異世界でもプロレスラーになれますか?
第26話 久々の着信
この日の夜、俺たち3人は宿で食事をし、俺は自室にて最終調整をしていた。
ちなみに部屋割りは俺が1人部屋、シルフィとリースは同室ということになった。まぁ当然だよな。
俺は調整を終えベッドに横になり、天井を見上げていた。明日の大会、俺は必ずヴィルフリートを倒し、シルフィの仇を取る。この王国にも未だにシルフィを信じてくれている人がいたんだ。負けるわけにはいかない。
俺は1人闘志を燃やし、明日の為、今日は早めに眠りにつこうと目を閉じたのだが……
プルルルルッ
なんだか久しぶりに聞く音が部屋の中に鳴り響いた。そう、スマホの着信音である。正直、今はあれと話をする気分では無いので俺は寝たふりをする事にした。だが突如、部屋中にカーンカーンカーン!とゴングを鳴らす音が轟々と響き渡る。あまりの音に俺は咄嗟に耳を塞いだ。すると……
「こんばんわ竜平さん」
「……こ、こんばんわ女神様」
何故かスマホがスピーカーになっており、ベッドの上にあるスマホから女神様の声が流れた。
「お、お久しぶりですね、お元気でしたか女神様?」
「ええ、元気ですよ。竜平さんもお元気そうで何よりです。いえ、今はドラゴン・ヤシマさんと呼んだ方がいいでしょうか?」
な、なんでそんな事知ってるんだ……。まさかいつも見られてるとか?覗きとか趣味悪いぞ。
「いいえ、竜平で大丈夫です女神様。というか女神様、なんだか声が怖い気がするんですが何かありましたか……?」
明らかに不機嫌そうな声音だった。
「ええまぁ少しショックでしたね。今回は竜平さんがまだ起きていたようなのでお電話した次第でして。前回は寝ているところにお電話してしまったので自分なりに反省して今回は起きているところにお電話したのですがまさか寝たふりされるとは思っていませんでした」
「申し訳ありませぇぇん!」
なんだか本当に怖くなったのでスマホのそばで勢いよく見事な土下座を敢行した。
「まぁ今回は潔く謝罪をしていただいたので不問といたします。これからは気をつけて下さいね?」
次は無いぞと言わんばかりに女神様は釘をさす。きっと怒らすと怖い系の人だな。これからは出来る限り逆らわないようにしよう。
「はい……気をつけます。それで今回はどういったご用件で電話を?」
前回電話してきた時はエルド戦の前日だったな。今回も何か助言をしてくれるのだろうか。
「いえ、今回は少し世間話をと思いまして。電話番号は登録してあるのに竜平さん、全然電話してくれないんですもの」
世間話かよ。期待して損したわ。何かしらの情報でも貰えるのかと思っていたのに。
「あー、こちらから電話しても大丈夫なんですか?あんまり頼ったり関わるのはどうかと思っていたので」
「もちろん全然構いませんよ?私としてもあなたとお話しするのはやぶさかでもないですから。多少なら助言も致しますし。ですが過度な干渉は違反になってしまうのでそこはご了承下さいね」
なんだ、そういう事ならいくらでもプロレス話だの地球での試合結果だのを聞くことも可能なわけだ。この世界にはプロレスが無いんだからそれについて話をできる人もいないしな。これからはちょくちょく電話する事にしよう。
俺は元の世界で気になっていた事を聞く事にした。
「そういえば時期的に王座戦があったと思うんですが結果はどうでした?」
「それなら王者が防衛を果たしましたよ。これで5度目の防衛ですね。ですがその後、海外からの刺客が現れて襲撃、改めて挑戦を表明しました」
なるほど。向こうも向こうで面白いことになってるみたいだな。あー見たいなぁ、プロレスラー同士の熱い戦いを。
「あ、ちなみに竜平さんのスマートフォンには生中継を見られるようにしてありますからいつでも見る事は可能ですよ?」
「それ先言っとけ!すごい重要!」
「すっかり忘れてました……申し訳ないです」
なんだよ、それならいつでも試合見放題じゃねぇか。今後の闘いの参考にできるし願ったり叶ったりだ。明日の大会前に何か良い技がないか見ておこう。
「それでは今日は久しぶりにお話し出来て楽しかったです。またいつでも……すいません最後に1つ伝える事がありました」
急に真面目な声に変わる女神様。何だろう、とても重要な話なんだろうか。
「竜平さん……ちゃんと身体鍛えてステキな肉体を披露してくださいね?期待していますよ!それではまた」
真面目な話をすると思いきや最後にどうでもいい話をしてプツッと電話を切った女神様。やっぱ絶対筋肉フェチだよな。プロレスが好きなのは納得出来るがどうも筋肉との繋がりが強い気がする。
「ま、今はそんな事どうでも良いか」
俺は早速、スマホを手にプロレスの試合を見始める。試合を見ているとやはり本物は違う。技を受け、技をかけ、熱くぶつかり合い最後はフィニッシュホールド。これこそプロレスだ。
「……俺、フィニッシュホールド無いな」
正直なところこんな技があったらなぁと思っていた時期があった。その為に自己練習で試していたことはあったが、正直上手くいった試しはなかったな。
「そういえば……」
思い出したかのように冒険者カードのスキルリストを眺めていると1番下の欄に気になるものが存在した。
やっぱりプロレスラーたるものフィニッシュホールドは欲しいものですよね。
