異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

27話 戦いの予兆

晋次と啓吾と異世界で合流した後リカの召喚の準備をすることになった。

 「俊哉じゃあ始めるよ。その子の名前を教えてくれ。」

啓吾に名前を教え後は召喚が終わるまで待つ。それだけのはずだったのに…。

 「俊哉もう一回聞いて言いかな?その子の名前」

啓吾に同じ事を聞かれさ、っき伝えた名前をもう一度言う。

 「ごめん。そんな子能力者にはいないわ。」

リカと言う名前は俊哉がその場で決めた名前で、本当の名前とは違う。故に召喚することはできなかったらしい。

 「ごめん。力になれなくて。」


 「俊哉さん、俊哉さん聞いてますか?」

 「あ、ごめん。優花さん。」

啓吾の召喚ができないとわかった俊哉は優花に会いに行っていた。

 「何の話だっけ?」

 「ですから。リカちゃんから貰った鍵です。」

 「あー、鍵ね。」

優花にリカから貰った鍵を見してほしいと言われ見せることにした。
なにやらブツブツと独り言を言った後に返してくれた。

 「それで、俊哉さん。今日は何を致しますか?」

 「今日は…」

それからは優花と他愛のない会話を夜までした。

 「俊哉さん。今日は一日元気が無いように見えましたが何か合ったのですか?」

 「そんな風に見える?」

 「見えますよ。」

優花の言葉に自分の感情を理解されられる。

 「わかるんだね。」

少し悲しい顔で何気なく言った言葉に優花が強く言い返す。

 「当たり前です!どれだけ空元気を装っていてもわかりますそれくらい。」

優花が元気の無い俊哉を見てられず抱き締める。

 「無理はよくないですよ。私で良ければお話聞かせてください。」

強く抱き締められた腕に答えるかのように俊哉も優花を強く抱きしめ半泣きになりながらリカのどうしようも出来なかった出来事を話す。

 「名前ならいつか分かりますよ。何せ少しは有名だった子ですよ?必ず誰かが知ってます。」

リカはドールハウスの一件で少しは有名になっていた。

 「私も手伝いますから。頑張ろ、お父さん。」

お父さん。その言葉にほんの一日だったけど沢山の思い出を作った。と言うことを再確認した俊哉は自分の無力さと、優花の優しさ、そして優花の温もりに堪えてた涙が溢れだしてしまった。

 「おれ、おれ、すごい無力だ。」

 「何を言ってるんですか。あなたほど強い人はいませんよ。他人のために涙を流せるなんて…」

そのままどれくらいの時間がたったのだろうか。俊哉はただただ優花の胸の中で泣いていた。

同時刻 北の国 アールジランド

 「おい、親父。俺はそろそろ動くぞ。」

 「まだその時ではない。」

 「王子、いけません。」

多数の兵隊に止められながらも何処かへ向かおうとする王子。

 「オルガン様、王子様を共に止めてください。」

 「お前は何のために動くつもりだ。ニコラス。」

 「俊哉って言うくそ偽善者を殺しに行くんだよ。あいつのお人好しって感じが気に入らねえ、強い能力が有るくせにもっと大きい事に使おうとしない。」

ニコラスは俊哉への殺気をバンバン出しながらアールジランドを出る。

 「王、よかったのですか?」

 「よかったも何も、悪いに決まっておろう。最悪じゃわい。」

オルガンはイライラして壁を一発殴った。
そこにいた兵士たちは驚いた。たった一発なのに壁がボロボロになっていたからだ。

 「偽善者ぶってるあいつの本城見てやるよ。クソッタレが。」


泣きつかれ寝てしまった俊哉が起きる。

 (なんだろう。すごくいい感触。スベスベしてて、柔らかくて。)

気になって見てみると目の前には太ももがあった。

 「俊哉さん。結構大胆なんですね。」

笑いながら言っているが確実に怒っている。

 「あ、いや、これは…ごめんなさい。」

優花の笑顔がとても怖くて謝ることしか出来なかった。

 「せっかく膝枕してあげたというのに!」

 「男性のロマンをありがとうございます。」

 「寝起きに女性の太ももをエッチな感じで触るのも男のロマン。ってやつなのですか?」

殺気がチラチラと顔を出している。俊哉には分かる。これはボケれないと言うことが。

 「まぁ、はい。そうなりますかね。」

 「そうですか。俊哉さんも所詮は他のおサルさんと同じなのですね。もう一回寝かしてあげますよ。」

そういい笑い出す優花。謝ろうとする俊哉に容赦なく能力で懲らしめる。

(あ、これ死ぬやつ。下手したら死ぬやつだから。)

優花は水のたまを俊哉の顔に作り息ができない状態を作り出した。段々と酸素が足りなくなり苦しくなっていく。

 「俊哉さんのオタンコナス!」

(あ、これもう無理だわ。)

コボ!という音をたてて俊哉が気を失う。

 「エッチなことするからいけないんですよ。」

そういい、俊哉にまた膝枕をしてあげた。

 「起きましたか?」

 「すいませんもう二度としません。」

 「お花。」

俊哉が起きた頃には辺りはもう真っ暗になっていた。

 「もう暗いので明日でもいいですか?」

嬉しそうにする優花を見て少し安心する俊哉。

 「ええ。では、また明日。久しぶりのデート楽しみにしてますね。」

その言葉にテレて二人はそそくさと帰っていった。

 「ピクシス!」

 「はい。ノア様。」

ノアに呼び出された優花。

 「鍵はどうだった。」

 「間違いなくパンドラの箱の鍵でした。」

 「そうか。ではこれより作戦は第2段階へと移行する。そう戦力で鍵を手に入れる。いいな?」

 「は!」

部下たちが声を揃えて言う。

その中で一人リーゴだけが別の事を考えていた。
(俊哉くん。早く愚者のアルカナカードを使えるようになってくれ。じゃないと君は確実に殺ぬ!)

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