異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

35話 組織

 「ここは?天国では…なさそう。お花畑とかないし。なら、地獄?いやいや、俺そんな悪いことした覚えないし。つか、ここどう見ても家じゃん!」

目を覚ました俊哉は知らない家にいた。

 「やっと起きたのね。私は鈴華。」

 「あ、俺は海斗ね。」

軽そうな男が鈴華後ろからひょっこりと出てきた。

 「俺は、俊哉って言います。あの、どうして俺はここに?」

 「世界の真ん中で倒れてたから、拾ってあげたのよ。」

 「違うでしょ!運命の…ウンン。」

何かを言おうとした海斗の口を慌てて手でふさぐ鈴華。
海斗の耳元で俊哉に聞こえないように話す。

 「要らないことは言わなくていいの。」

 「ねえ、世界の真ん中ってなに?」

鈴華は少し呆れた感じで説明してくれた。
どうやら、この世界には東西南北の4つの国で分けられていてその国の回りには海、樹海、雪山、砂漠の特徴的な4つで分かれているらしい。その真ん中、俊哉が倒れていたのはちょうど真ん中で特徴が得にない一番安全な所だったと言うことがわかった。

 「それより、どうして俺を助けてくれたの?」

鈴華が食らいついてくる。

 「貴方、パンドラの鍵の有りかを知って要るわよね。その場所を知りたいの。助けて上げたんだから教えなさい。」

上から目線の鈴華に海斗が怒る。

 「ダメじゃないか!そんな言い方したら教えたくても教えたくなくなるよ!もっと優しく言ってあげないと。」

 「あの、鍵なら俺が今持ってるんですけど…。」

 「ほら、優しく聞いたら教えてくれた。今俊哉が持ってるって。待ってる…」

 「えーー!」
 「えぇ~~!」

鈴華と海斗が外まで声が聞こえるくらい大きな声で驚く。

 「やったね。目的一つ果たしたよ。」

喜ぶ海斗が俊哉にもう一つ質問する。

 「ねぇ、ねぇ、愚者のアルカナカードの所持者のヒントが君って出てきたんだけど、なんか知らないかな?」

 「ヒント?」

頭を傾げる俊哉に鈴華が説明をする。

 「私のアルカナカード、運命の力。知りたい特定の事を教えてくれるの。占いみたいなものよ。」

 「愚者のアルカナカードなら、ここに。所持者が俺かはわかりませんが。」

えー!と再び大きな声で驚きながら倒れる鈴華。
倒れた鈴華に海斗が駆け寄る。

 「鈴華、鈴華、どうしたの?」

 「もう、予想を越えすぎてて…。俊哉って何者よ。」

ガク!
驚きすぎた鈴華は気を失ってしまった。

 「ねえ、ねえ、俊哉くん。鈴華が起きるまで膝枕してあげてくれないかな?」

 「どうして?」

 「そんなの。面白いからだよ。」

海斗に言われるがまま鈴華を膝枕した。
30分位して鈴華が意識を戻す。

 「ごめん。海斗ちょっとテンパりすぎちゃって。」

目を覚ました鈴華は膝枕してくれていたのが海斗だと勘違いしていた。

 「あの、鈴華さん。海斗じゃなくて、俊哉です。」

顔を赤くし、俊哉を押し飛ばすと恥ずかしそうに物陰に隠れる鈴華を見て海斗が1人爆笑をしていた。

 「本題に入るわよ。」

何事も無かったかのようにしきり始める鈴華。

 「まず、俊哉君。あなたの持っているその鍵を渡しなさい。」

突然の事で混乱する俊哉。

 「ごめん。それは出来ない。これはリカから預かったもので。約束したんだ。」

 「リカって言うのはもしかして幼女のことかしら。」

 「そうだけど。」

鈴華の口から思いもよらない言葉に反応を失う。

 「そのリカって子は貴方がつけた名前かしら。そもそもあの子に名前なんて無いのだからね。あの子はパンドラの鍵を守ってくれる人が現れるまでの一時的な保護プログラムのようなもの。その約束っていうのがなにかはわからないけどたかがプログラムの言ったこと。使命感何て何の意味もないのよ。」

 「リカだけじゃない。ダスピクエットにも言われてるんだ。鍵は貴方が持っていろって。」

ダスピクエットという名前にさらに驚く鈴華。

 「ダスピクエットって言ったら、傲慢の魔女じゃない!ありえない!7人の魔女はみなパンドラの箱の中にいるはず。関われるはずが…。でも、もし本当だったら。てか、あんたホントに何者なのよ。」

 「とにかくいろんなやつから鍵を持ってるようにって言われたんだ。だから、渡せない。」

 「はぁー。そこまでいうならいいわ。力ずくで奪うまで。あなたの個人的な意見で戦争なんて起こされてもたまらないのよ。」

 「戦争?」

 「あんたホントに何にも知らないのね。」

呆れすぎてため息しか出てこない鈴華が説明をする。

 「いい、その鍵を狙って四つの組織が戦争を起こすことになる。一つは黒魔術師団、もう一つは、12星座を持つものたち。もう一つが、四つの国が作る同盟、最後が未知の戦力。」

 「未知の戦力?」

 「こればかりはわからないのよ。いくらアルカナで調べても答えが出てこないの。ヒントすら出ない。だから、未知。」

 「そういう事だから、その鍵もらうわね。どうやらアルカナカードも満足に使えないみたいだし。」

ちゃっかりアルカナで調べる鈴華。

 「海斗できるだけ早く終わらせてね。」

 「ごめんね。俊哉君。そういうことだから。痛い思いしたくなかったら大人しく出してくれないかな?鍵。」

そういうと海斗はポケットから塔のアルカナカードを出した。

 「お前ら二人ともアルカナ所持者かよ!」

無防備な俊哉に突進してくる海斗。

 「いきなり、なんなんだよお前らよー!」

その瞬間俊哉の体から覇気のようなものが出る。

 「海斗!一回距離とってなんかおかしい!」

海斗をサポートする鈴華。

 「いや、このまま行く。」

突進をやめない海斗のスピードか減速する。
俊哉は、減速した海斗を軽く避けて横腹に蹴りを一発入れる。

 「おかしい。アルカナカードが、能力が、使えなくなってる。」

驚く海斗に鈴華がいう。

 「これはどう考えても愚者の能力よ。おかしい。使えないはずなのに…。」

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