異世界でもプロレスラーになれますか?
第30話 意外な強敵
初戦を勝ち抜き、俺は待機場所へ戻ってきた。一撃で終わってしまったのは少し物足りないが初戦だしこんなものだろう。勝てば勝つだけより強い相手が現れるだろうしな。
そして早速ムキムキの男に変身したリースとその義父であるグランのおっちゃんが駆け寄ってきた。
「竜平流石だな。この調子で頑張ろうぜ」
「なんや竜平!あっという間に決めてしまったのう」
俺だって結構接戦を期待してたんだけどな。相手ベスト4までいったことある選手らしいし、そもそもプロレスラーたるもの一方的じゃつまらないからな。
「まぁ今回は運が良かっただけだよ。今度からはそう都合良くは行かないっしょ」
次の相手は第1試合を勝ち抜いたグラヴィル・ロウ。試合を見た感じ、体術は相当のものだという印象だった。だが、正直に言うとまだまだ苦戦する相手とはとても思えないな。それほどに俺は強くなっているのだろう。
今回のトーナメント表によれば俺がヴィルフリートと対戦するとしたら決勝戦のみ。そして順当にいけば俺は4回戦でグランのおっちゃんと当たる。そしてリースは3回戦でヴィルフリートと当たるだろう。
色々話し込んでいるうちに第6試合まで決着がついたようだ。第7試合はようやくグランのおっちゃんのようだ。
「ほんじゃちょっくら行ってくるわ!少しまっとってくれや!」
そう言っておっちゃんは入場ゲートへと向かった。
相手はエルフォード王国の騎士団の新入りらしいが、グランのおっちゃんの迫力に圧倒されてか、数分でリタイアしてしまった。
うーむ、そんなんじゃ騎士団なんて務まらないぞ?
「ワッハッハ!あっけなかったのぉ!」
試合が終わり戻ってきたおっちゃんはご機嫌の様子だ。
「こんなんじゃ、次の相手も大したこと無いかもしれんな!」
なんて事を大声で叫んでいると早々におっちゃんの次の相手が決まったらしい。
『強い!早くも試合に決着をつけたのはこの男!正体はわかりませんが相当の実力者なのは間違いありません!勝者———ミスターフクロ!』
勝者を見るとそれは紙袋を被り、目の所だけ穴を開けた変人だった。全然強くなさそうだが、見た目で判断しちゃいかんだろうな。てかミスターフクロって……。リース並みにネーミングセンス無いな。
「次の相手はアイツかい、なんだ袋なんぞ被りおってふざけた奴やのう」
「でも初戦は相手をボディーブロー1発で倒しちゃったみたいですよ?あんまり油断しないほうが……」
「そうやな、見た目ふざけておるが身体を見る感じ、相当の鍛錬を積んどる。一筋縄ではいかなそうじゃ」
やはりこのおっちゃん、見るところはちゃんと見ているようだ。相手を侮るようなミスはしなさそうで安心したな。
「まぁワシにかかればあんな奴チョチョイのチョイと倒してやるがのう!ワッハッハ!」
……やっぱり心配だ。
◆
試合はどんどん進んで行き、14試合———ついにリースの番が回ってきた。
「出番だな、気合い入れてけよリ……マスラオ!!」
思わずまたリースと言いかけた。隣にいるのがリースのお父さんだから余計気をつけなきゃな。
「おー、行ってくるぜ!」
リースが入場ゲートへと向かったところでおっちゃんが口を開く。
「なぁ竜平、あのマスラオってにいちゃんは強いんか?」
「……ま、まぁまぁですかね」
そういえば俺はリースが戦っているところを未だ見た事が無かった。正直なところ実力は未知数。冒険者になったのも俺とほぼ同時期というところを鑑みるとそんなに戦い慣れしていないと思う。
俺の場合、女神に底上げしてもらったステータスのおかげで最初から結構楽出来ている。
まぁそれでも万能ってわけじゃないからな。
『それでは第14試合を始めます!東ゲート、過去の大会出場回数は2回。その妖艶なオーラから数多の男性を虜にしてきたグラマラスクイーン———ロザリア・リセル選手入場!!』
観客の中でも男性客が遥かに大きな歓声を上げている。確かにスタイル抜群のお姉さんだ。というかエロいな、うんエロい。あんなの反則級だろ。白魚の様な綺麗な肌、胸元を大きく開いたドレスからはスラリと伸びた美脚が男心をくすぐっている。
『続いて西ゲートからは———今大会初出場の為、情報は一切ありません!その鍛え抜かれた肉体からどんな技が繰り出されるのか!マスラオ選手の入場です!』
ロザリアの入場の時とは違い、女性客の歓声がとんでもないくらい大きく出ている。
まぁリースが変身してる奴、イケメンだし?体系もしっかりしててかっこいいよな。羨ましい。
『それでは試合……開始!!』
30話まで更新です。素人ですが、僅かでも読者がいらっしゃる事に驚きです。
