異世界破壊のファートゥム

蒼葉 悠人

4話 旅立ち

 「リッカの能力!」

傷がみるみる治っていく中でやっと自分でもできることがあったと喜ぶ俊哉はなぜリッカと同じ力を持っているのかを気にすることもなく負傷した人たちの治療を始めた。

 「リッカ、まだ能力は使える? 」

 「まだあと数人くらいならいけると思います。」

 「わかった。手分けして治していこう。」

 「治すってなんですか?一刻を争います、とにかく俊哉さんは怪我をした人をみんな私のところに連れてきてください。」

突然意味のわからないことをいい始めた俊哉を落ち着かせ今できる最善のことをさせようと俊哉を動かすリッカの前で当たり前のように俊哉は治癒の能力を使う。

 「どうしてその力を…」

 「わかんない。でも今は二人で何とかするしかないよ。能力のことは終わったあと考えよう。」

二人で体力が無くなるまで必死に怪我をした人たちを治していく。全ての人を治し終わった時にはもう夜が明けていた。気をはりつめていた二人の緊張がとけ、疲れきった二人はその場で気を失ってしまった。

 「おーい!起きろー。おーい。」

聞き覚えのある声が聞こえてくる目の前には妹がいた。回りを見渡すと俺の部屋だった。

 「なーんか久しぶりにお兄ちゃんにあった気がする。変な感じ。」

 「早く起きないと遅刻するよ。お兄ちゃん!」

妹の言葉を理解するのに数秒かかった。どうやら現実世界に戻ってきたらしい。冷静になり、分かったことが一つあった。現実世界で一週間がたっていた。

 「異世界1日が現実世界で一週間とか。こんなんじゃ修行もやっていけないぞ?」

 「行ってきます。」
 
妹には久しぶりにあった感じがする。などというのをたくさん言われたが母親には特にそんなことを言われなかった。一体どういうことなんだろうと、無い頭で考えながら登校する。


 「出席とるぞー、俊哉ー。」

 「はぁい!」

 「何でかな、その声久しぶりに聞いた気がする。昨日も来てたよな?ちゃんと出席になってる。なんか変な気分なんだよなー。まあいい。」

先生が訳のわからないことを言っているのを聞きながら昨日の異世界での出来事を思い返していた。そんなことをずっと考えていると学校が終わった。不思議と授業内容はわかってしまった。まるで一週間の授業した記憶があるみたいだった。

帰り道、啓吾と晋次にも久しぶりに会った気がするなどと言われその事でたくさん弄られた。弄られているなか友達といつものような会話して帰るのがこんなに心温まるものなんだなと痛感した。

家につきいつものように寝るとキテラに会わされる。

 「どうだった?異世界1日目は」

 「最高だったね。何度死にかけたことか。そんなことはどうでもいい。なんなんだよ、みんなのあの反応は」

 「あなたは確かに現実世界で一週間存在していることにはなっている、でもそれはあなた自信ではない。あなたの存在を借りた私。だからじゃないかな?」

 「感覚までは私の力では誤魔化せないからね。」

 「難しい。意味わからん。」

 「そんなことよりー、そろそろ異世界二日目行ってらっしゃい。」

キテラの高いテンションに見送られ、起きたら目の前にはリッカがいた。起きた俺を見てリッカは抱き付いてきた。

 「よかった。本当によかった。このまま起きないんじゃないかって。一週間も寝たままだったから」

「おいおい、異世界1日で現実世界一週間じゃなかったのかよ?逆になってるぞ。どういうことだよ?そこら辺の設定ちゃんとしとけよ!」

 ?

「いや、こっちの話」

そのあとリッカと多くの話をした。寝込んでいた時のこと、突然使えるようになった能力のこと、そして今後のこと。どうやら森を抜けたところに大きな道が有り、その道を進むと大きな町に出ると言うことを知った。

この集落を、助けた恩人としてお礼にいくらかお金をもらうことができた。しかし、こちらのお金のことはわからないからそれがいくらなのかはよくわかんなかった。

そのお金を持ってリッカと森を抜け大きな道に出た。ここまで送ってくれたリッカにお礼とさよならを告げ大きな道をまっすぐ進むことにした。




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