
 「愚か者はいつも1人。孤独な旅をする。」
景色が変わる。次の景色は家具が何も置かれていない部屋にイスがポツンと。
俊哉はただそこに座っているだけ。
  「仲間なんていない。ただ一人。共感してくれる人も同情してくれる人もいない。」
次は、川にただ流されていた。助けもなく。一人もがきながら。
 「貴方のたどる道はいつも一人。それでも進むの?」
再び高原へと戻ってきた俊哉の前には麦わら帽子とワンピースの女の子が立っていた。
 「力を手に入れれば貴方は一人となる。孤独となる。今の貴方には沢山の仲間が、友達がいる。それらを全て捨ててまで欲するの?」
 「力を手に入れたら孤独になるってどういうことだよ。」
少女がゆっくり近づいてくる。
 「愚者。皆から意味嫌われる。それが愚者。ゆえに愚か者。」
 「だから!」
 「今まで、皆最後は一人孤独になった。貴方にはそれに耐えられる?一人一人周りから人が減っていく恐怖に。」
よくわからなかったがとにかく言いたいことだけは言っておこうと決めた俊哉。
 「お前が何を言ってるのかは俺にはいまいちわからない。でも、これだけは言える。俺の周りのやつらは俺を一人にするようなやつじゃねえ!」
 「また一人孤独な者を生んでしまう。終わりのない旅に向かう者がまた。」
少女はとても悲しそうだった。
 「わかりました。貴方に愚者のアルカナの使い方を教えてあげる。それとこれは私からのプレゼント。貴方の本当の能力の事を教えてあげる。」
 「えっ!?」
 「貴方の本当の能力は、世界せ…。」
ハッと気がつくと元の場所へと帰ってきていた。横には意識の無くなりそうな鈴華と、鈴華を殴り続ける海斗が。目の前にはあきが。
 「俊哉助けて。」
助けを求める海斗。
 「あら、完全にコントロールはまだ出来てなかったのね。案外難しいのね。アルカナって。でも、意識がはっきりしているのにやりたくもないことを強制的にさせられる苦しみ。なんて鬼畜。」
笑うあき。俊哉は確信した。あきの頭のネジは完全に緩んでいるということを。
 「そろそろ私も仕事をしないと。じゃあ死んでくれないかな?俊哉。」
草薙剣をもってこちらへと向かってくるあき。
「ごめんあき俺はまだ死ねないわ。」
俊哉は愚者のアルカナカードを見せつける。
 「使えもしないもので何をする気?」
 「こうするんだよ。」
俊哉の持っていたアルカナカードが消えていく。その瞬間周りの能力、アルカナ能力の効果が消えた。
 「私の邪魔をするんだ。俊哉は。」
 「あぁ、例え俺のためであっても邪魔させてもらう!」
あきと俊哉が睨み会う。
 「いいは、もう飽きちゃったし。」
帰ろうとするあきを鈴華が止める。
 「鈴華!」
その瞬間海斗が叫んだ。
 「逃がしてもらえるのならそれに越したことはないだろ。今の僕たちじゃ勝てないよ。彼女には。」
 
俊哉との戦いの後、あきは優花と話していた。
 「あき、どうだった?俊哉君は。」
 「ちゃんとアルカナを使えるようになったよ。」
 「そう。じゃあ次は能力ね。」
 「またあの変なキャラ演じないといけないの?」
 「いや、いいわ。次は私が行くから。もっと強くなってもらわないと死んじゃうものね俊哉。」
 「恋愛のアルカナの能力はそこまでわかるのね。」
やけにオーバーな反応をする鈴華。
 「海斗今すぐに!」
 「ざんねーん。遅かったね。
ねえ、私の変わりにあの女懲らしめてよ。」
あきの言葉をちゃんと聞く奴隷のごとく海斗は鈴華を殴り始める。
 「なにしてんだよ!海斗。何で鈴華を殴るんだよ。」
 「それはね、私の女帝のアルカナの効果なの。」
 「効果ってなんだよ!」
 「対象の奴隷化。それが女帝の能力。俊哉はそこで大人しくみ、て、て、ね!」
海斗が鈴華を殴り続ける異様な光景をただただ見てるしかできない俊哉は、自分でも気づかないうちにアルカナに頼ろうとしていた。
 「発動しろ、発動しろ、発動しろよ」
必死に発動させようと集中する俊哉。
 鈴華の意識がだんだんと薄れていっているのが一目でわかる。
早くしないと、何で出てこない。そんな事を考えるたび、発動までの感覚が消えていく。
 「どうしたら…くそまた肝心な時に俺は。」
