異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

17話 花

綺麗だ。青い髪をした優花と沢山の色をした多くの花がなんとも言えない美を出している。

 「あなたはどうしてここに?」

優花に見とれて質問を右から左へ受け流す俊哉。

 「あの、聞いてますか?」

 「あっすいません。」

恥ずかしそうに顔を赤くした後ここに来た理由を簡単に説明した。

 「ここで待ち合わせをなさっているのね。」

 「そうなんです。」

 「お相手の方は?」

 「まだ来てなくて。」

 「なら、少しお話でもしませんか。こんなところで人と会うのは久しぶりなので。」

流れでリーゴが来るまで一緒に話すことにした。花に関する話を聞かされた。花の種類や花言葉、花の育て方など。

 「どうして優花さんはこんな所にいるの?」

 「私花が大好きなんです。ここは花が沢山咲いているので嫌なこととかがあった時とかここに来て癒されてるんです。」

 「そうなんですか。」

そんな他愛のない話をしていると、優花の口から思いもよらない単語が出てくる。

 「私能力者なんです。水を産み出したり、操ったりする能力を持ってるんです。その能力を使ってここのお花たちの世話などもしてるんですよ。」

そういうと目の前で能力を披露してくれた。

 「俊哉さんは能力者はお嫌いですか?」

 「そんなことないですよ。」

 「よかった。」

 「実は俺も能力者なんです。」

 「そうなのですか?いったい俊哉さんはどんな能力を使うのですか?」

そう言われ、何の能力を出そうと考えた時、ふとキテラと話していた事を思い出す。要塞攻略を終えてキテラと話していた時、俊哉の持っている能力は、一度見た能力、発動の仕組みを知った能力、それらを自分も使えるようになると言う能力だと言うことを教えてもらったことを思い出した。見よう見まねで水を出す自分を想像する。すると、

 「すごい!水が出てきた。もしかして俊哉さんは私と同じような能力を?」

 「そんな感じです。」

口が滑った!

 「でもおかしいですよね。能力は同じものは存在しないんですよ?」

やらかしたと思った。例え戦いに関係なさそうな人でも能力が複数使えるのは知られたくないかった。
(だって、それってチートじゃん?強いアピールとか恥ずかしいし)

  「なんてすごい能力なの!
もしかしてゲートの能力とか使えたりしますか?私町に行きたいのですがここからだと遠くて。」

興奮した優花が唐突に質問してくる。

 「使えないですね。でも仕組みとかさえ教えてくれればもしかしたら。」

 「そんなに詳しくはないですけど…わかると思います。」

そう言って優花は自分が知っているゲートの能力の事を全て教えてくれた。俊哉は目を瞑る。

(まずイメージ。どこを目指してるかの。ゴールはどこなのかの。次に目の前にどんな形でもいいからゲートを作る。まぁ、丸でいいや。そうしたら最後に今いる場所とゴールの場所を繋ぐ。)

 「すごい。できてきてますよ。」

優花の嬉しそうな声にがぜんやる気が出る俊哉。

 「できた!」

オーラの町と今いる花畑を繋ぐゲートが完成した。

 「やったー。あの、よかったら。デートとかしませんか?」

優花に誘われる。優花とのデートがしたい俊哉はリーゴの事を忘れオーラの町へ向かった。雑貨を買ったり、花店で花を見たり。いろんな店を回った。時間はあっという間に過ぎてしまい。夕方になったころ

 「私そろそろ戻らないと。」

もっと優花と一緒にいたかったが、止めるほど仲良くなった訳でもないので花畑までゲートを繋いであげることにした。

 「あの、これ今日のお礼です。」

そう言って優花は花の入っているしおりをくれた。

 「このしおりに入っている花はサネカズラって花で、花言葉は再会です。また会いましょうね。いつでもあのお花畑にいますから。」

そう言い残し優花はゲートで帰っていった。

 「俊哉君やっと見つけたよ。なにその顔キモいよ?」

突然現れたのはあきだった。にやけた顔を無理やり戻し、あきに訪ねる。 

 「どうしたの?」

 「リオンさんが呼んでます。」

あきと共にリオンの元に向かった。

 「俊哉君急に呼び出してすまない。言いたいことが2つあってね。まず1つは君が助けた要塞地下の奴隷売買に関係していた多くの人たちの事。彼らは無事保護することができたよ。そしてもう1つ、王都バグローズで、姫様が君に会いたがっている。」

 「姫?どうしてまた?」

 「今回の要塞での事を評価されての事だろう。」

姫、そしてリオンの真剣な顔。この2つからとても大切なことなんだと察する俊哉は拒否権が存在しないことを知る。

 「いいですけど、その王都バグローズがどこにあるのか知らないんですけど…」

 「それは大丈夫。僕も一緒に行くからね。」

 「それなら。」

 「それで、1つ提案なんだが、あき!君も一緒に行かないか?」

 「私もですか?」

露骨に嫌がるあきを見て俊哉が助け船を出した。

 「あきは必要ないですよ。呼ばれていたのは僕だけでしょ?」

自分では完璧な事を言ったつもりだったのだが、何が気にくわなかったのか

 「なにそれ?私も行きます。リオンさん。」

 (あれ?俺の助け船意味なくね?何で?)

こうしてリオンとあきと王都バグローズに向かうことになった。

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 「すまない。待たせたね。ピクシス」

 「いいのですよ。カリーナ。」

 「どうしたのですか?機嫌がとてもよろしいようで。」

 「今日お友達ができましたの。」

 (こんなお花畑で?もしかして俊哉が来ていたのか?)

 「そのお友達って…」

 「今回だけは内緒ですは。ウフフ。またお会いたいですは。」

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