☆うさねこ☆

ずんだもち

23.実習終了!?


空は赤く染まり屋上に肌寒い風が吹く。

「うっ、、うぅん、、」
「お、気が付いたかミサキ。」
「あれ?私、、」
「みんな屋上で気絶してたみたいなんだ。」
「そう、、。」
「よかったですぅ気が付いて。ねっ炎にぃ。」
「、、おう。」
雷夢、炎牙、凍弥の体は傷だらけだった。

「街も学校の人間もみんな起きたし、氷凛も無事だ。俺の雫石で毒も治ったみたいだしな。」
向こう側を指差す。
氷凛は薄紫色の妖精を手に乗せている。
「おばさま、、おばさま、、」

「はっ、そうだ白藍ちゃん!」
「、、、。」
凍弥は無言で隣を指差す。

首元の水晶は透明で体も透けて、今にも消えそうな白藍の姿があった。
「白藍ちゃん!」
すぅっ、、
触ろうするがミサキの手は白藍の体をすり抜ける。
「え、、、、、そんな、、、」
ぽたっぽたたっ、、
目から涙があふれてくる。
「ダメだよ、、生まれたばかりじゃない、、そうだ私の魔力あげるから、、ね、、?」

「魔力の回復も遅い人間が魔力分けるなんて無理だ。ミサキまで倒れちまうぞ。」
「俺たちの残った魔力じゃ全然足りなかったんだぜ、、、。」

「、、、、、。」
ぎゅっ、ブレスレットを強く握り願いをこめる。
(白藍ちゃんを助けたい、、、)
ぽぅっ、、
ブレスレットが光り、頭の中に呪文が浮かぶ。
『サンダガブリザルドフレアライド』
ミサキのブレスレットが強く光出す。
キィィィンッパリンッ、、、
しゅぅぅぅ、、、
割れたブレスレットのカケラが集まり、全て白藍へと注ぎ込まれる。
すぅっと白藍の姿、色が戻る。
「すぅー、、みゃーぅ、、」
すやすやと寝息をたて始める。

「何が起きたんだ?」
「おい!ミサキ大丈夫か?」
「え?うん、、なんともないみたい。」
「本当か??」
「う、うん。でも、ブレスレット無くなっちゃった。」
「まぁ、そのくらいなら、なんとかなるだろ。」

ざわざわざわざわ、、、
屋上が光ったことにより、人間が集まり始める。
「やばいな、姿を消してミサキの家まで避難するぞ。」
「ねぇ、凛ちゃんも一緒に行こ?」
「なんで、、なんで、、」
「なんでって、友達だもん!」
「違う!あんたを利用して闇の心奪うつもりだったんだ!」
「うん、でも私は友達だと思ってるし、もう怒ってもいないよ。それに、友達いない私に凛ちゃんは声をかけてくれて、本当に嬉しかったんだ。そうだ、改めて友達になってくれる?」
「う、嬉しいって、ただ声かけただけなんだけど、、えっ、と、友達?」
「うん。」
「い、、いいの?」
「もちろん!」
すっと手を差し出す。
「じゃ、、、じゃぁ、、その、、よ、、、よろしく、、。」
少し照れながら握手をする。

下の階から声がする。
「屋上へは、その階段です!」
バタバタ、、、

「やべぇ人が来た!早くミサキん家行くぞ!氷凛も妖精に戻って飛ぶぞ!『フェミュート』」
ミサキを妖精の姿に変える
『クラトリティー』
すぅっと全員の姿が消える。
「あれ?凛ちゃんどうしたの?」
「あの、、どうやって戻るの?」
「えっ?」
「そうか、偶然だったり、黒蓮が氷凛を人間に変身する魔法かけていたりしていたのか。」
「うん。私のことは置いてって。」
「置いていけるかよ、それにその手の中の黒蓮にも用があるんだ!」
「あの、凍弥さん、これを使ってください。」
「おぉー『解除クラッカー』じゃねぇか!ありがとな雷夢。それっ!」
雷夢から受け取ると氷凛に向けてクラッカーを鳴らす
パァァァン!
「きゃっ!」
ぽふんっ
「よっしゃ、もう一度『クラトリティー』ほら、早く来い!」
再び透明化をかけなおし、呼びかける。
「う、うんっ。ありがとうなのです、、。」
小さな水晶に引きずるように黒蓮をおんぶした氷凛が乗りふらふらと飛ぶ。

バァン!
屋上の扉が勢いよく開き数人の大人たちが入り込む。

「ふぅ、、危機一髪だぜ、、。」
「凛ちゃん手伝うよ。」
すっ
ミサキは後ろを支える。
「っ、、あ、あり、、、ありがと、、。」
「どういたしまして。」

ミサキの部屋へ戻るとそれぞれ魔法を解き、ぐったりと休む。
ミサキは救急箱やお菓子、飲み物を部屋に持ってきた。

「はいっ順番に手当てするよー。」
「はーい。」
雷夢が先に行く。

「むー、みゃぁー、、」
くしくし
「お?白藍起きたのか?」
「みゃ!起きたぉー」
「ほんとすげー奴だな。」
「みゃ?」


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