異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

9話 最悪のコンビ結成

自分の他にも異世界人がいることに喜びを感じる俊哉と、まったく俊哉と話す気のないあきのグダグダした会話はまだ続いていた。

 「あきさん、でいいのかな?苗字は何て言うの?」

 「同じ学年なのにわからないなんて。これだから無知は嫌いなんです。一度しか言いませんから。私の名前は…」

あきが自分の名前を言おうとしたときタイミング悪くリオンが帰ってきた。

 「あきとは挨拶したんだね、ちょうどいい。俊哉君も少しは強いんだ。回りのやつに実力を見せつけるって訳でわないけど、あきと戦ってはみないか?」

 「はぁ?どうして、いきなりそうなる?」

 「私はいいですよ。素振りも飽きてきた頃ですから。それに、こんな弱いやつに負けるなんてあり得ないですし。」

 「さっきから弱い、弱いって。なんなんだよ!いいぜやってやる。ただし能力は使わせてもらうぜ!」

俊哉の能力という言葉に回りの者たちがざわつく。能力者は人数が決まっているから普通の人なら当然の反応のはず。
はずなのだが………

 「いいですよ。能力ありで構いません。全力で来てください。宝の持ち腐れだって教えてあげますよ。」


 「言いやがって、後悔しても知らねえからな!」

リオンの「始め!」という掛け声で勝負が始まった。
先に仕掛けたのは俊哉だった。頭に血が上ってたのか冷静な判断でわなかった。いきなり
銃を構えあきに向かい何発も撃ちまくる。殺す気で仕掛けた。
あきは近くにあった盾で弾丸を防ごうとした。弾丸が盾に触れる。
その瞬間リオンの能力が発動する。
盾には大きな穴が開いた。
それを見たあきは少し動揺はしたがすぐに顔つきが変わる。
残りの弾丸をどこからか出してきた刀で切る。
その勢いのままあきは俊哉に向かい何本も刀を投げつける。
俊哉はうまく避けるが何本か避けきれず傷をおう。
そのうちの一本が横腹に刺さり致命傷となる。
痛みをこらえながらも刺さった刀を抜くと同時に治癒能力を使う。回復を終え前を向く。
あきが刀を片手に迫ってくる。
勝負が決まった。
恐怖を感じ少し反応が遅れたその一瞬にあきの刀が首に触れる。距離を取ろうと後ろに一歩足を引くと何かに当たった。
後ろを振り向くと無造作に投げられた刀が重なりあい壁のようになっていた。
どうすることもできず完敗だった。

 「能力ありでもその程度ですか。やはり弱いですね。」

呆れてどこかへ去っていくあきを俊哉はただ睨むことしかできなかった。

 「どうだい?あきは。強いだろ。彼女も能力者だからね。もしかしたら僕より強いかもしれないよ。」

リオンが笑いながら話しかけてくる。

 「まぁ、彼女は強さを求めてるからね。強者こそ正義って考えてる子だから。彼女より強くなれば君も認めてもらえるよ。頑張りたまえよ少年。強くなりたいか?」

 「なりたいです。あいつよりも強く。」

 「なら、決まりだね。ようこそ我が白魔術師団に。歓迎するよ。」

 「白魔術師団?」

 「そうだよ。白。僕らはオーラの街の警備、この街の王の護衛そして最後に、黒魔術師団の撃退と調査をしている。」

 「早速で申し訳ないんだけど黒魔術師団のアジトらしき場所を一ヶ所見つけてね。あきと一緒に行ってほしいんだけど頼めるかな?大丈夫!君は強い。それに、僕と同じくらい強いあきが一緒だから。」

 「ちょっと待ってくださいよ!私にこんな弱いやつと一緒に行動しろって言うんですか?」

どこかへ去っていったはずのあきが戻ってきた。

 「心配ないよ。今回はアジトの殲滅ではなくあくまで調査だから。この情報が本当かどうかだけ調べてくれればいいよ。調査だけなら俊哉君にも任せれるからね。回復に攻撃。両方の能力を持つ俊哉君なら良いサポートになると思うんだけれどもな?」

 「リオンさんが行けって言うなら俺は構いませんが…。」

 「ふざけないで!なんで私がこんな弱いやつにサポートされないといけないんですか!」

 「うるさいな。それ以上だだこねるなら俺もそろそろ怒るぞ?」

今まで優しい顔だったリオンが一瞬見せた怒りになにも言えなくなるあきと、それを見てびびる俊哉。

 「いいか?行けるな?」

 「わかりました。行きます。」

こうして俺とあきの仲の悪いコンビが結成された。

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