 「貴方はどうして力を欲するの?」
目の前の景色が変わる。地平線のさらに向こうどこまでも続く高原。
 「ここは…。」
 「ねえ、貴方はどうして力を欲するの?」
少女の声。
 「俺は…。」
言葉を発したその瞬間、辺りが火の海へと変わる。
 「あつ!いや、熱くない。なんだよこれ。」
混乱する俊哉。
 「力を持つということはそれだけの責任を負うということ。」
また少女の声が聞こえる。
 「何が言いたい。」
沈む。どこまでも。終わりがない。段々と暗くなっていく。
草原にいた俊哉はいつの間にか海に沈んでた。
 「貴方はそれが耐えられる?」
 「何が言いたい。」
落ちる。どこまでも。底が見えない。どこまでも続く空の景色。
どんなに時間がたっても底が見えない。それくらい高い所から落下している俊哉。
少女が何かを言う度に周りの景色が変わる。
 「貴方は愚者。おバカな愚か者。」
また景色が変わる。どんなに歩いても終わりのない樹海。
 「愚か者はいつも1人。孤独な旅をする。」
景色が変わる。次の景色は家具が何も置かれていない部屋にイスがポツンと。
俊哉はただそこに座っているだけ。
  「仲間なんていない。ただ一人。共感してくれる人も同情してくれる人もいない。」
次は、川にただ流されていた。助けもなく。一人もがきながら。
 「貴方のたどる道はいつも一人。それでも進むの?」
再び高原へと戻ってきた俊哉の前には麦わら帽子とワンピースの女の子が立っていた。
 「力を手に入れれば貴方は一人となる。孤独となる。今の貴方には沢山の仲間が、友達がいる。それらを全て捨ててまで欲するの?」
 「力を手に入れたら孤独になるってどういうことだよ。」
少女がゆっくり近づいてくる。
 「愚者。皆から意味嫌われる。それが愚者。ゆえに愚か者。」
 「だから!」
 「今まで、皆最後は一人孤独になった。貴方にはそれに耐えられる?一人一人周りから人が減っていく恐怖に。」
よくわからなかったがとにかく言いたいことだけは言っておこうと決めた俊哉。
 「お前が何を言ってるのかは俺にはいまいちわからない。でも、これだけは言える。俺の周りのやつらは俺を一人にするようなやつじゃねえ!」
 「また一人孤独な者を生んでしまう。終わりのない旅に向かう者がまた。」
少女はとても悲しそうだった。
 「わかりました。貴方に愚者のアルカナの使い方を教えてあげる。それとこれは私からのプレゼント。貴方の本当の能力の事を教えてあげる。」
 「えっ!?」
 「貴方の本当の能力は、世界せ…。」
ハッと気がつくと元の場所へと帰ってきていた。横には意識の無くなりそうな鈴華と、鈴華を殴り続ける海斗が。目の前にはあきが。
 「俊哉助けて。」
助けを求める海斗。
 「あら、完全にコントロールはまだ出来てなかったのね。案外難しいのね。アルカナって。でも、意識がはっきりしているのにやりたくもないことを強制的にさせられる苦しみ。なんて鬼畜。」
笑うあき。俊哉は確信した。あきの頭のネジは完全に緩んでいるということを。
 「そろそろ私も仕事をしないと。じゃあ死んでくれないかな?俊哉。」
草薙剣をもってこちらへと向かってくるあき。
「ごめんあき俺はまだ死ねないわ。」
俊哉は愚者のアルカナカードを見せつける。
 「使えもしないもので何をする気?」
 「こうするんだよ。」
俊哉の持っていたアルカナカードが消えていく。その瞬間周りの能力、アルカナ能力の効果が消えた。
 「私の邪魔をするんだ。俊哉は。」
 「あぁ、例え俺のためであっても邪魔させてもらう!」
あきと俊哉が睨み会う。
 「いいは、もう飽きちゃったし。」
帰ろうとするあきを鈴華が止める。
 「鈴華!」
その瞬間海斗が叫んだ。
 「逃がしてもらえるのならそれに越したことはないだろ。今の僕たちじゃ勝てないよ。彼女には。」
 
俊哉との戦いの後、あきは優花と話していた。
 「あき、どうだった?俊哉君は。」
 「ちゃんとアルカナを使えるようになったよ。」
 「そう。じゃあ次は能力ね。」
 「またあの変なキャラ演じないといけないの?」
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