ちなみに部屋割りは俺が1人部屋、シルフィとリースは同室ということになった。まぁ当然だよな。
俺は調整を終えベッドに横になり、天井を見上げていた。明日の大会、俺は必ずヴィルフリートを倒し、シルフィの仇を取る。この王国にも未だにシルフィを信じてくれている人がいたんだ。負けるわけにはいかない。
俺は1人闘志を燃やし、明日の為、今日は早めに眠りにつこうと目を閉じたのだが……
プルルルルッ
なんだか久しぶりに聞く音が部屋の中に鳴り響いた。そう、スマホの着信音である。正直、今はあれと話をする気分では無いので俺は寝たふりをする事にした。だが突如、部屋中にカーンカーンカーン!とゴングを鳴らす音が轟々と響き渡る。あまりの音に俺は咄嗟に耳を塞いだ。すると……
「こんばんわ竜平さん」
「……こ、こんばんわ女神様」
何故かスマホがスピーカーになっており、ベッドの上にあるスマホから女神様の声が流れた。
「お、お久しぶりですね、お元気でしたか女神様?」
「ええ、元気ですよ。竜平さんもお元気そうで何よりです。いえ、今はドラゴン・ヤシマさんと呼んだ方がいいでしょうか?」
な、なんでそんな事知ってるんだ……。まさかいつも見られてるとか?覗きとか趣味悪いぞ。
「いいえ、竜平で大丈夫です女神様。というか女神様、なんだか声が怖い気がするんですが何かありましたか……?」
明らかに不機嫌そうな声音だった。
「ええまぁ少しショックでしたね。今回は竜平さんがまだ起きていたようなのでお電話した次第でして。前回は寝ているところにお電話してしまったので自分なりに反省して今回は起きているところにお電話したのですがまさか寝たふりされるとは思っていませんでした」
「申し訳ありませぇぇん!」
なんだか本当に怖くなったのでスマホのそばで勢いよく見事な土下座を敢行した。
「まぁ今回は潔く謝罪をしていただいたので不問といたします。これからは気をつけて下さいね?」
次は無いぞと言わんばかりに女神様は釘をさす。きっと怒らすと怖い系の人だな。これからは出来る限り逆らわないようにしよう。
「はい……気をつけます。それで今回はどういったご用件で電話を?」
前回電話してきた時はエルド戦の前日だったな。今回も何か助言をしてくれるのだろうか。
「いえ、今回は少し世間話をと思いまして。電話番号は登録してあるのに竜平さん、全然電話してくれないんですもの」
世間話かよ。期待して損したわ。何かしらの情報でも貰えるのかと思っていたのに。
「あー、こちらから電話しても大丈夫なんですか?あんまり頼ったり関わるのはどうかと思っていたので」
「もちろん全然構いませんよ?私としてもあなたとお話しするのはやぶさかでもないですから。多少なら助言も致しますし。ですが過度な干渉は違反になってしまうのでそこはご了承下さいね」
なんだ、そういう事ならいくらでもプロレス話だの地球での試合結果だのを聞くことも可能なわけだ。この世界にはプロレスが無いんだからそれについて話をできる人もいないしな。これからはちょくちょく電話する事にしよう。
俺は元の世界で気になっていた事を聞く事にした。
「そういえば時期的に王座戦があったと思うんですが結果はどうでした?」
「それなら王者が防衛を果たしましたよ。これで5度目の防衛ですね。ですがその後、海外からの刺客が現れて襲撃、改めて挑戦を表明しました」
なるほど。向こうも向こうで面白いことになってるみたいだな。あー見たいなぁ、プロレスラー同士の熱い戦いを。
「あ、ちなみに竜平さんのスマートフォンには生中継を見られるようにしてありますからいつでも見る事は可能ですよ?」
「それ先言っとけ!すごい重要!」
「すっかり忘れてました……申し訳ないです」
なんだよ、それならいつでも試合見放題じゃねぇか。今後の闘いの参考にできるし願ったり叶ったりだ。明日の大会前に何か良い技がないか見ておこう。
「それでは今日は久しぶりにお話し出来て楽しかったです。またいつでも……すいません最後に1つ伝える事がありました」
急に真面目な声に変わる女神様。何だろう、とても重要な話なんだろうか。
「竜平さん……ちゃんと身体鍛えてステキな肉体を披露してくださいね?期待していますよ!それではまた」
真面目な話をすると思いきや最後にどうでもいい話をしてプツッと電話を切った女神様。やっぱ絶対筋肉フェチだよな。プロレスが好きなのは納得出来るがどうも筋肉との繋がりが強い気がする。
「ま、今はそんな事どうでも良いか」
俺は早速、スマホを手にプロレスの試合を見始める。試合を見ているとやはり本物は違う。技を受け、技をかけ、熱くぶつかり合い最後はフィニッシュホールド。これこそプロレスだ。
「……俺、フィニッシュホールド無いな」
正直なところこんな技があったらなぁと思っていた時期があった。その為に自己練習で試していたことはあったが、正直上手くいった試しはなかったな。
「そういえば……」
思い出したかのように冒険者カードのスキルリストを眺めていると1番下の欄に気になるものが存在した。
やっぱりプロレスラーたるものフィニッシュホールドは欲しいものですよね。
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