ありがとうございます。これからも更新頑張ります。
そして早速ムキムキの男に変身したリースとその義父であるグランのおっちゃんが駆け寄ってきた。
「竜平流石だな。この調子で頑張ろうぜ」
「なんや竜平!あっという間に決めてしまったのう」
俺だって結構接戦を期待してたんだけどな。相手ベスト4までいったことある選手らしいし、そもそもプロレスラーたるもの一方的じゃつまらないからな。
「まぁ今回は運が良かっただけだよ。今度からはそう都合良くは行かないっしょ」
次の相手は第1試合を勝ち抜いたグラヴィル・ロウ。試合を見た感じ、体術は相当のものだという印象だった。だが、正直に言うとまだまだ苦戦する相手とはとても思えないな。それほどに俺は強くなっているのだろう。
今回のトーナメント表によれば俺がヴィルフリートと対戦するとしたら決勝戦のみ。そして順当にいけば俺は4回戦でグランのおっちゃんと当たる。そしてリースは3回戦でヴィルフリートと当たるだろう。
色々話し込んでいるうちに第6試合まで決着がついたようだ。第7試合はようやくグランのおっちゃんのようだ。
「ほんじゃちょっくら行ってくるわ!少しまっとってくれや!」
そう言っておっちゃんは入場ゲートへと向かった。
相手はエルフォード王国の騎士団の新入りらしいが、グランのおっちゃんの迫力に圧倒されてか、数分でリタイアしてしまった。
うーむ、そんなんじゃ騎士団なんて務まらないぞ?
「ワッハッハ!あっけなかったのぉ!」
試合が終わり戻ってきたおっちゃんはご機嫌の様子だ。
「こんなんじゃ、次の相手も大したこと無いかもしれんな!」
なんて事を大声で叫んでいると早々におっちゃんの次の相手が決まったらしい。
『強い!早くも試合に決着をつけたのはこの男!正体はわかりませんが相当の実力者なのは間違いありません!勝者———ミスターフクロ!』
勝者を見るとそれは紙袋を被り、目の所だけ穴を開けた変人だった。全然強くなさそうだが、見た目で判断しちゃいかんだろうな。てかミスターフクロって……。リース並みにネーミングセンス無いな。
「次の相手はアイツかい、なんだ袋なんぞ被りおってふざけた奴やのう」
「でも初戦は相手をボディーブロー1発で倒しちゃったみたいですよ?あんまり油断しないほうが……」
「そうやな、見た目ふざけておるが身体を見る感じ、相当の鍛錬を積んどる。一筋縄ではいかなそうじゃ」
やはりこのおっちゃん、見るところはちゃんと見ているようだ。相手を侮るようなミスはしなさそうで安心したな。
「まぁワシにかかればあんな奴チョチョイのチョイと倒してやるがのう!ワッハッハ!」
……やっぱり心配だ。
◆
試合はどんどん進んで行き、14試合———ついにリースの番が回ってきた。
「出番だな、気合い入れてけよリ……マスラオ!!」
思わずまたリースと言いかけた。隣にいるのがリースのお父さんだから余計気をつけなきゃな。
「おー、行ってくるぜ!」
リースが入場ゲートへと向かったところでおっちゃんが口を開く。
「なぁ竜平、あのマスラオってにいちゃんは強いんか?」
「……ま、まぁまぁですかね」
そういえば俺はリースが戦っているところを未だ見た事が無かった。正直なところ実力は未知数。冒険者になったのも俺とほぼ同時期というところを鑑みるとそんなに戦い慣れしていないと思う。
俺の場合、女神に底上げしてもらったステータスのおかげで最初から結構楽出来ている。
まぁそれでも万能ってわけじゃないからな。
『それでは第14試合を始めます!東ゲート、過去の大会出場回数は2回。その妖艶なオーラから数多の男性を虜にしてきたグラマラスクイーン———ロザリア・リセル選手入場!!』
観客の中でも男性客が遥かに大きな歓声を上げている。確かにスタイル抜群のお姉さんだ。というかエロいな、うんエロい。あんなの反則級だろ。白魚の様な綺麗な肌、胸元を大きく開いたドレスからはスラリと伸びた美脚が男心をくすぐっている。
『続いて西ゲートからは———今大会初出場の為、情報は一切ありません!その鍛え抜かれた肉体からどんな技が繰り出されるのか!マスラオ選手の入場です!』
ロザリアの入場の時とは違い、女性客の歓声がとんでもないくらい大きく出ている。
まぁリースが変身してる奴、イケメンだし?体系もしっかりしててかっこいいよな。羨ましい。
『それでは試合……開始!!』
30話まで更新です。素人ですが、僅かでも読者がいらっしゃる事に驚きです。
ありがとうございます。これからも更新頑張ります。
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