異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

7話 絶対な恐怖

 「ハァ、ハァ、ハァ。
くそがー!何もできなかった何も。」

俊哉は全方力で逃げていた。リオンさんをかついで、ただひたすらに後ろを振り返ることもせず。ただひたすらに。

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 「よくもここまでしてくれたよ。私の拠点のひとつをこんなにもめちゃくちゃにしてくれて。」

リーゴの表情はけわしく、言葉と表情は一致していなかった。言葉は冷静なのに顔はとても恐怖を感じる殺気にみちた顔だった

 「俊哉くん。ここはどうにかしよう。できるだけ時間を作る。だから逃げてくれ。」

リオンは恐怖を感じることなく敵に向かいにいっていた。

 「いや、一緒に逃げましょうよ!あんなの勝てるわけない!」

 「いいや、勝つ勝たないの問題じゃないんだよ。今は命を無駄にするかしないかの問題だ。君は逃げろ。あんなの二人でも勝てない。」

 「相談は終わりましたか?そろそろ拠点のお礼をしたいのですが。」

 「すまない。待たせたね。僕が相手になろう。」

リオンのその一言と同時にリーゴが仕掛ける。
どこから出したのかリーゴの手には死神のタロットカードが握られている。そのタロットカードを相手に見せたその瞬間!

  「ごふぅ。」

リオンはあり得ないほどの血を体から流し始めた。
何が起きたのかさっぱりわからない。

 「死神のアルカナの能力だよ。弱いねほんの少しつついただけでもう死にそうだよ。カスが調子乗ってるから痛い目みんだよ!」

リーゴの口調が変わる。
今まで感じたこともない殺気を感じた。どうすることもできず無意識にリオンをかついで町へと逃げ出した。

「逃げちゃうのですか?まぁいいですよ。今の貴方たちを殺してもつまらないですから。この借りは必ず返して上げます。それまでにせいぜい強くなってください。強くなった後にとてつもない絶望を教えて上げますよ。」

リーゴは追いかけてくることもなく何とか逃げきることができた。リオンを治癒で治しながら必死に町に急ぐ。

なにもできなかった。ただ逃げることだけしか。

それから数時間がたちリオンも完全に治った。

 「俊哉くん、いきなりで悪いのだけど僕と一緒にオーラの町に行かないか?」

オーラの町はリッカから一応聞いてはいる。この世界で3本の指に入るくらい大きな町で貴族が住んでいるとか。

 「漫画とかでよく栄えてるところだよね。まぁ、漫画みたいに貴族と知り合いに何てことはきっとないだろうなー。つまらん…」

 「何を一人でいっているんだい?漫画とは?」

 「あぁ〜、いやこっちの話」

特に行くあてもないし、大きな町には行きたかった拒む理由もないのでリオンの提案に乗った。

 「よかった。リーゴのこともあるしね。僕はオーラの町にある城の警備もしていてね。そこで一から修行しないかい?あいつといつ会うか分からない。その時のために少しでも強くならないと。死ぬ気なんてこれっぽっちもないからね。」

(たかが城の警備ごときにリーゴをどうにかすることなどできない。そんなやつらが沢山いる所でいくら修行したところで…。でも、なにもしないよりはましか。)

 「わかりました。お願いします」

 「じゃあ、行こうか。」

 「あ、その前に…」

ふと頭に出てきた。リオンの洞窟での発言。

 「この世に能力は2つ存在しない。でしたっけ?あれどう言うことですか?」

 「そうだね。忘れていたよ。この世には同じ能力は2つ以上存在することはない。かつてそんなことが起きたこともない。能力はそもそも数が決まっていて、その中に同じような能力もない。全て1つずつだよ。その中から能力に目覚めた人がその能力の一つを持っていく。そういう仕組みなんだよ。だから2つあるってことはないんだよね。」

 「ただ1つの例外を除いて。」

 「例外?」

 「昔ある一人の能力者がいた。その能力は自分の知っている能力全てを使うことができる。って能力だったんだよ。チートだよね。誰だっけな、能力者の名前は…キテラだっけな。
君はもしかしたらその能力の能力者なのかもね。彼女の後任者が君なのかも。全くいい能力だよ。」

全身に鳥肌がたった。なんとなく気づいてはいたのかも知れない。いいや、むしろあいつは教えてくれていた。

 「能力の数が決まってるっていいよね。何人いるかわかるってことだもんね。頑張って探せば全員見つけれるかも知れないよね。」

リオンが何を言っても耳に入ってこなかった。能力の話が衝撃しぎて。

 「俺の能力の前任者がキテラ…。」

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